作品一覧

  • 詩集 サッちゃん
    -
    1巻660円 (税込)
    ときには子供の王国に遊び、また、深く沈潜する心情の森に分け入る。あふれる詩心とやわらかな目、そしてことばへのつややかな感覚。ここにみのり豊かな世界が熟成する……。8歳から80歳までの子供と詩人の魂にたかく、なつかしく響きわたるみずみずしい詩篇の数々。数々の童謡の名作を生み出した作家の詩集。
  • わが町
    -
    1巻660円 (税込)
    いまは失われた大阪の町並みに道筋に、ユニークな人物がぞくぞく立ち現れる。人間くさく、おかしく、ぶきっちょで、ペーソスにみち、そしてついにいとおしい人間たち。過ぎ去った幼なかりし若かりし季節、そこで出会い別れた愛すべき人々へのいちずな思いをうたって、笑いと涙を呼ぶ人間讃歌。連作長篇の名品。
  • うるわしきあさも 阪田寛夫短篇集
    5.0
    1巻1,463円 (税込)
    「サッちゃん」「ねこふんじゃった」などで、世代を超えて愛される童謡詩人・阪田寛夫は、また、片隅のささやかな人生をあえかな情感と上質のユーモアで描く稀有なる小説家でもあった。脳溢血で倒れた作曲家の叔父の滅びゆく肉体を凝視しつつ、その内で鳴り続ける最後の音楽を哀惜こめて書き留めた表題作、ほか9篇。初期作「平城山」から遺稿「鬱の髄から天井のぞく」まで、「含羞の詩人」の知られざるペーソス溢れる、デビュー作から遺稿まで50年に亘る名品を精選。
  • 庄野潤三ノート
    5.0
    1巻1,771円 (税込)
    小学校、旧制中学、就職先の放送局で庄野潤三の後輩として過ごした阪田寛夫は、いつしか庄野文学最大の理解者となった。習作から刊行当時の最新長篇、そして随筆集までも順に丁寧に読み解くことによってのみ、鮮やかに見えるその豊穣な世界――正確かつ簡潔でありながら深い愛情に溢れる筆致が、読む者を思わず感動へと誘う。類まれな作家論の達成。
  • 庄野潤三ノート

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    庄野が誰かを長くそして深く語る本はあったけれど、庄野がこんなふうに長く語られる本はこの本の他においてあるだろうか。これは小説ではないかもしれないが、間違いなく阪田寛夫にしか書けなかった本であろう。庄野潤三という作家の性質が各作品の解説を通じてありありと浮かび上がってくる。
    庄野作品に登場する庄野潤三からだけではどうしても抑えきれない部分というものが阪田の眼によって明らかにされる。父としての姿のほかにも一作家としての苦悩や葛藤というものが丹念に掘り起こされることによって、なぜ彼が幸せな家庭というものを描くことになっていくのか、その道すじがすこし見えた気がした。
    なによりも作品作りにおいて一片の妥

    0
    2022年05月23日
  • うるわしきあさも 阪田寛夫短篇集

    Posted by ブクログ

    表題作は生きているということの尊さが、本当にしみじみと胸に迫る作品。
    読み終わってから出始めた涙がしばらく止まらなかった。

    死を題材にとった小説、作中に人物が死に、死ぬことで大団円に向かう小説は星の数ほどあるけれど、
    誰も死なないこの一短編よりも、命の尊さについて表現しきったものがひとつでもあるかな?と思います。

    物語の仕掛けとしての登場人物の死ではなく、何十年という人生を近くで生きてきたかけがえのない一人の人間の病と命をみつめた作品。
    掛け値なしに名作です。

    0
    2010年02月22日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!