【感想・ネタバレ】グレイ・ラビットのおはなしのレビュー

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ネタバレ

野ウサギのヘア、リスのスキレル、そして灰色ウサギのグレイ・ラビット。序盤こそ、ヘアとスキレルが我がまますぎて、なぜ生活力の高そうなグレイ・ラビットが、わざわざ彼らと同居を?と不思議に思った。しかし話が進むにつれ、グレイ・ラビットの気質が見えてくる。優しくて勇敢で世話好き。これは「頼りになるお姉ちゃん」だ。終盤は、もうヘアとスキレルが愛すべき弟&妹のようにしか見えず、図らずも気に入った。

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2022年06月08日

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幼年向けの動物物語だけど、子どもに遠慮してない。
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「やつら、まとめて、むし焼きとしよう。」と、イタチはつぶやきました。というのは、ひとりぐらしの者がよくそうするように、イタチは、いつもひとりごとをいっていたからです。
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なんて、するどい描写がちょいちょいあって、にやりとさせられる。

ラビットは、ヘンゼルとグレーテル方式でイタチをやっつけるんだけど、これもなかなか臨場感があって生々しいですしね。

巻末の石井桃子さんによる解説を読んで、アトリーが、大人になってから大きな苦しみを味わったことを知った。それやこれやすべてを乗り越えた上で書いている物語だから、一見おだやかな癒やしに満ちているように見えても、いろいろなものを内包しているんだろうなあ。

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2016年10月22日

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グレイラビットと、その仲間の動物たちの生活をちょっと覗かせてもらった気分です。
個性豊かなキャラクターが揃い、とても愛らしいお話。森での生活が情景豊かで、特に植物が魅力的です。昔話にあるような、ちょっと残忍なシーンもあるけれど、そんなスリルも楽しみの一つ。

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2013年12月10日

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森に暮らす働きもののグレイ・ラビットとその仲間たちの物語。
どの登場人物(動物)たちもそれぞれがいきいきと描かれ、お話の展開もテンポもよく、なるほど面白い。
幼年文学の傑作といわれ、後書きで訳者の石井桃子さんもつくづく述べているように、やはり、アリソン・アトリーの力量が見事。

実は、大人になってから、このお話を読んでみたいと思っていたのは、瀬田貞二さんが著書の『幼い子の文学』(中公新書)の中で、このグレイ・ラビットを抄訳し、紹介されていたのを読んだからである。勿論、アトリーのお話のうまさを絶賛されていたが、何より、作品にひきこまれる魅力があった。

そして、文庫を手にして満足。森の様子や、家を構えて住んでいるグレイ・ラビットの暮らしもまた楽しめる内容だったのですね。

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2011年12月14日

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世の中にはとっても有名なうさぎが何匹もいるわけですが、KiKi にとって最も馴染みの深いうさぎちゃんは月に住んで餅つきに励んでいるうさぎちゃん。  2番目がこの物語の主人公のグレイ・ラビット。  そして3番目にようやく顔を出すのが、ピーター・ラビットです。  イマドキの女性なら恐らく順番は逆(しかも月に住む餅つきウサギはランクインすら果たさないかもしれない ^^;)だと思うのですが、KiKi 自身がピーター・ラビットに出会ったのはかなり遅かったんですよね~。  動物を擬人化した物語っていうのは「何歳の時にその物語に出会ったのか?」が結構キーになって親しみ具合が変わってくると思うんですよ。  ピーター・ラビットが最初に世に出たのが1902年だったのに対し、こちらのグレイ・ラビットが世に出たのは1929~1932年ということなので、ピーター・ラビットに先に出会っていてもちっともおかしくなかったはず・・・・・ではあるのですが、たまたま KiKi の場合はグレイ・ラビットに先に出会ってしまった故のランキングということでしょうか?

