【感想・ネタバレ】仮想儀礼(下)(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

 新興宗教の聖泉真法会の教祖、桐生慧海。ある意味では貧乏な教祖様である。あまり欲もない。
 宗教的なカリスマ性もない。公務員的な生活規範とカウンセラー的であるとも言える。
 桐生は教祖というものが、自分にはむいていないとも思っているが、信じたい人はやはり教祖様でないと宗教は成り立たない。信じる人によって、教祖は持ち上げられていく。
「すべての生命を尊び、すべての生命を愛する。我は神のうちにあり、神は我のうちにあり」
 結局仏像なんていらないものであり、祈ることで自分の中に神をつくる。
ゲームブックの『グゲ王国の秘法』という大きなシナリオで、聖泉真法会は作られていった。
信者が、7000人になったところで、上巻は終わる。下巻は、その組み立てたものが、すざましいスピードで崩壊していく。この編集能力の凄さ。
 森田社長の弁当屋が、インドネシアに進出して稼働をしたことで大きな飛躍をするが、焼き討ちされたことで、崩壊が始まる。斎藤工場長が、インドネシアの工員たちに、聖泉真法会のルールを押し付けることによる工員たちの反乱だった。インドネシアの最大の宗教はイスラム教。そんな中で仏教的行事を押し付けることが危険なものであった。工場はほとんど全焼する。結局、インドネシアを撤退せざるを得ない状況にまで追い込まれる。森田社長は、聖泉真法会の大きな支援者。会社がうまくいかなければ、支援もしにくくなる。そして、社長は解任され、娘婿が社長になることで、聖泉真法会は、研修所から退去を通告される。
 聖泉真法会に国税庁の査察が入る。脱税の容疑であるが、もっと大きな狙いは、恵法三倫会の回向法儒の脱税と国会議員への贈賄事件だった。ネパールにおける学校建設や病院建設にも桐生慧海は協賛していた。そのことで巻き添えを食らうことになる。回向法儒は、殺人事件も起こしていた。聖泉真法会のダーティイメージが広がり、良識層の信者が離れていくことになる。
 新興宗教においても、リスク管理が必要なのだ。
 4人の女性の信者たちの家に、桐生慧海が経済的理由でころがりこむことで、ハーレムと噂されるようになり、その女信者の家族たちが取り戻そうとする運動が起こり、街から出ていけと看板まで出るようになる。それは、有力な国会議員の秘書の妹が信者なので、あらゆる形で聖泉真法会の評価を下げていく。そして、信者たちの家が放火され、ワゴンで逃げることになる。もはや転落するしかない。
 教祖である桐生慧海よりも女性たちの中には、新人が強く、独特の宗教に発展させ、桐生慧海は、実は教祖なんかではなく、詐欺だったと主張するが、女たちは全く聞き入れない。この展開がなんとも言えない。もはや、女性たちのいうことを聞くしかない状況に追いやられる。教祖を乗り越える信者たち。このなんとも言えない展開が、人間の本性と狂気を明らかにして、喜劇のような宗教が、悲劇の宗教になっていく。女たちの豹変が、宗教ゆえの狂信なのだろうねえ。サリン事件を引き起こした宗教は、追い詰められたことによる狂信だったのかと思う。宗教を信じるゆえに、人を殺すことさえ合理化する。ふーむ。ゾクゾクするほどの宗教小説だった。これも篠田節子の代表作だね。

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2023年10月15日

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ネタバレ

p.58
多くのものを受容し、肥え太ってきた組織は、不純なものを排除し、先鋭化しようとする内側からの欲求に、常に対峙しなければならない。
p.91
「去っていかないでください、うちを」
p.222
「自分の人生が自分のもので、いかようにも切り開けるなどというのは、何一つ持たずに生まれてきた者の戯言だ

面白かったです。後半の展開がちょっとありきたりかなーと思ってしまいましたが、一気に読んでしまいました。
SNSが発達して、リーマンショックやら東日本大震災やら人種差別やらコロナやらオリンピックやらがある現代だとどんなストーリーになるのか?そんな小説があったら読んでみたいです。

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2021年07月03日

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ネタバレ

すげえ力技の小説。
勿論、力だけではなく上手い小説でもあるんだけど、読み終わった後の疲労感が「オモロかった」より「読み遂げたぁ」という感想になるあたりが、力でガツんとホームラン打たれた感がするのである。

