作品一覧

  • 冬の日誌/内面からの報告書(新潮文庫)
    4.3
    1巻1,155円 (税込)
    君がまだ3歳か4歳だった頃、君と地面はもっと近かった。君の父親がついた小さな嘘。母親が打った特大のホームラン。心揺さぶられた映画。性の目覚め。学生運動。パリでの暮らし。妻との出会い。外見はまるで変わっても、君はまだかつての君なのだ――。人生の冬にさしかかった著者が、身体と精神の古層を掘り起こし、自らに、あるいは読者に語りかけるように綴った、温かで幻想的な回想録。
  • 写字室の旅/闇の中の男(新潮文庫)
    4.3
    1巻880円 (税込)
    奇妙な老人が奇妙な部屋にいる。彼は何者なのか、何をしているのか――。オースター作品に登場した人物が次々と現れる「写字室の旅」。ある男が目を覚ますとそこは9・11が起きなかった21世紀のアメリカ。代わりにアメリカ本土では内戦が起きている。闇の中から現れる物語が伝える真実。年間ベスト・ブックと絶賛された「闇の中の男」。傑作中編二作を合本。ここに新たな物語空間が立ち上がる。
  • 幽霊たち(新潮文庫)
    3.9
    1巻473円 (税込)
    私立探偵ブルーは奇妙な依頼を受けた。変装した男ホワイトから、ブラックを見張るように、と。真向いの部屋から、ブルーは見張り続ける。だが、ブラックの日常に何の変化もない。彼は、ただ毎日何かを書き、読んでいるだけなのだ。ブルーは空想の世界に彷徨う。ブラックの正体やホワイトの目的を推理して。次第に、不安と焦燥と疑惑に駆られるブルー……。'80年代アメリカ文学の代表的作品!(解説・伊井直行/三浦雅士)
  • ガラスの街(新潮文庫)
    3.9
    1巻605円 (税込)
    「そもそものはじまりは間違い電話だった」。深夜の電話をきっかけに主人公は私立探偵になり、ニューヨークの街の迷路へ入りこんでゆく。探偵小説を思わせる構成と透明感あふれる音楽的な文章、そして意表をつく鮮やかな物語展開――。この作品で一躍脚光を浴びた現代アメリカ文学の旗手の記念すべき小説第一作。オースター翻訳の第一人者・柴田元幸氏による新訳!
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)
    4.0
    1巻880円 (税込)
    六十歳を前に、離婚して静かに人生の結末を迎えようとブルックリンに帰ってきた主人公ネイサン。わが身を振り返り「人間愚行(フォリーズ)の書」を書く事を思いついたが、街の古本屋で甥のトムと再会してから思いもかけない冒険と幸福な出来事が起こり始める。そして一人の女性と出会って……物語の名手がニューヨークに生きる人間の悲喜劇を温かくウィットに富んだ文章で描いた家族再生の物語。
  • ムーン・パレス(新潮文庫)
    4.4
    1巻924円 (税込)
    人類がはじめて月を歩いた夏だった。父を知らず、母とも死別した僕は、唯一の血縁だった伯父を失う。彼は僕と世界を結ぶ絆だった。僕は絶望のあまり、人生を放棄しはじめた。やがて生活費も尽き、餓死寸前のところを友人に救われた。体力が回復すると、僕は奇妙な仕事を見つけた。その依頼を遂行するうちに、偶然にも僕は自らの家系の謎にたどりついた……。深い余韻が胸に残る絶品の青春小説。
  • サンセット・パーク
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    大不況下のブルックリン。名門大を中退したマイルズは、霊園そばの廃屋に不法居住する個性豊かな仲間に加わる。デブで偏屈なドラマーのビング、性的妄想が止まらない画家志望のエレン、高学歴プアの大学院生アリス。それぞれ苦悩を抱えつつ、不確かな未来へと歩み出す若者たちのリアルを描く、愛と葛藤と再生の物語。
  • インヴィジブル
    4.0
    1巻2,310円 (税込)
    一九六七年ニューヨーク。文学を志す大学生は、禁断の愛と突然の暴力に翻弄され、思わぬ道のりを辿る。フランスへ、再びアメリカへ、そしてカリブ海の小島へ。章ごとに異なる声で語られる物語は、彼の人生の新たな側面を掘り起こしながら、見えざる部分の存在を読む者に突きつける。事実と記憶と物語をめぐる長篇小説。
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    オースターと言えば抗えない偶然の連続によって自分を失くしていく物語という印象だったけど、この話は偶然の連続によって自分を取り戻していく物語だった。出てくる登場人物が揃いも揃って問題を抱えていて、更に打ちのめされるような展開もあるのだけど、訳者あとがきにもあるようにオースターにしては楽天的でポジティブな話なんだけど、あのラストをどう解釈すれば良いのかちょっとまだ消化できていない。そこも含め、今まで呼んだオースターの小説の中で一番好きかもしれない。

