作者と担当編集の腕が無い駄作
単行本を読むだけではっきりとわかるのは「連載当時、人気がなかったんだろうな」ということ。
そのため人気を出すためのテコ入れや読者の予想を(悪い方向で)裏切る展開で再起を図ろうとしたものの、結局上ることなくそのまま落ちた駄作。
先にはっきり言うと「当初のテーマ自体は良かった」と思う。
「花嫁探し会場にはひとり彼女にするべきメインヒロインが偽名で隠れているから彼女を探せ!」「でも選んではいけないババも混ざってるから気をつけろ!」
このテーマをしっかり守れば良かったと思うが、最終巻故にネタバレ全開で書くが、「メインヒロインは実はいませんでした→影武者です(しかもヒロインの双子とかでもない完全な他人)」「選んではいけないというババを落とさせたくないがために、ババにとって都合の良いストーリーがひたすら続く」という初期のテーマが破綻したストーリー展開。
さらにはおそらく途中で人気投票でもしたのか、最終的に選ばれたツンデレをヒロインにするために「当初のメインヒロインを事実上の見殺し」「ババではないが最終的にふたりにまで残っていた片割れの良い子を突然エピローグで実は演技で金目当てのビッチでした!だから選ばなくてよかったね!」とかやり始める。
しかも途中まで主人公は恋人でもない相手だからと頑なにヒロイン達と性行為を行わないようにしていた割に、突然タガが外れたように複数人とやりはじめるのも正直どうなのか。
正直この「物語初期のテーマの破綻」「初期設定の破綻」「メインヒロイン見殺し」「あからさまに敵にとって都合の良い展開の強行」「作者にとってヒロインにしたいキャラを持ち上げるためだけに他のキャラをそれまでの一切の伏線も無く悪人化」「大した理由もない敗者復活」というのは漫画家としてはそのいずれもやってはいけない悪手だと思う。
人気が無いからこその迷走の果てだと思うが、絵はそれなりに良いのだからもっとまともな人間に相談するべきだっただろう。
絵は良い。テーマ自体も悪くない。キャラデザも良かったと思う。
素材の味を調理方法(ストーリー)の悪さでゴミにした作品という感じだ。
作者が今どんな作品を描いているかはわからないが、この程度のストーリーしか作れないのであれば、原作ありの作画担当に専念した方が人気は出ると思う。
勿論今述べた「原作ありの~」は悪口ではなく素直な感想である。絵は良いのだし。