大人になって多くの物語と接した後でこの物語を再読してみると、もう一匹の超有名ウサギ;ピーター・ラビットとの類似点やらその他多くの童話集のモチーフとの類似点にどうしても気がついてしまい、「何となくオリジナリティには欠ける作品だったんだなぁ・・・・」という感想を持ってしまうんだけど、それでも逆にA.アトリーならではの美しい自然描写、美しいだけではない自然描写はやっぱり際立っているなぁとも感じるわけで、ちょっと複雑な気分です。

(全文はブログにて)

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2011年05月13日

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さいしょはひどいな~って思ったけど、スキレルとヘアがやさしくなっていいところもありました。話は長かったけど、すごくおもしろかったです。

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2010年04月25日

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たださんの本棚で見つけました。

古典的(と言っていいのかしら?)な児童書です。
翻訳が、なんと贅沢な!石井桃子さん、中川利枝子さんではありませんか!

森の暮らし、小さな家で暮らす三匹(人)のつつましく
あたたかな様子。
森の情景にはうっとりとなります。

でも、グレイ・ラビットには「がんばりすぎよー!」って声をかけたくなります。

4話のお話しに拍手を送ります。

岩波少年文庫は、大切にしたいですよね。
あまり売れていないのかしら?
婆さんは心配です。

≪ とりかえた しっぽは友の しあわせを ≫

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2023年05月23日

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表紙からも分かるとおり、服を着た動物たちが、自然豊かな地で、人間のように暮らす物語に、当初はシルバニアファミリーを連想させられたが、内容は決して楽しさだけでは無い、現実世界の厳しさも感じさせられて、共に生きていく事の大切さを教えてくれた、児童文学作品(1929~1932年)です。

灰色うさぎの「グレイ・ラビット」は、森の外れの小さな家に、野ウサギの「ヘア」と、リスの「スキレル」と一緒に暮らしているが、家事はグレイ・ラビットに任せきりで、他の二人はほぼ何もせずに、ダラダラしているだけ。

それでも、元来、動くことが好きなグレイ・ラビットは、気にせずに仕事を続ける中、我が儘だけは、よく出てくる二人の頼みに応じる内に、とある知識を得るため、物知りの「カシコイ・フクロウ」を尋ねた際には、それと引き換えに自分のしっぽを差し出さざるを得なかったシビアな場面もあり、思わず、そこで読むのをやめたくなったのだが、本来、子どもが読むお伽話には、こうした場面も付きものであることを思い出し、どうも大人になると、文字にされていない様々な点に気が取られるらしく、これには何か意図するものがあるのだろうと、気を取り直して読み続けることに。

その後、涙に暮れながらも、ヘアやスキレルの為になることを喜んだグレイ・ラビットが、家に帰ってみると、いつもいるはずの二人の姿は無く、ガランとした有様で、どうやら、ここ最近動物たちの間で噂になっていたイタチの仕業らしく、二人は攫われてしまったようだ。

これを見て、バチが当たったんだよと、我ながら嫌なことを思う中、なんとグレイ・ラビットは、残された足跡を辿って、二人を助けに行くのだという。普通に対しても明らかに勝ち目は無さそうなのに、どうして・・と思った自分が恥ずかしくなるくらい、そこからの展開は、胸躍るような、グレイ・ラビットの大胆ながらも知的な勇ましさで、イタチに一人で立ち向かう姿に、目が釘付けとなり、こう言ってはなんだが、とても爽快な気分だった。

そして、助けられたヘアとスキレルは、グレイ・ラビットに、これまでの彼女への接し方をお詫びし、心を改めて、また共に暮らすという内容で、こうした展開には、どんな相手に対しても、真摯に接する事で相手の心を開かせる事もあるということを感じられたが、正直なところ、私には出来ないかもなんて思ってしまった。

しかし、この物語の、よくあるお伽話と異なるところは、グレイ・ラビットが聖人君子のような完璧さで無いところにあり、自分たちの食料を得るために、時には、人間の畑から作物を盗ったりするときには、自分に都合のいいように納得させていたりと、作者の「アリソン・アトリー」の中では、あくまでも人間に擬えて表現している点に、要は自分らしくあればいいってことかなと都合の良い解釈をしてしまえるところに、本書の親しみやすさがあるのだと感じられました。