    カフカの人形のくだりが特に印象的

    0
    2024年05月21日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     突然のポール・オースターの訃報を聞き、長年積読状態だった本書を手に取りました。難解と思い込み本棚で眠っていましたが、オースターってこんなに面白かった?と思わせる小説。10ページ弱のエピソードが怒涛に展開してとても読みやすい。「アメリカ文学」って高尚に構えるのではなく、日本の小説ではないアメリカ的な「物語」を読んでいる、引き込まれて行く感覚。
     結局、人は一人では生きられない。誰かとの繋がりを求めている。オースターの小説の登場人物は、高度資本主義かつ大量消費社会に馴染めないインテリの男が多い。本書もしかり。人間は愚かな生き物だけれども、だからこそ魅力的でもあり愛すべき存在。
     もちろん読みやす

    0
    2024年05月13日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    誰かのおすすめ本で紹介されていて
    気になって購入後、積読したままにしてたら
    何に惹かれて買ったか、どんな内容か
    さっぱり忘れてしまってた

    わたしの最近の傾向でSFだったかなーと
    思いながら読み進めたが、物語である。

    僕の視点で話はすすむ
    むむむ、最後まで読み切れるかなー
    と不安になりつつ、読み進める

    50ページも過ぎた頃からか
    どんどん引き込まれていく
    彼の中に。
    小説って、また読もうと思うものはなかなかない
    一回読んで、あーよかった、面白かったと

    でも、最後まで、ワクワクもするし
    人生についてすごく考えさせられる
    アメリカ文学って、結構文化的なことを
    知った上じゃないと楽しめないのが

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    2024年04月08日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    お気に入りの本になった!
    波瀾万丈あるけど、喜劇的な要素が多く、悲しいシーンでも文章にユーモアがあり面白いから楽しく読めた。
    主人公ネイサンは基本的には他の登場人物たちを手助けするような立ち回りだったけど本人もしっかり作中で成長していて、人生の明るい部分を思い出させてくれるかのようなお話だと思った。
    ポールオースターを読んだのは冬の日誌/内面からの報告書に次いで2回目。なのでまだ多くを語れる立場ではないけどこの人の書く文章や感性が好きだなと思う。

    0
    2024年02月23日
  • 冬の日誌/内面からの報告書(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    自分の人生を肉体と精神のそれぞれの側面から振り返った本。
    ただの自叙伝ではなく、構成がかなりユニークで面白いと思った。時系列順に並んでなかったり、各章でアプローチ方法が全然違ったりなど。あんまり詳しく書くとネタバレになってしまうけど、私は本を書く人間ではないのに思わずこういう書き方もあるんだって感嘆するようなものだった。
    全く違う国と時代と性別に生まれた人だから、情景を上手くイメージできないこともあったけど、それでも筆者の人生を一緒に辿るのが楽しかった。

    恥ずかしながらポール・オースターのことは知らなくてこの本をたまたま書店で目についたからなんとなく買っただけなんだけど、文章がとにかく面白く

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    2024年02月13日

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