宇都宮芳明の作品一覧
「宇都宮芳明」の「永遠平和のために」「カントと神 理性信仰・道徳・宗教」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「宇都宮芳明」の「永遠平和のために」「カントと神 理性信仰・道徳・宗教」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
カントの晩年の代表作である「永遠平和のために」、やっと読むことができました。本書は訳注や解説を含めても150ページ程度なのであっさり読めるかと期待していましたが甘かったです。一行一行噛み砕きながら読み進めたものの、カント特有の婉曲的な表現なども多数散りばめられていて苦戦しました。そして本論よりも付録を読み解くことにさらに苦戦し、これは全体の3割くらいしか理解できていないのでは?と怖れを抱いていましたが、最後の訳者による解説によって理解度が一気に8割くらいに上がった気がします。おかげさまで腹落ちしてきた感じがするのですが、少し時間を空けてまた最初から一読しようと思っています。単なる理想像としての
Posted by ブクログ
カントの実践哲学を現実の政治に当てはめて考えるとどのようなことを論じうるかを、カント自身が示した名著。
カント自身が本書のタイトルを「風刺的」と呼んでいることに象徴されるように、永遠平和など実現不可能な絵空事と見なされがちである。
カントはただ理想を語っているのではなく、人間の本性を「利己的」とし、法的状態が構築される以前の自然状態を「戦争状態」とした上で、地に足の着いた議論を展開している。
人間が利己的で、各国家が言語と宗教によって互いに隔離されているということは一見戦争の種であるように思われるが、カントはむしろ、そのような現実があってこそ、平和は構築可能だとする。人間の利己性は社会契約