国内ミステリー - シティブックス作品一覧

  • 合本・人情刑事道原伝吉『雪山と執念』全3冊
    -
    1巻1,782円 (税込)
    短編集2冊、中編集1冊を合本にした読み応え版。 『白銀の暗黒』 読み応え十分の5つの中編ミステリーからなっている。 表題となった「白銀の暗黒」は、北アルプスの屏風岩で転落死した登山者のテントに別の登山者の凍死体が発見された事件が発端となった。 「潜伏」では、自分のミスから若い女性を死なせたこという思いから責任をとり辞職した元刑事が、数十年後、死の予感の中で、迷宮入りとなったその事件に、鋭い推理を働かせる。 『仮面の雪山』 手掛かりがなく、迷宮入りやむなしという、手掛かりのない3つの難事件に、豊科署の道原伝吉刑事が足を使い知力と執念で挑む。 表題となっている「仮面の雪山」。正月の北アルプスで遭難した大学後輩の救助に向かった中丸伊左男は、猛吹雪の中、捜索隊からはぐれ行方不明になってしまう。 二重遭難となったが、4日後、奇跡の生還を果たす。 しかし、そこには何かが隠されていた……。 「月の女神」は、大糸線穂高駅のホームで女性が倒れていたことが事件の発端。 おびただしい出血があり救急搬送されるが、病院に到着する前に亡くなった。検死の結果、銃弾による失血による死亡とされた。 数人しかいなかったホームでの銃撃だったが、銃声を耳にした者はいなかった……。 「絶頂の餓鬼」は、冬の北アルプスを山行していた4人パーティに悲劇が襲いかかった。 ストーブに使うホワイトガソリンが、水にすり替えられていた! 1人は生き残るが、3人が死亡。誰が何のためにそんなことをしたのか。 事件に潜む宿怨を、道原伝吉刑事が炙りだしていく。 『血の雪崩』 北アルプスの岳沢で、息子が雪崩に巻き込まれたとの報せを受け、冬山登山経験の豊富な父の中尾英助はただち救助に参加した。 夜になり、捜索はいったん打ち切りとなり、テントを張った。 翌朝、再開のはずだったが、中尾英助はテントの中で刺殺されていた。 捜索に参加した全員がシロとの判断が下される中、豊科署道原伝吉刑事は被害者のずさんな女関係に、事件の真相があるのではないのかと睨んだ……。 表題となっているこの「血の雪崩」のほか5つの短編からなる。 道原伝吉の、真実を見つけるための不断の努力、事件にひたむきに向き合う彼の姿に共感を覚えることだろう。
  • 合本・人情刑事 道原伝吉 「山脈」全3冊
    -
    1巻1,782円 (税込)
    長野県警の人情刑事・道原伝吉の山岳ミステリーの中から、「山脈」というタイトルを三作品集めた面白い企画の合本。 伝吉の執念の捜査手腕は、三作品いずれも嘆息するほど見事。 「地下山脈」 北アルプス・常念岳に登るといって出かけた豊科町に住む家具販売会社社長が行方不明になった。 翌日、稜線から大きくはずれた森林帯で、会社社長は遺体となって発見された。 凍死と思われたが、現場には複数の人間がいたことを示す足跡があり、遺体には殴られた跡なども見つかったことで、殺人事件となった。 捜査は難航したが、刑事・道原伝吉は、かつて銀座のクラブで働いていた実可子という女性の存在に辿り着く。絡み合った男と女の情念を、伝吉は丁寧にほぐしながら、捜査を進展させていく。 「崩壊山脈」 北アルプスから下山した岩佐は、都内の愛人宅に部屋のドアを開けたところで殺害された。 凶器は、ピッケルと思われ、登山経験者が疑われたが、手掛かりに乏しく、捜査は手詰まりになったあたりで、また登山用具を凶器とする殺人が起きた。 地道な捜査がつづけられたが、犯人どころか、犯人像さえ浮かばなかった……。 はたして、執念の捜査が実を結ぶのか。長野県警豊科署の道原伝吉刑事が、金と色の欲にまみれた犯行を暴く! 「死神山脈」 安曇野のホテルの一室で女性の遺体が発見された。 当然、部屋を予約し、チェックアウトして姿をくらませた日比野が容疑者とされた。 だが、刑事・道原伝吉は地道な捜査により、日比野をかたった真犯人がいることを突き止める。しかし、目的はわからなかった。 捜査がゆきづまりを見せはじめた頃、第二の事件が起きてしまう。 その事件も、日比野をかたった凶行だった。 捜査をすすめる道原は、穂高、安曇野、そして東京が、欲と保身によってつながっていることに気づいた。
  • 合本・人情刑事 道原伝吉 出張捜査全3冊
    -
    1巻1,782円 (税込)
    山岳ミステリーの巨匠・梓林太郎の初の合本全3冊。 人気の人情刑事道原伝吉が管轄署内で起きた殺人事件の解明をすべく出張した作品を集めたもの。 「北海道雨竜殺人湿原」(諏訪署刑事 道原伝吉 出張捜査長編) 「蔵王高原殺人事件」(長野県警豊科署 道原伝吉刑事 動機不明連続殺人捜査長編) 「吉野山・常念岳殺人回廊」(豊科署刑事 道原伝吉 哀切苦悶捜査長編) いずれも、心の機微を感じ取りながら捜査していく道原伝吉ならではの物語で、心に迫ってくる。
  • 無法者の独立峠
    NEW
    -
    1巻715円 (税込)
    中央アルプスにそびえる餓鬼岳の乳川谷の上流に独立峠がある。明治期、その峠の向こうに鬼助邑(おにたすけむら)が存在した。廃村になったはずのその邑に、十人ほどの男女が暮らしているという。ある事件をきっかけに、その邑の存在に注目したふたりの刑事が向かった――。だが、そこには、イギリス外務省秘密情報部SIS(前身がMI6)、アメリカCIA、FBI、国防情報部、海兵隊情報部、フランス国家安全保障局、ソ連KGBを巻き込んだ、想像を絶する巨大な組織、計画が横たわっていた。
  • 人間の十字路
    -
    1巻715円 (税込)
    あり得ないほど見事なまでに、特異な短篇集だ――。北アルプス山麓の村で、若者の失踪が相次いだ。究明のために訪れた法師の伊良加は、そこに強烈な霊気を感じ取り、挑んだがはかなくも敗れてしまう。そこで頼ったのが、高僧の紹運だったが、はたして、どうなるのか……。(「情鬼の邑にどらわれし女の物語」より)。九つの短篇すべてが「~~の物語」と題され、全編に描かれる異界と現実の交錯には嘆息――。
  • 悪霊刑事
    -
    1巻715円 (税込)
    警視庁の刑事・妙玄真之は別名「悪霊刑事」と呼ばれるが、そんな刑事は在籍していない。 ところが、彼にしか解決できない事件が勃発すると、どこからともなく「悪霊刑事」は現れ、実在の者となる。 今回は、ヒトや家畜の体内に入り込んで卵を産み付け、狂気へと導く殺人蠅なるものが大量発生したことで、「悪霊刑事」は現れた。生物学者はもとより、自衛隊の火器を使っても食い止められない殺人蠅を、妙玄はいかに立ち向かうのか――。寿行ワールド全開の異界ハードロマン!
  • 前夜祭
    -
    どの夫婦にもありそうな秘密、浮気、不倫を描きつつ、そこに横たわるミステリアスな側面を見事にあぶり出した短篇集。 夫と妻って、きちんと向き合ってもややこしくなるのに、そこに姑や小姑が加わったらどうなることか。男と女、夫と妻の心の襞にひそむ愛と憎しみが、予想外のとんでもない結末を運んでしまう……。せつなさとため息と感動の八つの作品。
  • 螢草
    -
    渡世の世界で、自分を信じて生きる真っ正直な男「昭次」と、「姐さん」と呼ばれる親分の女房「絹」とのせつない交情を描いた「螢草」、バーの女に夢中になって家庭を捨てた夫を本当の心に想いを馳せる「微笑みの秋」、「カイン」「選ばれた女」「翼だけの鳥たち」など五編を収めた、著者独特の味わいに満ちた短篇集。読了時には、読書の満足と喜びが得られるはず――。
  • どこまでも殺されて
    -
    待望の連城三紀彦作品! 「どこまでも殺されていく僕がいる。いつまでも殺されていく僕がいる」。 7度殺され、8度めの殺人が間近にある、という手記。そして、高校教師の元に、「僕は殺されようとしています」というメッセージが届く。これは現実の犯罪なのか、悪戯なのか。僕とは犯人なのか、被害者なのか? 周到に埋め込まれたいくつもの伏線と展開が待ち受ける驚愕の本格推理エンターテインメント!