新興宗教をテーマにしている小説。宗教観については個人的な見解も色々だろうし、そこをなんやかやというつもりはない。宗教とか救済とかその手の事についてどう書いてあるか気になる人は、この作品を読んで自身の感想をもてばよいと思う。

「絶対信じる」と言うた側はそこで思考停止する言い訳をしてるのであって、またそれを受け入れた側が思考停止を認めた段階で相手を人間として扱っていないことになる。

マスコミが言うていることが正しいのではないということ、大新聞がNHKが報道したんだから正しいというのは、「絶対」を信じる思考停止に似た心境なんだろう。この小説は「絶対」に信じる存在の危うさ、信じられることの危険性を一つのテーマにしてるのかなと思った。

某知り合いが「Mバーガーはミミズの肉使ってる」と大勢の場で言うた事があって「そんな噂バラまくなよ。ここにかって関係者おるかも知れんねんで」と言い返したら「だってテレビで言うてたからホンマやろ」と…。この知り合いを稚拙と笑うのは簡単だけど、その手のギミックに引っかかってるは俺含めて結構多いのではないか?

弱ってる時は寄る辺を欲するものである。それはもう絶対必要なんだけど、回復したら自分で立てるようにしとかないと、思考も筋肉も使わないと衰えるもんなんだということである。

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2013年09月16日

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やっと読み終わった。

この本は友達のおすすめで出会った本。読み始めはおもしろそうだなーという漠然とした、どちらかというコメディ要素もあるのかなと勝手に想像を膨らませていた。

ところが物語は宗教を興すという、意外な展開をみせる。
そんな簡単にいくのかと思うほど、トントンと話は進み、わたしものめり込んでしまっていた。


だけど、途端に事態は急降下。
人間の欲や本能、心の奥底の深くて暗い隠された部分が見え隠れする。
正直読んでいて、不快なときもあったし、終わったあとは疲れたなという思いが強かった。
でもそれを含めて本当に面白かった。
面白いという表現がいいのかわからないけど。

人は究極という悲劇や、心のストレスなどを受けたとき、
その環境の影響から、こんなにも人としての内面や感覚が理解できないようなことになってしまうものなのかと、漠然と怖くなった。

人は弱い。
弱くて、でも強い。


結局、最後はどうなんだろう。
これは洗脳なの?といまだに私も謎。

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2013年04月24日

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上巻はトントン拍子に教団が大きくなり、普通はこんな簡単にできひんよな〜と感じるところもあったんやけど、下巻のあれよあれよという間にガンガン転落いく様はさらにリアリティを感じて、ああ〜もうこれ以上落ちていって欲しくないなあとだんだん読むのが苦しくなってくるんやけど、ほぼよどむことなく一気に最後まで読めました。

でも一気に読めるんやけど、これは相当体力がいります。
こんなに骨太の小説を読むのは久しぶりかもです。
読み終わったあとはぼーっとして、頭のなかがぐるぐる回って、現実世界に帰るまでにものすごい時間がかかりました。

仮想儀礼を読む前までは、新興宗教とか占いとかうさんくさいな〜、なんか信者のひとってだまされてる感があって気の毒〜、とか思っておったのですが、今となってはこの小説みたいなことってホンマにあるのかも。と感じております。それくらい、後半はすごくリアルに感じました。

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2014年01月03日

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金目当てでエセ宗教を立ち上げる二人の男のいわば栄枯盛衰。世の中をこういうアングルから見た事はなかったので新鮮、かつ、宗教というものが一部の人間の心の闇に巣食う過程が実にリアルで恐ろしい。
ある意味ミイラ取りがミイラになる・・・最後まで緻密で読ませる怖いサスペンス。主人公が最後まで「普通の人間」であり続けるのが救いか。

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2013年02月28日

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ネタバレ

この本は鏡リュウジ (占星術研究家)さんが推薦していた本なのですが、下巻を読むと「なるほどなぁ」と納得します。


一つの歯車が狂い出すと、やがて全ての機能が狂い出していく・・。
なのにその動きは停止することなく、最初に動かした者も手には負えない。
それは読者にも想像できそうにない、あらぬ方向へ暴走し始めていく・・。

