作品一覧

  • 「わたしの死を泣かないでください」 サッコ・ヴァンゼッティ冤罪事件
    4.0
    1920年代前半のアメリカ社会には、ロシア革命で高まった「赤への恐怖」による思想的偏見と、マーノ・ネーラ(マフィア)の犯罪と低賃金で働くイタリア人移民にたいする民族差別が交錯する社会的ヒステリー現象が覆っていた。  そのアメリカ社会の濁流にサッコとヴァンゼッティは巻き込まれ、木の葉のように翻弄され、電気椅子で死刑となった。二人の、無辜のイタリア人が死刑となった、いわゆるサッコ・ヴァンゼッティ事件は、「アメリカのドレフュス事件」と呼ばれ、世紀のフレームアップとして、世界中で、もちろん日本でも大きな抗議運動を惹起した。  本書は、サッコとヴァンゼッティの命が権力によって絶たれた経緯を、裁判記録と残された書簡で明らかにし、その根源的な意味を問う。
  • カヴール イタリアを創った稀代の政治家
    -
    1巻2,640円 (税込)
    イタリア建国の三傑として英雄ガリバルディ、革命家マッツィーニと並び称される首相カヴールは、目的実現のためには手段を選ばず、権謀術策を弄し、巧みな外交術を駆使して国民国家「イタリア」を誕生へと導いた天才的な政治家であった。 本書では、統一国家「イタリア」を樹立した立役者であるカヴールの軌跡をたどる。
  • フリードリヒ2世
    -
    1巻2,464円 (税込)
    シチリア王国を神聖ローマ帝国に併合しようとして教皇と対立した、中世の頂点と凋落を具現する皇帝フリードリヒ2世の生涯をたどる。
  • ガリバルディ イタリア建国の英雄
    3.7
    1巻902円 (税込)
    イタリアの英雄、ガリバルディ(1807~82)。亡命先ウルグアイの独立運動で戦功をあげ、名声はヨーロッパにまで轟いた。帰国後、千人隊を組織し、シチリア・南イタリアを解放した、イタリア統一の立役者である。その活躍は神話化され、明治日本でも西郷隆盛になぞらえられ、中国・韓国では、独立運動の理想像とされるなど、世界中を熱狂させた。イタリア建国に生涯をかけた男の実像に迫る。
  • 地中海の十字路=シチリアの歴史
    3.7
    1巻1,870円 (税込)
    長靴の形をしたイタリア半島に蹴り上げられるように、地中海に浮かぶ最大の島、シチリア島。マフィアの故郷として知られ、人気の観光地でもあるこの島は、現在はイタリア共和国の一部となっているが、しかし、古くからここは「イタリア」だったわけではない。文明の先進地域・地中海とヨーロッパの歴史を常に色濃く映し出し、多様な文化と宗教に彩られてきたシチリア島。その3000年に及ぶ歴史を描き出し、シチリア島から世界史を照射する。シチリアの覇権をめぐって最初に争ったのは、古代ギリシア人とフェニキア人だった。その後、ローマの「最初の属州」となり、ローマ帝国の穀倉となった。中世にはイスラーム勢力が柑橘類の栽培や灌漑技術を導入し、当時の先端文明と通商ネットワークをもたらしたが、北フランス出身のノルマン人たちがこれを屈服させて「シチリア王国」を建て、栄光の時代が訪れる。さらにドイツのホーエンシュタウフェン家、フランスのアンジュー家の支配が続き、ヴェルディのオペラで知られる「シチリアの晩祷事件」を境に、アラゴン・スペインによる「長く、暗い時代」に入る。フランス革命期にはイギリスの保護下に置かれるが、19世紀にはイタリアの統一運動、すなわちリソルジメントに巻き込まれ、イタリアに併合されていく。絶え間なく侵入した「よそ者」と、宗教・文化の交錯の過程で、シチリア人の誇り高いアイデンティティは形成された。そして今、北アフリカから小さなボートで「新たなよそ者」が押し寄せているシチリアは、まさにグローバル化した世界の台風の目となっている。〈目次〉序章 シチリア島から世界史をみる/第一章 地中海世界と神々の島/第二章 イスラームの支配と王国の栄光/第三章 長くて、深い眠り/第四章 独立国家の熱望と失望/第五章 ファシズムと独立運動/終章 「シチリア人」の自画像/あとがき/参考文献/関連年表/シチリア王の系譜
  • シチリア・マフィアの世界
    -
    1巻1,045円 (税込)
    「シチリア。道化芝居と悲劇が絶え間なく繰り返されるその人間の大スペクタクルをよりよく理解するには、マフィアをわかる必要がある」 シチリアの過酷な風土と圧政とが育んだマフィア。大土地所有制の下で、18世紀に台頭した農村ブルジョワ層は、暴力と脅迫でイタリア近・現代政治をも支配した。謎の組織の誕生と発展の歴史を辿る。(講談社学術文庫)
  • 「イタリア」誕生の物語
    4.0
    1巻1,595円 (税込)
    一八世紀末、イタリア半島は小国の集合体だった。サルデーニャ王国、ジェノヴァ共和国、ヴェネツィア共和国、モデナ公国、パルマ公国、トスカーナ大公国、教会国家、ナポリ王国、ハプスブルク帝国領のミラノ公国……。フランス革命の風を受け、統一国家「イタリア」の実現を目指す「再興(リソルジメント)運動」の激しいうねり。大国フランスとオーストリアの狭間で、いかにして「想像の政治的共同体」は成立したのか? (講談社選書メチエ)
  • 「イタリア」誕生の物語