  • ガラスの壁
    NEW
    -
    1巻693円 (税込)
    都内でも一等地といわれる渋谷区松濤。 商社に勤める夫の和智高広と二人暮らしの絢子は、行きつけのブティックを出て拾った現金入りの封筒を持ち帰ったことから、見知らぬ男に拉致され複数の男から陵辱される。その最中、なぜか男は高広についての情報を事細かく訊いてきた。不感症だった絢子が急に淫乱になったことに不審を抱いた高広だったが、これは大きな陰謀の発端にすぎなかった。 新興宗教から北海道をめぐる国際問題へと、波乱の渦が大きくなっていく――。
  • 新・恋愛小説館
    -
    大好評を博した「恋愛小説館」の続編。というより、新たな極上「恋愛小説館」である。 10の短編は「冬の宴」「白い香り」「緋い石」「陽ざかり」「落葉樹」「枯菊」「即興曲」「ララバイ」「彩雲」「青空」からなり、それぞれが特異な状況に置かれた男女の心理の移ろいを見事に描ききった。 連城三紀彦という、類い希な作家の豊かさや才能が本書に残されている――。
  • 幻獣の森
    -
    1巻693円 (税込)
    ふたりの男が延髄を刺され、トリカブトを注入されて死亡した。つづけて、女性も亡くなった。一見すると、何のつながりもないと思われたが、3人とも茸狩りでペンションに泊まった折、土石流に巻き込まれていた。生き延びた男は、そのことに気づき、思いもよらぬ手段を講じ、殺人鬼に抗していく――。〈表題作「幻獣の森」〉。ほかに「蟹と狼」「変化(へんげ)」「巨猪の山岳」。全4篇とも、脳の奥底を揺さぶる刺激に充ちた作品集。 西村寿行って、こんにもヤバい小説を書いていたのか――。
  • 恋愛小説館
    -
    著者はあとがきで、この十の物語を書くことになった動機について書いている。 「愛という言葉を解説するのに、僕にはこの十の物語と本一冊分の字数が必要だったのです。四十近い年齢で漠然と考える恋愛には、恋の甘美さはなく、愛のほうも純粋にそれだけというわけにはいかず、生活の雑事の埃と煤にまみれています。(中略)その埃と煤のほうを書きたかったのだとも思います」(後略)」 愛という言葉に、誠実に向き合った著者が出した誠実な答えが、この短篇集にある――。
  • 背中合わせ
    -
    ふと垣間見せる、日常の中での男の思惑や女の想いが、ふたりの関係を終わらせたり、はじめさせたりする――。 男は浅はかで女の真の考えをすくい取れないのか? 女はどこまでいっても思慮に富んでいるというのか? 男と女、夫と妻の関係の剛さや脆さを描く21の短篇集。 ここまで見事に鋭く日常を切り取れるものか?
  • たそがれ色の微笑
    -
    竹内は担任教師の小林から、同じクラスの野川靖子との交際は控えるべきとの指導を受けた。そんな事実はないたので戸惑っているところへ、今度は当の野川靖子からは、教師にちょっかいをだされて辟易しているから、交際しているフリをしてくれないか、と頼まれた。仲睦まじいところを小林に見せつけるうちに、なにかがおかしくなっていく……(「落ち葉遊び」)。ほかに「たそがれ色の微笑」「白蘭」「水色の鳥」「風の矢」。全5篇、連城三紀彦の企みに感嘆――。
  • 夜のない窓
    -
    愛することが出来なくなってしまうと、真実だった愛は憎悪へと変わる。それが妻だった時、夫は離婚という方法ではなく、憎悪を妻に打ち込むことを選んだらどうなるのか。妻を最悪の状況に向かわせるために実行した夫の驚愕の方法とその結果とは……。表題作となっている「夜のない窓」。ほかに、親友と結婚することになったかつての恋人が、一晩だけつきあってといってきた「今夜だけ」、「午後だけの島」「山雀」など。男と女、それぞれが秘めた憎しみは、こんなにも見事にケリをつけられるのか。嘆息――。
  • 飛騨高山祭り殺人事件
    -
    1巻693円 (税込)
    飛騨高山の老舗料亭の息子は、東京でプロカメラマンとして成功を掴もうとしていた。そんな折り、実家の依頼という弁護士が訪ねてきて、今後一切、実家の料亭に関する権利を放棄してほしいと言って、五千万円の小切手を提示した。その後で、父親が事故に遭って亡くなったと告げた。 伝える順序が違うのではないか? 高山に住む妹夫婦は何をてしいるのか? 父の死をなぜ伝えてこなかった? 実家で何が起きているのかを確かめるため、息子は急遽、高山に向かった――。そこでは、思いもかけない重大事が連続して起きていた!
  • 炎の黙示録
    -
    1巻693円 (税込)
    ニューヨークのダウンタウンの路地裏で美術商・堀江伸彦が殺害された。堀江の父親の依頼で、友人の遊乱二郎(あそびらんじろう)は現地に飛ぶが、強盗殺人との警察見解に疑念を抱いた。美術商とは違う裏の顔がありそうだった。 早速、私立探偵のトミーと独自の調査を開始するが、命を狙われる。やがて事件を葬り去ろうとする圧力がかかり、東京、パリと舞台は広がり、乱二郎だけでなく周囲の人間まで殺し屋の魔の手が伸びてくる。 冷徹な国際政治が底流にあるのか。暗躍する不気味な敵に挑み凄絶な死闘を描く、国際バイオレンスの大作!
  • 軽井沢・京都殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    旧軽井沢で広大な敷地をもつ元華族の大邸宅で、本物のセレブが参集し、酒と料理と会話を愉しむパーティが催された。深夜になって、参加していた日本のホテル王の姿が見えなくなった。皆で探していると、二階の部屋で短剣を胸に一突きされて殺害されていた。数日後、軽井沢でのパーティに参加していた現職の国会議員が東京湾の倉庫街で殺害されているのが発見された。 これは連続殺人なのか、はたまた、偶然なのか。元華族の美女が、殺人に関わっているのか――。パーティに参加していた可愛くてしっかり者の女子大生・神谷慶子が事件の裏に潜む動機を探っていく!
  • もうひとつの恋文
    -
    絵本作家夫婦の間に、すっと入り込んだ若者。彼が夫婦に心の隙間をついていく「もうひとつの恋文」、知らず知らずのうちに、不美人ながら尽くす女に心を奪われていく男の心模様を描いた「手枕さげて」など5作品を収録。創作のきっかけになったのが、友人や編集者が何気なく洩らした言葉・フレーズというから、一流作家の創造力に唸ってしまう。このあたりのことは「あとがき」に詳しく書かれている。一読推奨――
  • 死紋山脈
    -
    1巻682円 (税込)
    夏が終わりを告げる頃、北アルプス・赤岳ヒュッテの管理人が遺体となって発見された。山を熟知している管理人が遭難するはずがなかった。人が良い彼がなぜ、殺されなければならなかったのか。そこには、山小屋で起きていたあることが、源流だった――『遭難遺体の告発』。全7篇。アルプスの山々を舞台にした殺意と刑事の活躍を、熱量高く、切れ味鋭く描ききった短篇集。
  • 京都小町塚殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    女友だちと京都麩屋町通りを歩いていた服部温奈は、父親が上品な女性と高級料理店に入っていく姿を見かけた。翌日、母から寝起きの電話で父が殺されたことを報された。京都田辺署に駆けつけた温奈は茫然自失のなか、被害者の家族にもかかわらず、刑事から酷い言葉を投げつけられる。 不快と哀しみに負けることなく、温奈は父の名誉のためにも動きだそうと心に決めると、宮之原警部が寄り添ってくれるが……。
  • 京都いにしえ殺人歌
    -
    1巻682円 (税込)
    女友だちと隅田川言問橋あたりを散歩していた野坂夏代は、偶然にも、男たちのいざこざを見てしまった。恐る恐る近づくと、若い男はダイイングメッセージのように「ミヤコドリ」という言葉を遺して亡くなった。その後、殺害された男が、兵庫県屈指の高級住宅街に住む資産家・精道酒造の御曹司であり、著名な歌人であると判明した。野坂夏代は、ダイイングメッセージを聞いた者として、捜査に乗り出した警察庁の宮之原警部に帯同するが、捜査は困難を極めた――。
  • 離婚しない女
    -
    表題作の「離婚しない女」では、読み始めてすぐ、 「夜明け頃に吹雪き始める。それまでに死体を岬の先端まて運ばなければならない」 という一文。いったい何が起こったのか、「私」という人物は誰なのか。 幾重にも謎を重ねた上質のこの事件、ミステリーの根幹に何があったのか。ほかに、「写し絵の女」「植民地の女」の2篇を収録。 いずれも、驚きの展開が待っている――。
  • 赤い霧の殺人行
    -
    1巻682円 (税込)