虚業、ゲーム本から作り上げられた宗教ビジネスが、似非教祖の手の及ばないところにまで変貌し、制御不可能になって怖れをなした教祖自身がその中にズブズブと飲み込まれてゆく・・逃げることも許されず。

とても怖いですし、異質なものが一旦社会で採り上げられてしまうと、もう社会(マスコミ)・市民運動・政治的圧力などと言う外部からの攻撃を受け、しかも内部からも醜く崩れていく・・。


その中で、教祖桐生と矢口の奇妙な連帯感とお互いを自身の半身のように必要とし、頼り、嫌悪し、愛する(?)・・心の変化。

知的でプライドの高い桐生よりも、笑みを絶やさず、愚かで素直ですぐ騙されやすい矢口の方が、最後には本当に仏の境地に至ったのではないかと思えるぐらい崇高に見えました。


信者の心の闇も一筋縄ではいかなくて、彼らの「生き辛さ」に半ば嫌悪感を持つ桐生と、骨身を削ろうとする矢口。

救われたと思ったら、次にはもっとどす黒い闇がまたたちこめて来る。

ホント、怖いです・・これ。

桐生にも矢口にも、本当の悪党になるほどの勇気もなく(?)
良心が時折顔を出してしまうのが、人間らしいというか、こんな結果になった原因なのかもと・・。
甘くないんですよね、宗教をビジネスにしようなんて。

(「千石イエス」になりたくない)と思う桐生は、それよりも過酷な運命を辿ることになりました。

ラストでは、嵐が去った後のような不思議な感覚を得ます。

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2012年10月05日

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読むのにかなりエネルギーが必要。
ある二人の男が始めた、詐欺同然の宗教事業の盛衰の話ですが、本当の宗教心とは何たるかを考えさせる何とも劇的かつ静謐な結末です。
キャラクターから展開から何から何まで、うまい、の一言。

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2011年06月24日

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金儲けのために宗教を始めるには、正彦は真っ当過ぎ、矢口はお人好し過ぎたんだろうな。全てを奪い尽くされてそれでも奪ってこようとするものから逃げる、教祖と幹部と信者5人が辿り着いたところとは。圧巻でした。
作り上げられた宗教は暴走して教祖の正彦の手には負えなくなり、狂信的な信者たちとの逃避行のなかで正彦も呑み込まれてしまう。
お人好し矢口の最期は凄かった…それを菩薩行、と錯覚してもおかしくない極限状態で正彦は真の宗教家になってしまいました。
マスゴミか、と思ってたルポライターの安藤がずっと味方なのが唯一の救いです。ほんと、唯一の…だけれど、ジャーナリズムとはこれだ。ビジネスライク増谷も良い人だったな。
広江がキツい……まさかこの人が一番わからないとは思いませんでした。狂信者5人の私刑は許されないけど、広江が余計な事言わなければ何もされなかったのに…と思います。家族を否定して拒否する彼女たちから、自分まで否定されているように思えたのでしょうが、静かに離れたら良かったのに。
モリミツの元社長・森田と5人が始めたお弁当屋さんのラストも救いでした。正彦が戻ってきてももう暴走することはないだろうな…なんとなく。
宗教とは怪物。お葬式はこの宗派で挙げるというとき以外は、薄っすらアニミズムでいるのがいいなぁ。うちは浄土宗です。

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2023年12月21日

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スキャンダルの末、財産を失った教団。だが、残った信者たちの抱える心の傷は、ビジネスの範疇をはるかに超えていた。さまよえる現代の方舟はどこへ向かうのか-。

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2023年04月20日

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新興宗教を立ち上げた主人公が、関わる人々に翻弄されていくお話。関係者が亡くなっていき、悲しい….。人を操る力が無ければ、逆に操られて破滅してしまう、という怖いお話でした。

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2022年04月04日

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ネタバレ

軽薄な優男として描かれる矢口の、一貫して自分を差し出す死に様に仏性が見出される最後は胸にくるものがあった。

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2021年05月08日

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この引き込まれて逃げられない展開。読まずにはいられない展開。想定しているより悲惨な境遇に一段一段落ちていく。目をそらしたいけれど指の隙間から見てしまうような、そんなストーリーでした。人間描写がすごい。
どこかしらに、らもさんのガダラの豚を思い出させるそんな雰囲気があった。
いやぁ、作り話にしてもなんとも恐ろしい話だ。ずーんときた。

