作品一覧

  • オイディプス王
    4.1
    危機に瀕する都市国家テーバイを救うためオイディプス王は神託を請う。結果は、「先王ライオス殺害の犯人を罰せよ」だった。真相が明らかになるにつれ、みずからの出生の秘密を知ることになる彼を待ち受けていた運命とは? 「エディプス・コンプレックス」のもとになるなど、後世の文学、思想に大きな影響を与え、今も全世界で読み継がれ、上演されつづけるギリシャ悲劇の最高傑作。
  • コロノスのオイディプス
    -
    みずから両眼をえぐって盲目となったオイディプスは、しばらくはテーバイに止まることを許されたが、のち追放されて、姉娘アンティゴネーに助けられつつ、諸国を流浪し、結局アテナイの郊外コロノスに辿りつく。このコロノスで、オイディプスはその最初に足を止めた所がエウメニデス女神達(復讐の魔女)の聖域であることを知って、神託による自己の終焉の地に来たことを悟る。ソポクレス最晩年の作。
  • オイディプス
    -
    テーバイ王の子オイディプスは、スピンクスを退治してテーバイの王位に即く。初めのうちはきわめて幸福に暮らし、先王の妃イオカステーとの間に二男二女を儲け十数年を経る。ところが突然市に悪疫が流行(はや)り出し、作物は実らず、家畜は倒れ、女は子供を産むことができなくなる。そこで、市の司祭は市民達を引き連れて王に嘆願に来る。先きのスピンクス退治同様、なんらかの方法で今度も市を救ってもらいたいというのである。王自身も前から心配していて、デルポイの神託を伺わせに使いを派遣していた。その報告によれば、「先きに非業の死をとげた先王の仇を打たないかぎり禍(わざわい)はやまない」という。オイディプスはあらゆる手段を尽くしてその犯人を探し出してみせると誓う…自らがその犯人であることを知らずして。
  • アンティゴネー
    -
    「人間の作った規則」よりも「神の定め給うた掟」のほうが大切だと言い張って死を覚悟で兄の埋葬をおこなうアンティゴネー。彼女を岩屋に閉じこめた叔父でテーバイ王のクレオーンは取り返しのつかない悲劇を招く。ソポクレス円熟期の傑作のひとつ。
  • ギリシア悲劇全集
    -
    1巻3,300円 (税込)
    アイスキュロスの「テーバイを攻める七将」「縛られたプロメテウス」「アガメムノン」など7点、ソポクレスの「アンティゴネー」「オイディプス王」「コロノスのオイディプス」など7点、エウリピデスの「メデイア」「ヒッポリュトス」「トロイアの女たち」「タウリケのイピゲネイア」「エレクトラ」「アウリスのイピゲネイア」「バッコスの狂信女たち」など19点を収録。
  • ソポクレス全作品集
    -
    円熟期のギリシア悲劇を名実ともに担ったソポクレスの、現存する作品全7編を収録するソポクレス全集。「オイディプス王」はなかでも最も有名な傑出した作品であるが、最晩年の作と思われている「コロノスのオイディプス」は、これに勝るとも劣らぬ評価を得ているこの詩人の最高傑作である。

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  • オイディプス王

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あらすじは知っているけど、実際に読むと最初の堂々とした振る舞いと全てが判明してからの苦悩に満ちた心情の語り口の落差が興味深く、グイグイと読んでしまう。どういう運びで判明するのかを追うミステリーっぽさもあって面白かった。

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    2023年12月25日
  • オイディプス王

    Posted by ブクログ

    2000年前に紡がれた、これは短編でありつつも緻密でおぞましく、逆転と認知の悲劇的なストーリーです。
    辻褄があっているのか、疑問点を読み返して咀嚼してみたくなります。 
    最大の疑問は使者がオイディプス王に謁見した際、お互いにライオス殺害の現場に居ながらその時の場面について追求せず、それより遥か昔に両足を拘束された子どもについて固執し続けたことと、使者が複数人の犯行と証言したことがうやむやにされたことです。使者が王を殺された現場にいながら王を助けられなかった言い訳で虚偽の報告をしたんでしょうけど、その一点を頼りにしていたオイディプス王なのでキチンと回収されないと読み手としてはしっくりこないです。

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    2019年07月07日
  • オイディプス王

    Posted by ブクログ

    ギリシアを学ぶに、ホメロスとプラトン、アリストテレスで足りるわけはないと思いつつ、でも、全部は無理やん
    フロイトとかに繋げれることも思うと、とも思うし、ギリシア悲劇を完全無視とはいかんでしょう

    結論はしっているのに、この迫力、思わず涙が滲む

    徹底した凋落と、全ては過去のこと、ということ
    真実が明らかになるその瞬間まで、過去が語られる以外、何一つたいした出来事は起こっていない

    預言が現実になる、という構造を、この悲劇そのものが預言となって繰り返される構造になっているので、結論を知っているとは別にその都度体験ができるのだろう

    凄まじい

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    2018年11月23日
  • オイディプス王

    Posted by ブクログ

    戯曲
    かかった時間50分

    父を殺し、母と交わる運命を追った王オイディプスを描いたギリシャ悲劇の傑作。

    解説によると、アリストテレスはこの作品について、「逆転」と「認知」が見事に描かれていると評したそうである。アポロンの神託を受けて、自分ではない罪びとに憤るオイディプス王が、ライオスが亡くなった状況やテーバイの神託、捨てられた子についてなど、新たなことを知るたびに動揺し、最後には絶望するという物語の運びが、いっそう悲劇的である。

    何より、物語としても、語り方を考えても、抜群に面白い。2400年も前に書かれたものに、異なる言語や媒体であってもアクセスできるって、改めてすごい。

    訳者の方は、

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    2018年04月30日
  • オイディプス王

    Posted by ブクログ

    随分前に岩波文庫で読んだような気がするけど、改めて再読。古典中の古典な訳で、内容は分かっている。そもそもこれが悲劇として上演された古代ギリシャにおいても、観客たちはオイディプス伝説について現代の我々以上によく馴染んでいたはずだ。それでも読み始めると「世帯で最初の推理小説」と言われるだけある緊張感のある展開からのオチのわかっているどんでん返しに翻弄されてしまう。人間と神を使ってドラマを作る、そしてそれを楽しむ感性がいつになっても変わらない普遍的なものであることを再確認する。

    0
    2023年04月26日

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