    つい今しがたまで一緒にいた恋人の珠樹が「好きです、死にたいほど」という書き置きを残して消えてしまった。手塚は珠樹がいなくなったことで、彼女への愛の深さを知ることとなった。 珠樹はどこへ行ったのか。東京にいても手掛かりは得られず、彼女の故郷を訪ねようと決めた。手塚はそこで、壮絶な彼女の生い立ちととに、失踪の理由にも触れた。愛を知った男は、恋人を捜すことができるのか――。 後に大活躍する宮之原警部が、脇役で登場するのも興味深い。
  • 殺人者は二度唄う
    -
    1巻682円 (税込)
    美しい依頼者の弟は失踪した。銀行預金を解約し、全額、依頼者の口座に振り込んだ。そして電話をかけてきて、アリスの「帰らざる日々」を唄ったという。失踪したからこそ浮かび上がった意味深な行動だった。 失踪には理由があったのか? 本当に自らの意志によるものか? 誰かの意図がそこに働いていないか? 私立探偵・秋津慎平は、彼が原発作業員として働いていた敦賀に向かった――。
  • 京都嵐山殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    京都四条河原町の裏手で、すぐ近くの乗雲寺の住職・神野全乗が刺殺されていた。そこには棄てらていた1万円札が数百枚、風に舞うという異様な殺人現場となっていた。そこで犯人として目をつけられたのが、アクション俳優の鈴鹿進一郎だった。 鈴鹿は、京都を舞台にした映画撮影のためにやってきたが、正義感と目立ちたがりの精神から、事件の真相解明に突き進んでいく。日本中に知られている有名人とはいえ、捜査権などない芸能人が、どうやって犯人を見つけるのか――。
  • 復讐の狂炎
    -
    1巻682円 (税込)
    親友と思っていた出世が早い同期入社の男に蔑まれ、侮辱の言葉を投げつけられたら、サラリーマンはどうしたらいいのか? 上司の策略で左遷させられても、黙って従うのがサラリーマンなのか? 地方に飛ばされている間に、妻に浮気されたサラリーマンは、子どもや家庭のために見て見ぬフリをすべきなのか? 本書の中編4本に、それらの答が描かれている。 悔しさと悲しみを堪えるばかりが正しいことではない。不誠実な者たちに、冷徹に鉄槌を下す。怯まずやり抜くその胆力と正義感が、正しいサラリーマン人生に導く――。
  • 雪の埋葬
    -
    1巻682円 (税込)
    私立探偵・秋津慎平の新たな依頼は、妻が失踪したと悲嘆にくれる夫・依田努からだった。 さっそく捜索をはじめるとすぐ、妻本人から、離婚したいから身を隠したという電話が入り、慰謝料5000万円を渡してくれと言ってきた。それはまるで、誘拐犯からの身代金要求のようだった。 普通ではない失踪に、秋津慎平は食らいつくが、はたしてその先に待っている事実を掴めるのか――。
  • 迷路に花束
    -
    1巻682円 (税込)
    別れた女房に未練はないが、ひとり息子には少しばかり気を遣っている私立探偵・設楽公次の仕事場を訪ねてきたのは、心中で亡くなった女の母親だった。 事故とは思えないので調べてほしいという依頼だったが、設楽は気乗りしなかった。警察では心中に不審な点はないと公式に発表したというのだ。渋々ながら引き受け調べはじめると、次第に心中とは到底思えない事実がでてきた。探偵は細い糸をたぐるよう慎重に、頭脳と男の肉体を使い、心中の核心に迫っていく――。
  • 穂高屏風岩殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    読み応え十分の中編3本からなる山岳推理集である。 「穂高屏風岩」では、穂高屏風岩の屏風ノ頭で恋人と待ち合わせしていたが現れないと、女性が山小屋に助けを求めてきた。男はどこに行ったのか。 「鬼の生還」は、遭難した男が羽毛服を着ていなかったことに違和感を覚えた豊科署の刑事たちは、そこから重大な事件を嗅ぎ取った。 「夜の山脈」では、食堂に4歳の男の子がひとりでご飯を食べやってきた。この子に両親はいないのか。食堂の店主からの通報を受けた道原伝吉は、単なる迷子ではなく、事件が潜んでいると直感した。
  • 八ヶ岳山麓殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県の八ヶ岳周辺の三つのゴルフ場に届けられたキャディバッグの中に、女性の上体の一部が氷詰めにされていた。山梨県側の三ヵ所のゴルフ場には、下半身が詰められたキャディバッグが届けられた。長野、山梨にまたがるバラバラ殺人事件の発生であった。 特別合同捜査本部が設置され、道原伝吉刑事も専従することになった。道原刑事は、若い貞松刑事をとともに、宅配便の荷受けした東京都内の運送会社に向かった。残虐な殺人事件は、思いもかけない展開を見せることになる――。 道原刑事、渾身の推理と地道な聞き込みが、捜査の停滞を打開する!
  • 佐渡・上高地殺人ライン
    -
    1巻682円 (税込)
    シリアスさを保ちつつ、軽妙かつ洒脱をふんだんに織り込んだ、梓林太郎の初期の意欲作だ。 大手総合商社の課長であり、東京調布の大地主でもある松代小弥太は、土日になると身分を隠し、新宿歌舞伎町あたりでヒッピーごとき姿形となる。「ヒッピ」と呼ばれる松代のそばにはいつも、真冬という名の年端もいかない女の子がいて、彼女がトラブルや事件、厄介事を持ち込んでくる。全6話の連作。クセになる面白さを秘めた珍作!
  • 信州・佐渡殺人鉱脈
    -
    1巻682円 (税込)
    生活費と大学の授業料のために住み込みで新聞配達のアルバイトしていた信州大学の学生・青島蕗子が行方不明になった。それはバレンタインデーの夜のこと。彼女は19歳だった。 諏訪署の刑事・道原伝吉は捜査に乗り出すが、彼女は絞殺されていた。付近を徹底的に捜査するうちに、近くの畑から若い男性の刺殺死体が発見された。これは連続殺人なのか、偶然なのか。 道原伝吉は、事件の裏にひそむ複雑に入り組んだ過去と今の憎悪に立ち向かう。
  • 名器は殺しの味
    -
    1巻682円 (税込)
    12話からなる短篇集。短編二話ごとに間奏としてさらに短い短編を挟みという凝ったり構成である。本書は著者が苦労してデビューして6年ほど経ったころに書かれたもので、いわば、自信を得て脂がのってきた頃の著作といっていい。意欲的な短編ばかりで、読み応え十分だ。
  • 仙丈岳殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    南アルプスの仙丈岳に登っていた2つのパーティの計5人が、激しい吹雪のなか、仙丈小屋にたどり着いた。 両パーティの食料は底をつきかけていたが、天候の回復は見込めず、足止めをくっていた。そんな状況のなか、新たに雪男と見紛うような大男が、小屋に避難してきた。 大男は、リュックを失い、なにも持っていなかった。5人はその大男のために、食料を供出するばかりか、寝袋まで貸すことになったが、大男は当然の顔で、感謝の言葉すら口にしなかった。 大男さえいなくなれば、生きながらえるのではないか。追い詰められていた両パーティの5人は、思いもかけない決断をする――。
  • 赤岳殺人暗流
    -
    1巻682円 (税込)
    八ヶ岳連峰・赤岳で、雪山山行のリーダーが行方不明になった。その頃、長野県諏訪市のマンションで、心中に偽装された男女ふたりの札時事件が発生していた。殺害時間の頃、マンションの住人たちは非常階段から響いてくる、コツコツという重い響きのある音を聞いていた。その音はいったい何なのか。そこに、雪山で遭難したグループが関わっているというのか。諏訪署の刑事・道原伝吉は複雑に絡まった男たち女たちの想いをほぐしながら事件の真相に迫る!
  • 処刑の家
    -
    1巻682円 (税込)
    千葉県内のゴルフ場のコックとして勤務している堀井勉とキャディーの志穂は、仲良く暮らしていたが、失踪した父の家を相続するにあたり、妹の直美とトラブルになる。 相続問題はどこにでもあるが、姉妹は仇同士のような軋轢を生んでしまう。 そんな折、志穂は何者かによって凌辱されてしまう。まさか妹が仕組んだことなのか? それだけでも深刻な問題だったが、ことは複雑だった。堀井が犯した過失致死事件が絡んでいそうだった。男のロマンとバイオレンスが絶妙な、勝目ワールド全開の長編。
  • 背徳の山嶺
    -
    1巻682円 (税込)
    大規模な建設工事着工前に行われる環境調査を主業務とする会社社長の松宮達行は、寝汗をかくほどの不吉な予感に襲われていた。 予感が的中したかのように、家族が食中毒で入院することになる。その数日後には、松宮自身が交通事故に遭ってしまう。運転者はわからずじまい。轢き逃げだった。 いくら考えても、生命を狙われる覚えはなかった。それだけに、不幸な偶然が重なっただけとも思えたが……。 悪意をぶつけられた者は、どうやって切り抜けるのか。スリルに満ちた長編推理!