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2016年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サービス業として「宗教」という商売を始める...という発想に深く興味をそそられてワクワクしなたら読み進めた。「心身のケアをサービスとして売る」ある意味正当な職業だ。それが宗教という枠に入った場合、世間との兼ね合いはどうなるのか。まともな職業でいられるわけがない。そういう事を念頭に置いて、どの様に、この物語は進んでいくか、ワクワクしながら読めた。

上巻を読んだとき、そのうちに来るであろう崩壊が読めた。よくあるマスコミの餌食にされてボロボロになるというパターンを想定した。けれども、この小説はそこから先があった。それが異常に面白かった。

エセ宗教から本物の信仰を見出した信者達。深い信仰を持った信者とエセ教祖様の立場の逆転。どんどん落ちていきつつも、エセ教祖が最後の最後で信者たちを守る姿に、教祖なのか、父性愛なのか分からないが、導こうとする人の信念を感じることができた。

かなり面白い小説でした。

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2013年12月08日

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宗教を題材にしてるけど起業ものと捉えて読んでいたので失墜以降の展開は不本意。破滅させるしか無かったのは、宗教をビジネスとして扱ったことに対する報いなのか。ラストに希望を感じさせる終わり方だけどハッピーエンド至上主義の俺としては物足りない。でっち上げたはずの宗教に狂信的とも言える信者が生まれるあたりに宗教とは一体何かという姿を垣間見た。

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2013年08月29日

Posted by ブクログ

上巻では、トントン拍子に成長していく教団の姿が書かれていましたが、下巻では一転。ドンドン転落していきます。

適当にでっち上げた宗教。
それが次第に一人歩きし始め、そして教祖・慧海の手には負えなくなって行く様子が見事ですね~。

宗教って、信仰って何なんだろう?と考えさせられます。
教祖以上に教えを信じ込む女性信者たち・・・
信じる者は強く・恐ろしい。
とにかく下巻は圧巻でした。

暴走する信者・それを客観的に眺める教祖・世間からはカルト教団の烙印を押され弾圧される・押しかける信者の関係者。
すごく怖いです。
やはり下手なホラーよりも一番怖いのは人間だ、と再認識させられる怖さ。

そして暴走する信者とは逆に、最後まで悪党にはなれない教祖・正彦と矢口。金儲けの為に2人で始めたビジネスとしての宗教。
でもこの2人には「お金の為」と簡単には割り切れないほどの良心・常識がありすぎたのです。そこがリアリティを持ってありありと感じられて、ものすごく惹きつけられました。

段々と自分の思惑とははずれた「教祖」になってしまった常識人の正彦。
もう自分の手に負えない。放棄したい。
でも逃げる事も許させず、教祖を降りる事も許されない。

ラストがまた素晴らしかったです。

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2012年12月05日

Posted by ブクログ

 信者の家族、マスコミ、国家権力によって追い詰められた聖泉真法会は次第に瓦解、暴走してゆく。様々な追及、いやがらせによって教祖と信者たちは狂気にむかってゆく。そして、あまりにもおぞましい事件が起こる…。
 この小説を読んでいて、登場人物に共感出来たことがなかった。あまりにも恐ろしく、醜く、そして弱かった。しかし、彼らは決して珍しい人たちではないと思った。このレビューを書いている俺も、聖泉真法会の教祖や信者、彼らを追い詰める独善的で残忍な人たちと同じ要素を持っているのかも知れない。彼らは少し前まで、「普通の人たち」だったのだから。宗教というのは、それに関わる人の運命を多かれ少なかれ変えてしまうものだと思った。

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2012年08月11日

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夢物語に終わったファンタジーゲームブックで創作した秘法が、宗教という衣をまとってまたたくまに拡がった・・・と思ったら、予想通り、本下巻は転落の道。しかも転落の道を引っ張るのは、予想外の敵ばかり。自業自得と言ってしまっては気の毒というくらいに、だんだん教祖に同情というか共感じみた感情も芽生えてくる。

現代のモンスター、「宗教」の虚実・・・という売り文句でしたが、最近は「洗脳」というくくりでしょうかね。


(2012/5/9)