    Posted by ブクログ

    イタリア近代史の大家、藤澤房俊先生の一般読者向けの概説書。
    リソルジメントの流れが綺麗に整理されてるが、相変わらず「」ばかりで読みにくい(^^;;笑

    西ローマ帝国が滅びてたから、中央権力が不在になったのが日本と一番違うところかなあ。
    特に南にナポリ王国や両シチリア王国ができたことが南北問題の端緒のような気がする。
    日本でいうところの琉球とかアイヌとかを想像するとわかりやすいけど、それらはあくまで中央権力(幕府や朝廷)への従属の下にあったはず。
    イタリアにはそれがなかったのが分裂状態が続いた原因かなあ。

    2013.7.9(火)

    0
    2013年07月09日
  • 「わたしの死を泣かないでください」 サッコ・ヴァンゼッティ冤罪事件

    Posted by ブクログ

    米国の代表的な冤罪事件であるサッコ・ヴァンゼッティ事件を取り上げる。酷い冤罪事件であるが、問題を直視する点では袴田事件の日本よりも米国は進んでいる。

    0
    2023年09月03日
  • 地中海の十字路=シチリアの歴史

    Posted by ブクログ

    古代ギリシア人の植民から現代までの期間を通覧する内容。シチリアの晩祷以降、特に近現代についてはほぼ知識ゼロで読んだので非常に勉強になった。一般的なイメージを幾分改められたと思う。

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    2020年07月30日
  • 地中海の十字路=シチリアの歴史

    Posted by ブクログ

    シチリアと言えばマフィアだろうと思っていたので、歴史が深く面白かったです。 ヨーロッパ的には、シチリアといえば晩涛 でしょう。イルデイポルコ 豚の鼻がムッソリーニのあだ名なら ”紅の豚”は、どうなるのか・・まだ古い建物が残っていて観光するには良さそうです。 やはり飛行機のガソリン代は割高なんでしょうか?

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    2019年09月02日
  • ガリバルディ イタリア建国の英雄

    Posted by ブクログ

    何度挫折しても、再び立ち上がり、不屈の闘志で、イタリア統一の立役者の評伝。

    実際は自己演出もあったのだろうが、これほど国民に愛された革命家は、いないだろう。一言で言うならイタリアの西郷隆盛。

    強国に陸続きで囲まれ、植民地となっていたイタリアが統一し、独立を果たす流れがわかりやすく著述されている。

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    2016年12月31日

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