  • 裏街山脈
    -
    1巻682円 (税込)
    夫婦仲が険悪になって別居生活をはじめた刑事は、家出少女を保護するうちに一緒に暮らし始めてしまった。 少女はしだいに、刑事にとって辛い現実を忘れさせる大切な存在になっていく。だが、刑事の生活を告発する手紙が署に送りつけられ、立場を悪くする。そんな折、幼児誘拐事件が起きる。悪いことは重なり、保護した少女の行方も分からなくなる。 残された少女の荷物から行き先の手掛かりを見つけ追っていくが、そこで事件が起きていた――。 刑事の職を棄ててまでも、少女への愛を貫こうとする男の純粋な執念の追跡が始まる。異色山岳ミステリー!
  • 霧の常念岳殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    大手商社に勤める今泉は、ガンで妻を亡くして間もなく、常務の紹介で渋々見合いをした。断れば、出世はなくなる。常務はそんな難しい性格の人とわかっていながら、色よい返事ができずにいた。このとき、今泉には不倫関係の女性がいたのだ。 見合いを進めるには、愛人が邪魔だった。常務から返事を聞きたいといわれればいわれるほど、愛人が疎ましくなった。そこで今泉は、この愛人を北アルプス常念岳の登山に誘った……。 出世と新しい幸福を掴むために暴挙にでたごく普通のサラリーマンは、いったい何を掴めたのか。作者渾身の作!
  • 死化粧山脈
    -
    1巻682円 (税込)
    蝶ヶ岳と常念岳の間の沢で死体が発見された。当初、道迷いによる疲労凍死と見られていたが、登山道から外れた現場付近の木の枝に正しい道標を示す赤い布きれを見つけたことで、遭難という見立てに疑問符がつけられた。長野県警豊科署の道原伝吉は、雪山の現場に向かい、捜査を開始する。赤い布きれに隠された驚愕の罠を、伝吉は見抜く!「霧の道標」より。 全6篇からなる力作揃いの山岳ミステリー集――。
  • 絶叫山脈
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県警豊科署に、北アルプスの常念岳で死体が発見さたとの一報が入った。死体には不審な刺し傷があり、転落事故死とは思えかった。 身元を調べるうちに元警察官と判明し、怨恨の線で捜査がはじまったが難航を極めた。迷宮入りも視野に入れなければと内心考えたころ、元警察官と同じ殺され方をした他殺体が発見された。 二人を結ぶ点と線はいったい何か――。山岳ミステリーの旗手が、人間の心理を丹念に描いた渾身のサスペンス。
  • 恥部
    -
    1巻682円 (税込)
    犬塚誠は弟分の荒木欣也と恋人の松川奈保子と組んで、盗んだ車を使って強請りを繰り返していた。 強請りを成功させた夜、ふたりは路地から飛び出してきた中年男を撥ねてしまい、それを偶然目撃した柳井純子を車ごと拉致することに。 ところが純子から、自分を裏切った恋人の人気作家・仙波明彦から大金を巻き上げるという狂言誘拐を提案される。 順子は仙波の2つの秘密を握っていた。 緊迫の狂言誘拐は成功するのか? 多視点からの構成が緊迫感を織りなす傑作ハードバイオレンス。
  • 鴉五千羽夕陽に向う
    -
    1巻682円 (税込)
    カラスが主人公の、前代未聞の小説である。 ゴルフ場建設中の作業員詰め所で出る残飯目当てに、カラスがぞくぞくと集まってきた。その数、数千。 ゴルフ場オープンまでなんとか退治したいと決意した従業員たちは、猟銃、毒薬、果てはダイナマイトまで使った。 だが、危険を察知する能力の高いボスガラスは、人間たちの仕掛ける罠をことごとく見破り、かいくぐっていく。そしてついには、反撃にでる! 著者にしか描けない、人間とカラスが繰り広げる戦いは壮絶だ。見事な動物ロマン、必読である。
  • 獣の聖域
    -
    1巻682円 (税込)
    女と別れた傷心を抱えて深酒していた探偵・秋津慎平のもとに舞い込んだのは、失踪した夫を捜してほしいという妻からの依頼だった。 捜索を始めた秋津は、夫の半田保が痴漢騒動に巻き込まれて金を強請られていたこと、さらに小心で実直な婿養子だと思われていた半田が、若い女と不倫関係を結んでいたことを知る。半田の裏の顔は、失踪と関わりがあるのだろうか。 時々刻々と変わる状況、心理、新たな事実。依頼人の半田昌子と愛人に翻弄されつつ、秋津は半田保の行方を追う。勝目梓独特のサスペンス&ソフトバイオレンス!
  • 蜜の刃
    -
    1巻682円 (税込)
    女子大生の今日子が二人の男に誘拐され、監禁された。全裸され、手錠で繋がれた上に、女二人も加わっての乱交状態で凌辱された。解放された彼女は恋人の慎治に事実を打ち明けるが、精神に破綻をきたしていた。 その後、脅迫の電話が今日子の実家にかかってきた。乱交状態を映したビデオテープと引き換えに、資産家である父親から1億円を脅し取ろうという魂胆だった。 自分が悪くもないのに罪悪感を感じていた今日子は、思いもかけない行動に出てしまう。そこから慎治は激しい復讐の炎を燃やし始めた。小さな手掛かりから男女4人を追い詰める。これぞ本物の復讐ハードバイオレンス!
  • 燕岳 殺人の暦
    -
    1巻682円 (税込)
    北アルプスの燕岳で刺殺死体が発見された。 健康保険証から身元はすぐに判明したが、不明なことがあった。どういうわけか、11年前の冬に亡くなった女性についての新聞記事の切り抜きを持っていたのだ。 なぜ、男がその切り抜き記事を持っていたのか。長野県警豊科署の道原伝吉刑事は、過去の事件を徹底的に捜査するうち、北アルプスでの遭難事故が絡んでいることをつかんだ。 犯罪とは無縁のごく普通の人が、憎悪と欲に取り憑かれていく様が見事に描かれた見事なミステリー小説!
  • 蜜の迷路
    -
    1巻682円 (税込)
    おれは平凡な輸入キッチン用品のセールスマンだった。 ある昼下がり、住宅街の一軒を飛び込み営業した時、欲求不満の主婦に誘惑される。情事の後、ふと目についた現金を盗んだところから、人生は大きく変わってしまった。仕事をやめ空き巣専業となったのだ。 空き巣には思いがけない余禄がついてきた。部屋に隠されていた男と女の秘密の写真やビデオだった。そんなものに興味を抱いたことが地獄の入り口だったとは――。 ここには、信じられないまでのセックスと暴力が描かれている。ハードバイオレンスの極北、極致!
  • 出羽三山殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    大手食品メーカーにかかってきた突然の脅迫電話がかかる。「明日の二時までに十億円を用意しなければ、菓子を食べた人が死ぬ」 現金を輸送するため者として、犯人に指名されたのは、営業部員の三崎だった。 三崎と社長室員の小舟春美は、東京から山形の月山へ現金を車で運ぶことになった。 途中、同行していた小舟春美が姿を消してしまう。彼女の捜索のさなか、地元警察は出羽三山神社裏で男の死体を発見する。 事態は脅迫事件に殺人が加わったことで混沌とし、三崎までもが疑われてしまう。 三崎は自らの潔白を証明しようとするが、彼には後ろめたい過去があった。 東北の霊山で、過去と現在が交錯し、欲と裏切りが入り組む。息詰まる展開がつづく長編山岳ミステリー。
  • 黒い岩壁
    -
    1巻682円 (税込)
    霞沢岳、大滝山、天狗ノコル、涸沢、帝国ホテルにほど近い上高地などを舞台にした、山岳の臨場感、醍醐味に溢れる6篇からなる短篇集。 「凍る沢」では、霞沢岳で拾ったカメラがきっかけとなって、隠されていた事件があぶり出される。 「暗い谷への接近」は、大滝山の麓に集まっていたカラスの群れから死体が発見されたことから事件が発覚する。 ほかに、「潜伏」「刺殺」「春の弾痕」と、いずれも山岳を舞台にした、切れ味するどいミステリー。
  • 加賀いにしえ殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    大手銀行の支店長の父親が失踪した。そして二百三十億円の横領の容疑がかけられた。しかし父親は石川県の白山の麓のダム湖で死体で発見された。 娘の千尋は遺体確認に金沢に行き、父親が1週間も滞在していたという秘湯の宿を尋ねるが、旅館の主人の話からすると父親の行動があまりにも「らしくない」ことに不信をいだく。 父親のデスクダイアリーに“尼御前”というメモが残されていた。それだけの手掛かりを元に、警察庁の宮之原警部が娘の千尋とともに事件解決に挑む。 バブルに踊らされた日本の経済、政治の影に巨大な勢力がうごめいていた。
  • 事件の年輪
    -
    1巻682円 (税込)
    定年を過ぎ、人生の終盤にさしかかった男たちに降りかかるさまざまな出来事。記憶の中から蘇る若かった頃のこと、歳を取ったからこそ遭遇すること。物語の中に人生の年輪を重ねた男たちの人生がある。 まだ日本が「戦後」と呼ばれアメリカ軍の占領下にあった時代の事件の真相を死ぬまで語らず抱えたまま最期を迎えようとする男。家族に迷惑をかけたくないと自ら死を選ぶ老人。意外なところで発見された旧制中学の門札にまつわる謎など。軽いタッチで綴られるミステリーながら、滋味深い10の物語。
  • 果てなき死線
    -
    1巻682円 (税込)
    平凡な男が、暴力団組長の娘の誘拐を企てた。 ごく少額だった闇金融での借金が法外な利息によって膨れ上がり、家をとられ、妻は自殺し、娘二人も苦界に沈んだのだ。 サラリーマンだった男の目的は、復讐あるのみ。それこそが、ひとり残された夫・父としての存在証明となるのだ。組長の娘の誘拐に成功したものの、その現場には、かつて三木の組に籍をおいていた馬場豊が犯行を目撃していた。その馬場もまた、組長への憎悪に燃えていた。 交わるはずのない二人に、復讐という同じ目的から奇妙な友情が芽生えていく。心にしみるバイオレンス!
