作品一覧

  • 殺人者の空
    5.0
    1巻865円 (税込)
    学部自治会での内ゲバの結果、私はM派の内通者Kを殺害した。死体は仲間たちによって埋められ、事件の痕跡は完全に消去された。その後、私は警察から任意出頭を求められ大学も独自に調査を開始する。しかしその結果明らかになったのは、被害者とされるKなる学生が存在しないという奇妙な事実であった……非在の男がもたらす不安が、〈殺人者〉を異様な結末へと導く表題作の他、単行本初収録となる「内宇宙の銀河」をはじめ、「開放時間」「森の人々」「φ(ファイ)」など貴重な作品を集成。日本におけるニュー・ウェーヴSF運動を牽引した著者の真骨頂ともいえる9編を収録する。
  • 鳥はいまどこを飛ぶか
    3.8
    1巻886円 (税込)
    この小説は、最初の二節と最終の二節以外のaからlの配列を任意に変更して読んで下さって結構です――各章の間を自由に飛翔する鳥を異なる角度から追うことによって無数の物語展開を体験できる、実験精神に満ちた表題作の他、三島由紀夫・安部公房らに高く評価された異色作「X電車で行こう」、夜行列車で殺人を目撃した男の奇妙な一晩を描く「赤い貨物列車」、生きた首を拾った男が辿る数奇な運命「首狩り」など全10篇を収録。「季刊NW-SF」創刊、サンリオSF文庫創刊に際し先鋭的なSFや前衛文学の紹介に尽力、創作・評論両面で輝かしい軌跡を残す巨人による幻の傑作が甦る。/解説=高橋良平
  • 鳥はいまどこを飛ぶか

    Posted by ブクログ

    「鳥はいまどこを飛ぶか」
    「消えた街」
    「赤い貨物列車」
    「X電車で行こう」
    「マインド・ウインド」
    「城」
    「カルブ爆撃隊」
    「首狩り」
    「虹の彼女」
    「霧の中の人々」

    大当たり。
    山野浩一の作品は「X電車で行こう」しか読んでいなかったけれど、この短編集を読んで既刊を探そうと思った。
    端的に作風の特徴を言えばカフカ、なのだろうけど、作者独自の思想と筆致が生み出すこの雰囲気は極上。
    現実と非現実、日常と非日常で継ぎ目がないかのごとく移っていく一方で、途中から意外なところに物語が飛んでいく楽しさ。矛盾しそうな二つを達成してると思う。

    どれも面白い。なかでも特に「霧の中の人々」は読書をしていて

    0
    2013年04月02日
  • 殺人者の空

    Posted by ブクログ

    山野浩一傑作選のその2。『鳥はいまどこを飛ぶか』と比べると少し時代が後のものが多いのかな。より思弁的で幻想的な内容ヘとシフトしているのが作風の変化として印象的。収録作だけでなく、その掲載順にも配慮が施されているため、二冊併せて作家・山野浩一ヘの入門編として最適。「あとがき」での著者自身による自作への冷静なツッコミも愉しい。

    「メシメリ街道」、「内宇宙の銀河」、「ザ・クライム(The Crime)」がお気に入り。

    0
    2011年11月19日
  • 鳥はいまどこを飛ぶか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    んー、なんともシュールっていうか、そんな感じの作風の方でした
    海外SFは良く読んだけど日本はほぼ知らないのよね
    作品の時代設定?っていうか舞台は全編通して40年位前?
    なんか、赤軍とか全学連とかそんな感じ
    教科書とかに載ってる安田講堂の立てこもりを思い出しながら読んだw
    映像とかでしか知らないからなんとなーく、新しい?っていうか、新しくはないんだけど…物珍しい感じ?

    「鳥はいまどこを飛ぶのか」
    a~lまでどの順番でも良いと言うので適当に2回位読んだ
    本当に並行世界を渡る鳥に導かれたような印象。

    「消えた街」
    街っていうかマンション群が異空間に放り出され、外の人にはみえないが住人には存在し続

    0
    2011年12月08日
  • 鳥はいまどこを飛ぶか

    Posted by ブクログ

    ’60年〜’70年代に発表された作品群のためか、背景描写等に多少の古さは感じられるものの、その実験的なスタイルやアイデアにはむしろ新鮮さを感じる。全編を通してシュールさの中に虚無感が感じられるのも興味深い。
    お気に入りは、表題作、「X電車で行こう」、「カルブ爆撃隊」、「首狩り」かな。

    0
    2011年11月17日
  • 鳥はいまどこを飛ぶか

    Posted by ブクログ

    内容紹介

    この小説は、最初の二節と最終の二節以外のaからlの配列を任意に変更して読んで下さって結構です──各章の間を自由に飛翔する鳥を追うことで無数の物語展開を体験できる表題作の他、三島由紀夫・寺山修司らに高く評価された「X電車で行こう」、単行本未収録作品「内宇宙の銀河」など全9 編を収める。サンリオSF文庫創刊から先鋭的なSFや前衛文学の紹介に尽力し、創作・評論両面で輝かしい軌跡を残した巨人による幻の傑作群。

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    初期の筒井康隆のようなシュールさとペーソスまみれのユーモアを感じる逸品集。

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    2013年05月05日

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