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2012年05月22日

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起承転結、転の巻き。但、転機ではなく転落。上巻末で登場した怪人物はその悪業を暴かれあっさりと舞台から姿を消すが聖泉真法会への世間の疑惑を招く契機となる。社会的異端者を排除しようとする世間、言論、公権力からの波状攻撃を受け教団は一気に崩壊の縁へと追いやられる。迫害に耐える哀れな信徒と思いきや似非教祖の統制を離れ信仰を深化、激化、狂化させて行く。行きつく先に一人の男の死。そして関係者の逮捕・審判・懲役。最後に結としての転生。マイナス札を全て集めるとプラスに転ずる札遊びの様に真の教祖誕生を思わせる後日談にて了。

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2012年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻は社会に振り回され、失業者となった2人の男がビジネスとして始めた宗教、それが上手く行きとんとん拍子に大きくなっていく様子が喜劇として描かれています。
しかし下巻ではこの宗教があっという間に崩壊していく様子が、並のホラーでは太刀打ち出来ないような情景で展開され、物語は悲劇で終わります。
でも最後には本当の宗教って何だろう?という答えが少しだけ見えたような気持ちになる長編でした。

しかし読み終えるのにこんなにパワーを使った長編小説は久しぶり。。。

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2012年05月29日

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 ビジネスとして立ち上げた新興宗教。あくまでも虚実でしかなかったはずのそれが、底なし沼のように主人公を呑み込んでいく。

 主人公は一般人としての常識や良心、倫理観を持ったまま、宗教の狂気をまざまざと見せ付けられる。

 宗教とは、救いとは何なのか。

 傑作。

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2011年06月26日

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202401/上下巻まとめて。面白かった!教団立ち上げスムーズにいきすぎとは思ったけど、登場人物達の描写が見事過ぎてひきこまれて一気読み。

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2024年01月16日

Posted by ブクログ

宗教の立ち上がりから信者の暴徒化まで。
途中から少し飽きてしまい、個人的にはあまり得意ではない話だった。

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2020年03月21日

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 エセ宗教家の末路がこれでよいのか、あの法の華三法行の福永法源などは娑婆に出てきて、性懲りもなく活動再開しているらしいし、大悪人の麻原なんて刑務所で日々脱糞しながら瞑想(迷走)している・・・小説に登場するエセ宗教家は悪人になり切れず、かといって自分がつくった宗教から逃げ出すことができずに自滅するのだが、何やら不思議なラストであった。この話の続きがあるとしたなら彼はもう一度、宗教家としてやり直しが出来るのかもしれない。

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2017年03月14日

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途中で少し、あの狂気染みた感じには恐れを感じた。長かったものの、終わり方としては綺麗だったような。上巻とはまた違った味わい。

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2013年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

失業男がビジネスのために始めたエセ宗教。一時は多くの企業などとも関係を持ち、大成功するが、下巻では、エセ宗教に飲み込まれた信者と共に、転落の一途を辿る教団の姿が描かれる。
しかし、何かを信仰するパワーって凄いな。改めて、宗教が怖くなる作品。

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2012年10月08日

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上巻では新興宗教を立ち上げて、順調に信者数を増やし、収入も増え、起業スポンサーもつくなど順調に経営をしていた。

が、下巻に入り、所詮思いつきで教義をつくり、その辺にあるものを材料に仏像などを作ってきたため、だんだん化けの皮が剥がれ、今度は負のスパイラルに巻き込まれていく。

嘘が当初うまくいき、それがいつの日か逆回転し始めるという意味で、著者の「ロズウェルなんか知らない」にパターンが似ている。

小説を面白くするには主人公におきてほしくない事をどんどんおこすのが必要らしいが、よくここまでおきてほしくない事が思い浮かぶとおもう。

本著で著者の現在長編で文庫になっているものは読み終わった。

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2012年10月05日

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自分で作ったインチキ宗教に、教祖自身が飲み込まれていく過程は圧巻の一言。
にしても、世の中寂しいが充満しとるんやな~。宗教が流行るわけや。

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2012年10月01日

Posted by ブクログ

すさまじい話だ。

苦しんだ心と心が反応して思いもよらない意識世界をつくりだしてしまった。
信じる者の強さ、怖さ。

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2012年01月18日

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