  • 陸奥仏ヶ浦殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    青森県下北半島の奇岩で知られる名勝、仏ヶ浦で刺殺遺体が見つかった。民俗学の大学教授、佐伯だった。発見したのは、地元の漁師の案内で仏ヶ浦を訪れた弟子の美樹だ。死亡推定時刻は、二人がこの地に住む霊感少女、幽香子をたずね、彼女の神憑きを見たその深夜だった。幽香子は未来を予想するかのように、「聖なる地は血で汚され……」と託宣していた。 死んだ者の霊を呼び寄せるイタコの聖地、恐山の麓で起きた連続殺人事件は巨大宗教団体の影がちらついていた。広域捜査官、宮之原警部が若い女性民俗学研究者とともに謎を解き明かす。下北半島を巡る旅情ミステリー。
  • 密室
    -
    1巻682円 (税込)
    政治家や高級官僚を相手にする秘密のコールガール組織に、かつて関係のあった銀座のクラブママ・畑野光子が絡んでいる――。 そんなネタを掴んだ雑誌記者の堀部昌二郎は光子を訪ね、勧められるまま買ったコールガールの由美に惹かれていく。時を同じくして、女の乳房と性器を切り裂く連続殺人がおきた。 被害者のうち一人を除いて光子の組織のコールガールだったことが判明する。一方で、由美こと宇津木恵の持つゆがんだ深層心理が次第に明らかになっていく。 疑惑を持ちつつも恵の肉体におぼれていく堀部は、地獄に向かう。傑作長編サスペンスミステリー。
  • 西表 背徳の断崖
    -
    1巻682円 (税込)
    探偵の岩波がリーダーの冒険グループの女性メンバー真那津が、阪神淡路大震災で母を亡くした少女を連れて帰京した。唯一の肉親は父だったが、数年前に妻子を棄てて愛人とともに沖縄に逃げてしまったようだった。 成り行きで捜索をはじめた岩波は西表島に向かったが、父親は3年前から行方不明になっていた。 なぜ、姿を消したのか。捜索を進めるうちに、思いがけない真実が浮き上がったきた。父親は無事なのか? 肉親を亡くした少女に安寧は訪れるのか――。 南の島を舞台にした、異色ミステリー!
  • 黒部渓谷殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    残業で帰宅が遅くなったときのために、自宅とは別にアパートを持つ――。 妻の承諾のもと、遠距離通勤しているサラリーマンにとっての夢のひとつを叶えた銀行マンの相原亮介だったが、一本の恐ろしい脅迫電話がかかってきた。その電話の主は、相原が別宅でもあるアパートに部下の女子工員を連れこんでいた秘密を知っていたのだ。 バラされたくなければ山に登れ。脅迫者はなぜか、山に登れと命令してきた。相原は銀行マンとしての立場を守るため、平和な家庭を守るため、脅迫者に従ったが……。 エリート銀行マンの夢が、どこで悪夢となったのか。人生の破綻にスポットを当てた異色の山岳ミステリー!
  • 流転山脈
    -
    1巻682円 (税込)
    群馬県月夜野町の川沿いの草むらで、東京ナンバーのタクシーが運賃メーターが作動したまま放置されていた。その額12万超。あたりを探すと、運転手は殺害され、車のキーはどこにもなかった。乗客の姿もなかった。 その7日後、長野県の北アルプスで、若い男性が殺害された。被害者の出身地は群馬県月夜野町。豊科書の刑事・道原伝吉は被害者の背景を探るために月夜野町に飛んだ。 刑事たちは丹念に殺意の源をたどるうちに、被害者の接点をあぶり出していく。心の傷が憎悪から殺意へと形を変えていく姿を見事に描いた、長編推理サスペンス!
  • 淫らな死体
    -
    1巻682円 (税込)
    大の女好き私立探偵・矢部守が事務員の人妻を口説いてベッドに誘おうとしていたとき、美貌の依頼人沢村可奈子が現れる。人に見られたら困る写真を元に脅迫されているという依頼はあっけなく解決した。下心いっぱいの矢部はその後、腕を買われた可奈子から、財界の大物の孫娘がSMプレーの末に怪死した事件の調査依頼を受けることに。簡単な捜査と思われた事件は、思わぬ方向に進んでいく。レズビアン・3P・SM、さらにはエロ川柳まで満載。エロとコメディ、ほどよい格調と品位の長編官能ハードボイルド。
  • その傷口を刃で飾れ
    -
    1巻682円 (税込)
    不倫相手の医師とともに、自宅前で突然襲ってきた少年に軟禁された看護師の則子。少年院から脱走してきた少年は、金の工面のために医師の沢田を外出させるが、人質となって残された則子の心は猜疑に揺れはじめる(「ブラック・モーニング」)。他、「750cc心中」「しらけ鳥のブルース」「盗まれた夜」「汚れた夜の夜想曲」「誘惑の紫陽花」「青い鳥のエレジー」「ジグソーパズル」「下在の譜」の9編を収録。 男と女の不可思議な心の揺れを巧緻に描く、繊細なハードサスペンス作品集。
  • 南信州殺人神楽
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県茅野市の市会議員の息子が、離れの家で殺害された。隣の部屋で寝ていた祖母は、犯人は面をつけていたと証言した。 漠とした証言だったため、真偽を疑う捜査員もいたが、道原伝吉はそれを真実としてコツコツと捜査をつづけた。 犯人がつけていた面が神楽面で、遠山郷の霜月祭りのときの湯立て神楽でつかわれるものだとわかってきた。 地道な捜査があぶり出す、遠い過去の怨念。道原伝吉は女の悲哀に触れ、犯行に至ってしまった過去を憎む。
  • 蛇淫の殺意
    -
    1巻682円 (税込)
    ひどい宿酔で午後3時過ぎに目覚めたとき、探偵の秋津慎平は自分がラブホテルの一室にいることに気づいた。隣には全裸の見知らぬ女が。女と淫蕩な時間を過ごした後、依頼人が待つ日比谷のシティホテルに赴いた。今回の依頼人は女優の伊吹杏子。盗まれた前衛美術家の作品を元の美術館に戻してほしいという仕事だった。たいして難しいことではないと思ったが、美術品を戻した後すぐに男たちに襲われてしまう。しかも伊吹杏子の家出した娘の捜索まで依頼されたことで、大きな謎に立ち向かうことになる。息詰まるサスペンスとエロス。上質のハードボイルド、ハードサスペンス長編!
  • 阿蘇・黒川温泉殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    信州・安曇野市の西に位置する常念岳への登山口、一ノ沢でリュックを背負った男の遺体が発見された。 五月とはいえ、常念岳登山にはピッケルとアイゼンが必要になるが、遺体の所持品からはそれらの装備が見つからなかった。 安曇野署の人情刑事、道原伝吉に捜査の指令が下る。 見つかった遺体の死因は絞殺、阿蘇・黒川温泉で妻と落ち合うために、岡谷の自宅を出たまま消息を絶っていた男性と特定された。道原刑事の前に、信州と阿蘇を結ぶ事件が次々と現れるが、地道に結ぶ糸を解明していく。だが、事件の被害者たちの背後に、大きな謎が隠されていた!
