どっちもどっちっていう
「星屑男子」がクズなのは間違いないけど、だったら主人公の方はどうなのか。客観的に観れば「どっちもどっち」。
世の中には誠実な男性もいると思うんだけど、「結局モテるのはクズイケメン」という男性側のどうでもいい主張にも、この漫画を読んでいると思わず頷けてしまう。(※モテないからと僻んでヘイト吐いてる時点で「誠実な男性」ではないので注意。)
こっち側には甘く、向こう側には厳しい、ご都合漫画という印象が一番かな。
経験的に言って、女性差別に対して声を上げている自称フェミニスト的な人に限って、マイノリティに対する差別に鈍感というか、寧ろ積極的に加担すらしている向きすらあって。被害者であることには敏感でも、加害者であることには鈍感なものだなと思い知らされることが多いんだけど(女性差別に限った話でもないけどね)、この漫画からもそういう印象を受ける。すべてが「こっち側の都合」でしか語られない。
中高年男性(おじさん)というだけで有害視するのもまたジェンダー差別だと思うんだけどね。
もちろん実際に有害な「おじさん」が社会を跋扈しているのも事実で、そういう連中を「おじさん」と言って揶揄するのは正当だと思うんだけど、作中フェミおじさんに対しての台詞「そんなおじさんいるかな?だって おじさん だよ?」っていうのがまさに中高年男性というだけでそうだと決めつけている部分。女だからというだけでこうだと決めつけられて不快な思いをさんざんしてきている筈なのに、自分も同じロジックで相手を貶めているという事実にどうしてこうも無頓着なのか。
それで「ジェンダー観最先端」とか言われてもなあ。結局「女だから男だから」という決めつけから脱却できてないじゃないか。
なんていう批判を並べたら、主人公のブログのアンチコメントと同類の扱いを受けますかね?
自分の都合と被害意識だけでしか思考が回らないとそうなっちゃいますよね。
面白くはなかったけど、様々な価値観に触れること自体は為になるので、好意的な意味で☆二つ。