作品一覧
-
4.4第三次世界大戦が勃発し、世界各地で4700個以上の核爆弾が炸裂した。戦争は短期間に終結したが、北半球は濃密な放射能に覆われ、汚染された諸国は次々と死滅していった。かろうじて生き残った合衆国の原潜〈スコーピオン〉は汚染帯を避けてメルボルンに退避してくる。オーストラリアはまだ無事だった。だが放射性物質は徐々に南下し、人類最後の日は刻々と近づいていた。そんななか、一縷の希望がもたらされた。合衆国のシアトルから途切れ途切れのモールス信号が届くのだ。生存者がいるのだろうか? 最後の望みを託され、〈スコーピオン〉は出航する……。読者に感動をもって迫る永遠の名作。/解説=鏡明
ユーザーレビュー
-
Posted by ブクログ
ネタバレ読みたいと思いつつ後回しにしてた一冊。
評判通り素晴らしい小説でした。カテゴリ的にはSF小説に分類されてると思いますが、率直に言ってもったいないですね。
SFというだけで敬遠されることも多いでしょう。この本は普遍的で大切なメッセージが込められているので、もっと広く受け入れられるような土台があればいいですね。
中学生あたりの英語の教科書に載っててもいいんじゃないかと感じました。
当時としてはかなり身近なテーマだったとは思うんですが、今読むとちょっと違和感を覚える部分もあります。現代の我々ではどうやっても感じ取れない空気感もあるでしょう。
それでも「人はどのように生きてどのように死ぬか」というテ -
Posted by ブクログ
ネタバレ人類存続の希望をめぐる海洋冒険小説、かと思って読み始めたら、なんか日常(ぜんぜん日常ではないのがだんだんわかるものの)パートが長いな...→完全にそっちがメインの話で好みだった。
絶対に全員死んでいる何ヶ月後かに咲く花を植える、これから伸びる枝の話をする、就職のための習い事を始める、
絶対に全員死んでいる故郷の街を見て「あの店が看板を出しっぱなしなんて珍しいな」と言って、後に船を捨ててそこまで泳いでいく、
絶対に全員死んでいる家族へのお土産を必死に探して、それから最後には家族のいる国へ帰る。
地続き、海を挟んでいるけど船に乗る人にとっては此処から続いているところに、ありありと思い浮かべられる -
Posted by ブクログ
ネタバレ核戦争後の地球、北半球では既に1700発にも上る核兵器とその放射能によって人類は全滅したと思われ、南半球こそ被害は少なかったものの、放射能は赤道を超えて徐々に汚染の範囲を広げてきている…。
人類滅亡前日譚という、絶望を伴った暗いテーマの小説。ずいぶん昔、多分中学生の時に抄訳を読んだ記憶があるのだが、その時はずいぶん怖いディストピア小説のイメージを持った。放射能障害の描写が「はだしのゲン」のそれを彷彿させて読むのがツラかったことを思い出していた。
だが、これは解説で鏡明も書いているのだが、大人となった今読むと、この本はそこまで暗い小説には思えず、むしろ人生の生き方のお手本を示されたような感想