  • 獣道
    -
    1巻682円 (税込)
    おれは「タン」。逃亡先のバリ島で一緒逃げている女「キンギョ」の寝姿を見ながら、東京での想像もしなかたっ出来事を思い出していた。政治家のセックススキャンダルに巻き込まれ、その政治家を殺したかもしれないほど痛めつけバリ島へ逃げたのだ。 だが、安息は得られない。彼らの手下は執拗に追いかけてきた。このままやられるより「やりかえす」と決めたタンは東京に戻る。 待っていたものは、政治家だけではなくそれを利用しようという黒幕だった。 肉欲と権力欲が渦巻く世界で、タンとキンギョは命を懸けて戦い始める。ハードバイオレンス・ノベルの傑作!
  • 上高地発 殺意の墓標
    -
    1巻682円 (税込)
    上高地から穂高岳、燕岳、蝶ヶ岳、常念岳、そして安曇野。刑事・道原伝吉が所属する長野県警豊科署は北アルプスの山岳一帯を管轄に持つ。美しい山岳風景の中で起こったさまざまな事件、遭難、殺人、失踪、誘拐、逃亡……、がテーマの短編集。人情刑事・道原伝吉を中心に刑事たちが、裏に隠された男女の物語を追い、鮮やかに事件を解決に導いていく。季節をわけた凝ったつくりは、味わい深い。
  • 飛騨岩稜殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    北アルプス涸沢岳西面の岩稜ルート、通称「飛騨泣き」で中年男性の死体が発見された。遺体の腹部は横一文字に切られていたことから、転落死ではなく、他殺と断定し、捜査を開始した。 長野県警豊科署の道原伝吉刑事は東京に出張し捜査を開始するが、手掛かりは得られない。捜査に行き詰まり感がではじめた頃、同様の切り傷をつけた殺人事件が発生した。 点と点はつながるのか。連続殺人ではないのか。道原伝吉の地道な捜査と、透徹した眼力で、殺人の深層をえぐり出していく。人情刑事・道原伝吉の山岳長編ミステリー。
  • 時の報酬
    -
    1巻682円 (税込)
    ブティック七店とレストラン三店を経営し、不動産業にも手を出している凄腕の経営者・池沢久夫に、不気味な電話がかかってきた。 相手にしなかったが、その得体のわからない相手は、ブティックに現れ、店員にわかるように万引きをした。 単なる万引き犯でないことは明らかで、池沢は急ぎ、店に向かうことにした。案の定、万引き犯は見知った顔、武原耕司だった。 武原の出現は、池沢にとってやっかいだった。凄腕の経営者になるためのとっかかりの金の工面に、武原は深く関わっていたのだ。 池沢はネチネチと絡んでくる武原に、どうやって対処するのか。男としての本当の真価が何かを問う!
  • 不倫の報酬
    -
    1巻682円 (税込)
    義母が亡くなった。北軽井沢の林道に駐めた車の中で。自死というが遺書はなかった。 義母と秘かに深いつながりのあった息子は、義母の自死に納得できず、行動に出た。真実を突き止めることが義母への愛の証だという思いもあった。 母には、家族には秘密があることがわかった。莫大な借金、そして不倫。だとしても、納得できない。息子はさらに行動した。 本書は、自死の母について、義理の息子、不倫相手、そして息子と関係をもった義妹、それぞれの視点から描く。構成の妙に加え、官能を色濃く敷き詰めることで、それぞれの身勝手さを浮き彫りにし、ひとりの女の自死の不条理さを浮き彫りにする。見事な作品。
  • 骸の街
    -
    1巻682円 (税込)
    工場経営者の森健に次々と不幸が襲い掛かる。人生のどん底。不況の煽りを受けて経営していた会社は傾き、妻は出入り業者と不倫、そして離婚。最愛の一人娘は夜道で通り魔に刺殺されてしまう。町工場は金策も尽きてついに倒産。 生きる気力を失った森は、「どこの誰ともわからないまま死にたい」と南房総の海べりの街にたどり着く。酒浸りの日々。 絶望の日々を送る森の前に、ある雨の夜、ずぶ濡れの女が現れた。自殺を試み、死にきれなかったホステスの浅倉夏子だ。 生きる望みを失くした2人は、互いに激しく体を求め、むさぼり、惹かれていく。 だが、夏子は地元の有力者に金で買われた「性の奴隷」だった。その男は地元やくざと手を組み、警察も手名付けていて、誰も逆らうことができないアンタッチャブルの、絶対的な存在だった。 森は女のために自分の生きる証を求めるために、命を賭けて街の黒幕に向かっていく――。男の激情が渦巻く長編ハードロマン。
  • 八甲田山死の誘い
    4.0
    1巻682円 (税込)
    明治35年、吹雪の八甲田山で、訓練中の部隊が遭難事故を起こした。死者199名。世界の山岳遭難で最悪の事故である。 その事故の現場に挑もうと、一組のパーティが八甲田山に入った。 その日もやはり吹雪だった。そして彼らもまた、遭難してしまった。 4人のパーティが遭難し、3人が死亡。しかも、生き残ったひとりが帰途の車中で殺害されてしまう。凶悪でありながら謎の深い山岳事故の真相に、警視庁捜査1課の白鳥刑事と月村巡査コンビが迫る!
  • 倉敷・宮島殺人回廊
    -
    1巻682円 (税込)
    冷たい雨の降り続いていた上高地のホテルに、全身びしょ濡れ顔面蒼白の女性が2人転がり込んできた。 事情を聞くと、5ヵ月前に岳沢で雪崩に巻き込まれて死亡した早坂竜次の追悼のためにやってきた、彼の娘と妻の妹だという。そして、一緒いたはずの、妻の知恵、さらには同行していた山岳ガイドがいなくなったという。 捜索隊は山中で首を真横に切られた知恵の死体を発見。さらに翌日には上半身黒焦げの山岳ガイドの死体が見つかり、異様な事件に発展していった。 犯人を追って、山岳事件のスペシャリスト・安曇野署の道原伝吉が動き出す。ゾクゾクする長編山岳ミステリー。
  • 鹿島槍ヶ岳殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    重度の腎機能障害で苦しんでいる若い女性・麻也子は、幸運にも移植手術をすることができた。 麻也子は友人の弓子にその幸運について話すうちに、臓器提供者・ドナーが気になりはじめる。そのうちに、どうやら腎臓バンクから得られたものではなく、父親の財力による闇ルートによって得られた腎臓を使った生体移植ではないかと疑いを持つ。罪悪感も日増しに強くなる。 白馬の別荘で静養する麻也子は、弓子の勧めで、私立探偵を頼みドナー探しを始める。すると間もなく、探偵・出雲が鹿島槍ヶ岳で死体で発見され、その遺志を継いで調査を始めた探偵や病院スタッフも他殺遺体で発見される。 臓器移植を巡る異色の山岳ミステリー!
  • 草津・白根殺人回廊
    -
    1巻682円 (税込)
    「変な男が家に上がりこんで、母を脅しています」――街の資産家と知られる家からの通報だった。 男を確保し取り調べを始めるが、のらりくらりと道原伝吉ら刑事の質問をはぐらかす。被害者の女性にも事情を聴いたが、見当もつかないという返答だった。だが、道原は犯人との微妙な食い違いが気になった。飼い犬が数日前に毒まんじゅうで殺されたことも引っかかる。それは刑事の勘だった。事情を調べるうちに30年前の不審死が浮かび上がり、一連の殺人事件にたどり着く。 道原の執念は薄皮をはがすように、事件の全貌を明らかにしていくと、そこには女三代の悲しみが流れていた。 大人気、人情刑事・道原伝吉シリーズ!
  • 奥飛騨・穂高 殺人怪路
    -
    1巻682円 (税込)
    長野県警安曇野署長宛に、17歳の少女と刑事課の若手・会田刑事が淫らな交際しているという告発文が届いた。 真実ならば警察の信頼を大きく損なうことになるが、匿名での告発を鵜呑みにするわけにはいかなかった。 署長、そして相談を受けた道原刑事が対応に苦慮するうちに、その17歳の少女とつながりがあった男が殺された。 いったい誰が、何の目的で、若手刑事の秘密を暴露し、追い込んでいくのか。刑事と少女との恋の行く末はどうなるのか。 人情刑事・道原伝吉の胆力が事件に迫る!
  • 信州春山殺人事件
    5.0
    1巻682円 (税込)
    「本気で人を殺したいの」と、友人の同級生から相談された女子大生の恵理は、困惑と心配の末に、ツテを頼って長野県警豊科署の刑事・道原伝吉に相談した。多感な女性の冗談では済まされない気配を感じた伝吉は、内偵を進める。すると、彼女には思いもかけなかった過去があることがわかった。 同じ頃、山中で男性が殺された。その男の携帯には、「人を殺したい」と告白した女子大生の電話番号が登録されていた。 息詰まる捜査、いくつものどんでん返しに驚愕させられる、見事な推理ストーリー!
