ガラスの街(新潮文庫)

ガラスの街(新潮文庫)

「そもそものはじまりは間違い電話だった」。深夜の電話をきっかけに主人公は私立探偵になり、ニューヨークの街の迷路へ入りこんでゆく。探偵小説を思わせる構成と透明感あふれる音楽的な文章、そして意表をつく鮮やかな物語展開――。この作品で一躍脚光を浴びた現代アメリカ文学の旗手の記念すべき小説第一作。オースター翻訳の第一人者・柴田元幸氏による新訳!

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ガラスの街(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ①文体★★★★★
    ②読後余韻★★★★★

     ニューヨークの都市が舞台となっている小説です。読んでみると一見探偵ものに見えます。ストーリーは尋ね人の姿を追い街を歩く主人公の視線と彼の自問自答、思考の振れ、感情の起伏が重なりあいながら、推理小説っぽさを醸し出します。
     ストーリーのなかで登場人物の存在や

    0
    2022年10月29日

    Posted by ブクログ

    入れ子構造をどう考えるか?
    探偵小説家が探偵をする。
    ドン・キホーテ論から書くということの実在性の持たせ方を立論する。
    ポール・オースターが作中にも登場して、構造を撹乱する。
    虚構の実在。実在の虚構。

    末路は、哀れなようでわからない。非実在なのだ。ノートを除いて。

    現代芸術の意味で、これは現代文

    0
    2022年05月21日

    Posted by ブクログ

    2021/06/26
    およそ10年ぶりに再読。やっぱ最高やなオースター。
    なんなんだろう、この本は。ひどく無意味に見えて、同時に深淵でもあるような事件。物語に関係のないように見えて、実は密接に関連している可能性を孕む種々の二面性。あれとこれが似ていること、まったく別のもの同士が共通する面を持っている

    0
    2021年06月26日

    Posted by ブクログ

    ニューヨーク三部作の一作目。
    深夜の間違い電話をきっかけに、探偵になりすましてニューヨークの街並みを彷徨する主人公。何が真実なのか?最後まで何も解決しないミステリー。現実と虚構が入り乱れ、主人公は破滅の道へと突き進む。クセになりそうな独特の世界観。

    0
    2021年04月19日

    Posted by ブクログ

    今「ガラスの街」はニューヨーク三部作の第一作ということで記録されている。
    「孤独の発明」「鍵のかかった部屋」「ムーン・パレス」「偶然の音楽」「幻影の書」と読んできて初期の作品を二冊残していたのは、中篇であり初期に書かれたもので、先に読んだ作品で感じた、私の中の名作「孤独の発明」が次の作品がどういう形

    0
    2020年01月05日

    Posted by ブクログ

    ニューヨークに暮らすダニエル・クインは、かつて探偵小説で名を馳せた作家だった。しかし今では、世間を驚かせるような作品を書く気力もなく、匿名でミステリーを書いて生計を立てている。そんなクインの元にある日、助けを求める電話がかかってくる。「探偵のポール・オースター氏に事件を解決してほしい」という依頼だ。

    0
    2024年01月22日

    Posted by ブクログ

    2つの世界線に生きるオースターさんの邂逅で笑った。ドン・キホーテ自演説を解説し始めた時はなんでわざわざここでそんなことにページ割くんだと思ったけど、最後まで読むとその意味がなんとなくわかった気になれた。個人的なハイライトは序盤のピーター・スティルマンの独白です。

    0
    2024年01月07日

    Posted by ブクログ

    あるひとが、そのひと自身であること。
    それは本人がしっかり把握している限り問題にならないのかもしれない。
    が、本人の把握がゆらげば、あっという間に何者かはわからなくなってしまう。
    いや、何当たり前のこと言ってるんだ、と言われそうだが。
    この小説を読むと、このことを考えさせられるのだ。

    主人公のダニ

    0
    2023年12月03日

    Posted by ブクログ

    思っていたよりずっと面白かった。
    もちろん例外はあるにせよ、私は「いろいろなことが起こりすぎる小説」があまり好きではないが、この小説は色々なことが起こりすぎるにも関わらず好きだと思った。
    多分徐々に狂気の方向に傾いていく描写が良かったのと、自分という存在がリアルでなくなっていくことへの内省の描写がよ

    0
    2023年01月22日

    Posted by ブクログ

    探偵宛にかかってきた間違い電話をある作家が受け、面白半分に探偵のふりをして依頼人の相手をしたところ、思いもよらない運命にまきこまれる。
    依頼人の希望通りにターゲットの尾行をするあたりは普通の探偵小説っぽいが、それ以外は普通とは異なる。
    軟禁状態で言語コミュニケーション抜きで育てられたためコミュニケー

    0
    2022年08月17日

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