作品一覧
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3.7人気の動物アイドルユニット・チタクロリンのミニコンサート中におきた指切り事件。 そこからさらに連鎖する指切断事件。嘘つきは誰だ! 綾鹿市動物園で行われるチタクロリンのコンサート。予想以上の集客で混乱する中メンバーの飯岡十羽が撫でようとしたレッサーパンダに指をかみ切られてしまう。チーフ警備員の古林新男は綾鹿署の刑事・谷村の聴取に応じるうちになし崩し的捜査に協力していく。そして関係者次々に襲われて指を切断される事件が続いていく。 小説において、「人間を描く」とはどういうことか。あるいは、ミステリにおいて「人間を描く」とはどういうことか。 いずれも、答えようとしてもそう簡単に答え得るものではない難問である。事は、作家や読者それぞれの人間観と関係してくるし、それは人の数だけ存在する。 ならば、問いを変更しよう。鳥飼否宇という作家にとって、「人間を描く」とはどういうことなのか、と。(解説より:千街晶之)
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-植物写真家の猫田夏海は北海道の撮影旅行の最中、「神の森で、激しい土砂崩れにより巨木が数十メートル移動した」という話を聞き、興味を覚えて日高地方最奥部の古冠村へ向かう。役場の青年の案内で夏海が目にしたのは、テーマパークのために乱開発された森だった。その建設に反対していたアイヌ代表の道議会議員が失踪する。折しも村では、街路樹のナナカマドが謎の移動をするという怪事が複数起きていた。三十メートルもの高さの巨樹までもが移動し、ついには青年の墜落死体が発見されたとき、夏海は旧知の〈観察者〉に助けを求めた! 〈観察者〉探偵・鳶山が鮮やかな推理を開陳する、謎とトリック満載の本格ミステリ。/解説=村上貴史
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3.7「書き下ろしミステリー第3弾!「激走─福岡国際マラソン 42.195キロの謎」の前編と後編が1冊にまとまって再登場! 2007年、師走。北京オリンピックを翌年に控え、その予選レースのひとつである「福岡国際マラソン」には、北京行きの切符をかけ、多くの選手が出場していた。夢のために走る者、名誉のために走る者、愛する者のために走る者、復讐のために走る者……。それぞれの思惑と過去の怨恨、複雑な事情が絡み合いながら、戦いの火蓋は切って落とされた。息もつかせぬ激しいデッドヒート。意地と意地のぶつかり合い。そして事件は起こった……。果たして、一着でゴールし、栄光をつかむのはいったい誰なのか……!?福岡国際マラソンを舞台にした臨場感あふれるレース展開とリアルな心理描写が魅力の小学館書き下ろしミステリー第3弾!単行本も好評発売中!!
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
動物園で行われた、人気アイドルユニット・チタクロリンのコンサート。その最中にアイドルがレッサーパンダに指を噛み切られるという事故が発生。そしてそこから、次々と起こる指切り事件。犯人は誰で、なんのために指を切るのか。謎だらけのミステリ。
読み心地としては、かなり軽いノリです。テンポよく次々と事件が起こって飽きないし、そのわりにはなんだか緊迫感が薄い気がするし、警察が一般人に事情聴取を任せるとか突っ込みたくなるような場面が多々あるし……だけど、解決は軽くなかった! とんでもなく複雑なパズルのようで、組み立てられた全景は実に見事。本当の真相にもぞくっとさせられました。やっぱりこういう世界にはどろどろ -
Posted by ブクログ
メンバーそれぞれが動物好き、という共通点で盛り上がり、結成された3人組アイドルユニット「チタクロリン」。全国の動物園を回ってミニコンサートを繰り返し、着実にファンを獲得していっていたある日、事件が起きた。
メンバーのひとりが動物園の人気者のレッサーパンダに人さし指を咬みきられてしまう。檻の中に手を入れて、レッサーパンダに触れようとしたのがそもそもの間違いだが、彼女はなぜそんな行動に出てしまったのか。そして普段は人に慣れていたレッサーパンダが突然とはいえ、興奮してしまったのはなぜか。警護にあたっていた動物園関係者の間にも腑に落ちないことだった。
そんな疑問が解決しないまま、今度は他のメン -
Posted by ブクログ
指切り事件の裏に隠された真実
人気の動物アイドルユニットTiCrP(チタクロリン、元素のチタン、クローム、リンから)。
動物園で行われた彼女らのコンサートで、メンバーの一人がレッサーパンダに指をかみ切られてしまう。それを発端に彼女らの周りで次々に指を切られる事件が発生する。
まず、あらすじを読んだ段階から。
レッサーパンダは本当に人間の指を噛みきる力はあるのか?という疑問。
軽く調べたところ、平均身長約60cm、主食は竹。犬や猫と同じ食肉目。鋭い犬歯を持つが、臼歯は平たい形となっている。コードくらいは噛みきることはあるらしい。
さらに野生はともかく、動物園生まれの野生を知らないレッ -
Posted by ブクログ
ネタバレ目次
・魔王シャヴォ・ドルマヤンの密室
・英雄チェン・ウェイツの失踪
・監察官ジェマイヤ・カーレッドの韜晦(とうかい)
・墓守ラクパ・ギャルポの誉れ
・女囚マリア・スコフィールドの懐胎
・確定囚アラン・イシダの真実
各事件の一つ一つが面白いのだけれども、最後まで読んだらとてもじゃないけどその面白さは比べものにならない。
最後のアラン・イシダの真実を読んで、やっぱりねって思ったあさはかな自分を笑ってやりたい。
そうかそうか、最初に感じた違和感の正体はここに繋がるのか。
どんでん返しの妙といい、障害を持つ人への逆説的視点といい、以前に読んだ「激走!福岡国際マラソン42.195キロの謎」を彷彿と