  • 血の残像
    -
    1巻682円 (税込)
    教え子だった女に手をつけた「ツケ」は、こんなにも惨いものだったのか――。 女子大の講師であり、評論家としても名をあげてきた三隅は、車の中で、元教え子との濃密な時を過ごしていたが、暴漢に襲われてしまう。自分の弱さに怯え、名声に傷がつくことを恐れた三隅は、抵抗することなく、いわば、暴漢に自分の愛人を差しだす形をとってしまった。それが脅迫という形になって返ってくるとは……。表題作の「血の残像」をはじめてして、いずれも巧妙などんでん返しが待っている。ハードな官能、ミステリー、バイオレンスが融合した10作からなる短編集。
  • 大雪山殺人事件
    5.0
    1巻682円 (税込)
    小学生が遠足で訪れ、カップルがデートにやってきていた大雪山系旭岳では、チングルマ、エゾコザクラなどが咲き誇っていた。 霧が深くなる中、熊が突然現れ、女性を襲った。霧が晴れると、女性は無惨な姿で発見された。 事故と思われたが、解剖の結果、殺人の可能性が高いことがわかった。 容疑者として北海道警が睨んだのは、当然、一緒に登山にやってきた婚約者だった。 だが、彼には崩せそうもないアリバイがある。 北海道警の刑事たちは、アリバイを崩せるのか。忍耐の捜査がはじまった。
  • 霧ヶ峰殺人高原
    -
    1巻682円 (税込)
    霧ヶ峰の自然が好きで、東京から何度も登っていた北村真由子が行方不明になった。 宿泊を予定していた山荘では、経営者の五代芳昭を先頭に、合宿をしていた多くの大学生らも加わって捜索がはじめられた。 同時期に、霧ヶ峰を大々的に開発しようと、地元民と交渉をつづけていた東京の業者の責任者が殺害され、遺体で見つかった。 自然を破壊し開発を強引に進めようとする業者と、地元民との軋轢が殺害理由なのか? そして、北村真由子は無事なのか。 帰還を願って捜索をつづけたが、山荘の近くのカラマツ林の中で、北村真由子は遺体が発見された。その近くからは、山荘の経営者・五代芳昭が愛用していた登山ナイフが見つかった。 警察では当然、五代を容疑者として取り調べることになったが……。 開発したい者と保存を願う者との思惑が絡んだ、長編山岳ミステリー。
  • 鳥海山殺人渓谷
    -
    1巻682円 (税込)
    警視庁捜査一係の白鳥刑事、同じく一課の河津貴子、第十交通機動隊の月村修の3人は、中央アルプスの宝剣岳に登っていた。 4月ではあったが、山には雪があった。 登っていた者たちの耳に、空気を裂く音が届いた。その直後、雪が動き、雪崩が発生した。 警視庁の3人は危うく難を逃れたが、4人が死亡した。 空気を裂く音は、銃声ではなかったか? その振動が雪崩を引き起こしたのではないのか。 雪崩被害の当事者となった捜査一係の白鳥刑事は、月村修をしたがえ、地道な捜査に乗り出す――。 白鳥、月村の絶妙コンビが追う、長編山岳ミステリー。
  • 鬼の棲む場所
    -
    1巻682円 (税込)
    城所恒夫は母を知らない。 未婚で恒夫を産んだ母は、元ボクサーの父と結婚した1年後に、4歳の恒夫を残して消えたのだ。 以後、血の繋がらない父が男手ひとつで育ててくれた。 ある雪の夜、19歳の恒夫は新宿でトレーナーの田沼八郎に出会い、プロボクサーを目指すことに。一方で、恒夫は恋人の中井信子とは別に、一緒に暮らしていた養父の愛人清子とも体の関係を持ってしまっていた。 デビュー戦、新人王戦と勝ち進む恒夫だったが、複雑な人間関係の陥穽の渦に巻き込まれていく。 エキサイティングなファイトシーンがストーリーと絡み合う、会心の長篇ハード・サスペンス。
  • 穂高雪山殺人迷路
    -
    1巻682円 (税込)
    連日雪が降り続いていた3月の北アルプスで、男性3名女性1名のパーティーが遭難した。幸い3名は救助されたものの、男性1名が行方不明のまま捜索が打ち切られた。 2か月後、パーティーのリーダーだった真中荘平から再び救助要請が入った。 行方不明の男性を捜しに、同じパーティーのメンバーだった古田紀洋と2人で登り、古田が滑落したという。 翌日発見された古田の遺体頭部には、滑落時に負ったものではない傷があった。 死因に不審を抱いた豊科署の道原伝吉刑事は捜査を開始する。 過去と現在が絡み合った、異色長編山岳ミステリー。
  • 殺意の雪宴
    -
    1巻682円 (税込)
    悲劇ともいえる高校生の冬山遭難。この遭難は、なぜ、起きたのか――。 山岳部の女子生徒が、先生に色目を使ったことが原因なのか。 部員の父親に愛人がいたからか。 それとも、顧問の先生が絶対に明かすことのなかった秘密によるものなのか。 はたして、遭難は事故か、事件か。 冬の北アルプス山中、過酷な吹雪の中、生徒と先生が生きのびるために生命を賭ける。
  • 加賀金沢殺人事件
    4.0
    1巻682円 (税込)
    金沢の名勝・兼六園で、雪に埋もれていた女性の刺殺体が発見された。黒百合を口にくわえて死んでいたのは、加賀友禅老舗の一人娘だった。 捜査が始まった矢先、容疑者のひとりだった寺の住職が、口に黒百合をくわえた姿で死体となって見つかった。 事件を憂えていた金沢中央署の婦人警官・住之江沙代の前に、警視庁の宮之原警部が現れる。 金沢独特の事情と文化を知る沙代は、相棒として捜査協力をすることに。 歴史と伝統の街で繰り広げられる、哀しい事件の結末とは?
  • アルプス冬物語
    -
    1巻682円 (税込)
    木曽駒ヶ岳、宝剣岳がくっきりと眺められた晴天の駒ヶ根市の銀行に、強盗が押し入った。 犯人は逃走の途中で人質を取る。偶然通りかかった三十三歳の三奈子だった。 翌日には無事解放されるが、三奈子の人生は大きく変わっていくことになる。(表題・アルプス冬物語)。 ほかに、「無名沢」「赤い崩壊地」「下山近道」「地獄への縦走」「奥又白谷」「魔性の尾根」など全7編からなる山岳推理短編集。
  • 針ノ木岳殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    新宿駅西口の飲食店街「思い出横丁」にある小さな食堂の店内で、ゴールデンウイーク明け前日の朝に、登山者と思われる服装をした男の刺殺体が発見された。 所持品の中に長野県警豊科署の刑事・道原伝吉という名刺が入っていたことから、男は日東自動車に勤務している相沢敬三だと判明する。 相沢は、数日前に後立山連峰の針ノ木岳という山で刺殺された、同じ会社の梅津文大と交友関係があった。 ふたつの殺人事件の関連を、道原刑事は追い始める。長編山岳ミステリー。
  • 怪殺 日光・戦場ヶ原
    -
    1巻682円 (税込)
    上高地に向かうと出かけた山岳エッセイストの柴崎舟が失踪した。彼は一年後、日光・戦場ヶ原で刺殺体となって発見された。北アルプスへの登山のために上高地に向かったはずなのに、日光で殺害されたのか。エッセイを依頼した出版社の担当編集者の天満澄代は、好奇心も手伝って、この事件を追うことになった。道原伝吉は、彼女に的確なアドバイスを送ることで、事件を後方から支えていく。ついには、劇的な展開を迎え、事件は人生の悲劇をあぶりだす!
  • 虚空王の秘宝 上
    -
    1~2巻682円 (税込)
    何者かがアパートに侵入し、拳銃と麻薬と思しき白い粉を置いていった。これをきっかけに露木一郎は国家権力から追われることになる。信州に住む叔父の手配で秘密組織が逃亡を助ける。その組織は虚空蔵菩薩を祀りいくつかの顔持つ組織は、宇宙へ飛び出すクルーを集める組織でもあったのだ。太古の時代に飛来し、秩父山中に隠されていた巨大な宇宙船に乗り込んだ露木ら400人のクルーは宇宙へと飛び出していく。宇宙船は「神」か。船の意思によってクルーは教化され成長し、太陽系外の惑星への旅を始める。壮大な仕掛けのもとに描かれるSF伝奇小説の傑作。
  • 白馬岳 風雪の殺人
    -
    1巻682円 (税込)
    ニュージーランド南島のクック山の登攀に挑戦していた綾部峻に、緊急帰国の報が届いた。友人の北条が後立山連峰鑓ヶ岳での墜死したというのだった。ところが北条の山行計画は北アルプスで、場所も山も違っていた。なぜ、彼は死ななければならなかったのか。なぜ、彼は古くから知られている山行記のコピーを持参していたのか。疑問が渦巻く中、新たな殺人が起きた。綾部は独自に調べる決意をした!
  • 焼岳 殺意の彷徨
    -
    1巻682円 (税込)
    東京の開業医千堂士郎が焼岳で遺体となって発見された。検視の結果、転落による事故死ではなく、殺害されたとの結論となった。手掛かりがまったくないため、長野県警豊科署の道原伝吉は、部下の伏見とともに、殺された千堂について調べることからはじめた。身近な者の誰かが殺害を企てたはずとの直感を頼りに、丹念に被害者を調べ、複雑な家族関係、家族も知らない秘密などがじわじわとあぶりだす――。それぞれの人生が、なにかをきっかけにからまるうちに、殺人の動機の芽生えとなることを人情刑事が赤裸々に暴いていく。
  • 夢あわせ
    3.0
    1巻682円 (税込)
    二つの世界、私たちが生きている世界と別の世界がふとしたことから触れ合ったとき事件が起きる。SFの名手の著者が描き出す12の短編。 同じ夢の中に入りたいという仲睦まじい夫婦の願いがかなった時の結末を描く表題作「夢あわせ」、「雪洞夜話」は江戸時代の女郎の悲しい願いが籠められた雪洞の物語。「怪談桜橋」は著者の戦争体験が生み出した東京大空襲の日のリアルな幻想。「特異点」は著者自身のホテル暮らしに想を得た不思議でユーモラスなオハナシ。20種近い職業を経て作家になった著者の経験や生き様から生み出された、読み応え充分の奇抜ながら納得のSF譚。
  • 暗殺都市
    -
    1巻682円 (税込)
    デパートの警備員の辺見恭平は、もともとは、要人警護を務めるSPに抜擢された優秀な警察官だった。暴走族がしかけてきた煽り運転に応戦し、怪我を負わせたことの責任をとって職を辞したのだ。平凡な生活を送っていた辺見だったが、ある日、罠にはまり、銀座のクラブホステスの警護をする役目を負わされてしまう。 数日間で終わるはずの警護だったが、思わぬ成り行きをたどってしまう――。正義感溢れる辺見は、男として生きる者としては、どのような結末に満足するのか。驚愕のラストが待ち受けている!
  • 宮之原警部の愛と追跡
    3.0
    1巻682円 (税込)
    官僚組織である警察庁において、唯一、事件を捜査する権限を持つ宮之原警部は、妻の真由子とともに、信州飯田市に嫁いだひとり娘の津玻紗の家を訪ねることになっていた。ところが、妻は姿を現わさない。不審に思っているところに、「要求はなにもございません」という奇妙な電話がかかり、誘拐されたことが判明した。妻は生存証明のためにその電話口に出て、自分を恨む者の仕業かという警部の問いに対し、「違います。これは不運な偶然なのよ」という言葉を残して電話は切られた。これはいったい何を意味しているのか。最愛の妻を誘拐された宮之原警部は、知力と経験のすべて注ぎこみ犯人と対峙する。はたして、妻を無事救出できるのか。宮之原警部シリーズの中でも傑作との呼び声の高い、感涙の作品!
  • 京都紅葉伝説殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    京都では名の知られる公家の名門・西御門家の高校生の娘が、一億円の借金をして失踪した。ギャンブルの負けがこんだものによると思われたが、別に理由がありそうだった。が、判然としない。借金をした当の本人が失踪しているからだ。借金返済に困った両親は、京都無明庵の住職に相談するも手に負えず、住職は旧知の宮之原警部に京都まで来てくれと依頼した。京都に乗り込んだ警部は、公家のいくつもの秘密を探り出し、借金を負った真相とともに、失踪した娘を追う。スリルに満ちた京都旅情ミステリー!
  • 寒河江伝説
    5.0
    1巻682円 (税込)
    2030年ごろ、世界は大きく変わっていた。 ことに日本は、東京が多民族都市となり、各地で自治区ができ、東北は福島を除く5県が自治区として独立してしまった。 ジャーナリスト丸谷は取材で訪れた山形で古代の遺物と思われる直径2メートルはあろうかという石の球体を見る。 多民族化した東京は古代文明に興味のある丸谷は再度、東北自治区への潜入を試みようとする。 自治区から逃れてきた生化学者を匿った上司が殺されたことから、東北自治区の企みが見えてくる。 古代文明の技術を超えた球体の存在は神の意思なのか宇宙からの技術なのか、思いあがった人類に何を警告しようとしているのか。 30年後の日本の状況を示唆する伝奇小説の傑作。
  • 立山雷鳥沢殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    日本三名山に選ばれている立山でドラマの撮影中だった主演の女優・串田加緒里が殺害された。 めきめきと人気の出てきていた加緒里は長野県警大町署の刑事・串田正義の妹だった。 正義は山行中に何者かに突き飛ばされて身の危険を感じていたことが二度もあった、と妹から聞いていた。 正義はかつての同僚で豊科署の刑事・道原に相談をしていた。そんなさ中の事件だった。 何人かの容疑者が浮かび捜査が難航するうちに、彼らの父親・串田光正も殺害されてしまう。 事件は串田家への怨恨か? 捜査すればするほど、真相は深い謎の中に封じ込められるかのように思えた。 だが、執念の刑事・道原伝吉はわずかな手がかりから犯人を追い詰めていく。 長野県警の人情刑事・道原伝吉シリーズ。
  • 北八ヶ岳縞枯山殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    北八ヶ岳の山々の一つ、縞枯山は各地で桜の便りがきかれるようになった春先でも、まだ雪が舞っていた。 そんな中、行方の分からなくなった若い女性の捜索を始めた。 警察の捜索隊を中心に、登山パーティや山小屋の主人も加わった大規模な捜索にもかかわらず、行方不明の女性の発見には至らなかった。 かわりに右目を錐のようなもので刺され凍死したと思われる男を見つけた。その後、女の遺体が見つかったが、それは、行方不明になった女とは違っていた。 長野県警諏訪署の刑事、道原伝吉と貞松らが捜査を始める。 無関係だと思われた二つの遺体の関連性が次第に明らかになるにつれて事件は複雑で意外な展開を見せ始める。 道原と貞松の二人の刑事は、東北から関西に至る広域捜査で犯人を追う。 道原刑事の山岳ミステリーシリーズ初期の刮目作!
  • 大井川SL鉄道殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    大井川に沿って走る大井川鉄道のSL列車が、高さ70メートルの奥大井レインボーブリッジを渡っているまさにその時だった。 乗客たちは、白い乗用車が木々をなぎ倒し、峡谷の斜面を落ちていくのを目撃した。 乗客たちの通報により、ただちに派出所の警官が、上り、下りの両方向から一本道を現場に向かった。 しかし、犯人らしき人物を目にすることはなかった。 山深い地での犯行、そして姿の見えない犯人。 捜査が行き詰まる中、次の事件が起きてしまう。いったい、犯人の目的は何か? 警察庁宮之原警部が超推理と智略をもって犯人に迫る!
  • 尾瀬ヶ原殺人事件
    -
    1巻682円 (税込)
    5月の長い連休が明けて、北アルプスに登った男が予定日を過ぎても戻らないという連絡が長野県警豊科署に入った。 県警から連絡を受けた山岳救助隊は、徳本峠小屋の近くで、絞殺された女と捜索願の出ていた男の転落死体を発見し、道原伝吉をはじめとした刑事たちが検死と現場検証に出向いた。 状況から推して、無理心中という見方があったが、道原は雪の荒れた跡の不自然さから他殺の疑いを持った。 関係者にあたるうちに、この事件の鍵は、ミズバショウで有名な尾瀬ヶ原にあると突き止め、19年前のある男の不審死にかかわっていることを見抜く。 複雑な人間関係を解きほぐし、意外な展開を見せる人情刑事・道原伝吉シリーズのスリリングな傑作。
  • 上高地・大雪 殺人孤影 「父と娘」の逃亡を追う長野県豊科署刑事・道原伝吉の執念
    -
    1巻682円 (税込)
    上高地近くの、林道から外れた茂みの中で女の死体が見つかった。 10年ほど前に銀座でホステスをしていた女だった。その線から蕎麦屋の店主と娘を連れて駆け落ちをしていたことが判明する。当時2歳だった娘は中学生になっていた。長野県諏訪でひっそりと3人で暮らしていた。 同居していた元蕎麦屋店主の行方も知れなかった。 娘はいったんは殺された母親の福島の実家に預けられたが、出奔してしまう。 どうやら2人は行動を共にしているらしいと読んだ捜査員たちは行方を追い始める。 しばらくたって、女の新しい交際相手だと思われる諏訪の工場経営者が殺される。ますます元蕎麦屋店主への疑いを強くした道原たちは、長野から北海道への執念の追跡を始める。 大好評! 長野県警豊科署・道原伝吉刑事シリーズ。

最近チェックした本