ちなみに、これまで紹介してきたお話は、本書に収録された4話の内の最初の話で(要するに、最初の話で既に気持ちを持っていかれたということ)、この後は、グレイ・ラビットが如何にして自分のしっぽを取り戻すかの話に、臆病者のヘアの大冒険の話に、最後は、いつもグレイ・ラビットの家に牛乳を配達してくれる、ハリネズミの息子、ファジー坊やの話と、その何れの物語に於いても、グレイ・ラビットとその仲間たちの温かいやり取りに、キツネやラットといった、ちょっと怖い動物たちとの関わりも含めた、児童文学として、様々な個性の人達とどのように生きていくかを表している中でも、一際、注目を惹くのは、自然と密接に結びついた、その生活風景であり、グレイ・ラビットが森の中へ入っていき、ニレの木の枝から固くて小さい紫色の芽を採ったり、トチの木のねばねばした冬芽を欲しそうに見上げたり、プリムローズを摘んだりとしている時の、嬉しそうな顔を見ていると、かつて作者が、幼い頃に学校に行く時に通り抜けた、森の中に息づく自然の中の思い出に、大人になって癒やされた事がきっかけで本書を書き上げたくなった、その気持ちが私には分かるような気がして、そこにあったのは、大人の世界で苦しむ自分自身を子どもの頃の思い出が救ってくれたという、児童文学が大人にとっても大切なものであることを、アリソンが知っていたからこそ、こうして伝えようとしてくれたのかななんて思うと、それこそ、共に生きる事の大切さを教えてくれているようで、とても嬉しい気持ちにさせられました。

また本書は、石井桃子さんと中川李枝子さんの共訳といった、私にとっては(児童文学にとっても)、まさに夢のコラボであり、石井さんのあとがきにあった、『一つの言葉も二人で確かめあい』や、『音楽でいえば合唱しているような感じ』に、本書にかける思いが窺えたようで、印象的でした。

更に本書の絵は、版権の都合により、「フェイス・ジェイクス」が担当したとの事で(これはこれで味わい深くて良いが)、後に発売された愛蔵版絵本での、本来の挿絵担当だった、「マーガレット・テンペスト」の絵も是非見てみたい。

そして、肝心の「グレイ・ラビット」シリーズ自体は、この後も長く続いているそうなので、また、ふと読みたくなった時に、気軽に読もうと思う。

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2023年05月06日

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小さな動物たちのくらしをのぞいてみよう。

働きもののグレイラビットは、森のはずれの小さい家に、野ウサギのスキレルやリスのヘアとすんでいます。

小川からやかんいっぱいに水をくんだり、ヒナギクの花でお茶を作ったり、木の実やスイカズラのジャムを食べたりしておだやかにくらしています。

でも、ある日、グレイラビットがにんじんのタネを手に入れるため、町へ出かけている間に、スキレルとヘアがイタチにさらわれて……。

美しい自然の中で暮らす小さな動物たちの様子はとても楽しい。でもきけんもいっぱいでハラハラ!

物知りのフクロウや、器用なもぐら、年寄りのヒキガエル、牛乳屋のハリネズミたちもかつやくしますよ!


「ヘアは ひるめし 
 スキレル おやつ
 ドングリ・ソースで
 おいらの ごちそう」
 がらがら声でうたいながら、イタチが、
 家にはいってきました。

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2021年12月17日

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一話目は露骨に主婦のジェンダー問題が抉られている。子どものためのお話しとして微笑ましく、よく書けている。

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2021年09月29日

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動物擬人化の物語は数多くありますが、似ているようでいてそれぞれの味があるものです。
今作でもほのぼのとしているようでいて、意外と弱肉強食の世界があっさりと描かれていて驚かされたりします。
はじめグレイ・ラビットが同居している野うさぎのヘアやリスのスキレルからこき使われていて不憫に思ったのです。しかし読み進めていくうちにこれは母の愛なのではないかと思ったり。ヘアとスキレルもグレイ・ラビットに命を救われた後はちょっと反省するのですが、それでもなんやかんやとグレイ・ラビットを頼って甘えているのです。これは実に母と子の関係だなあと思う訳ですよ。この辺りのユーモア具合も面白いですね。

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2013年07月01日

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かしこくて気立てが良い、はたらきもののグレイ・ラビットのおはなし。シリーズは30冊くらいあるらしく、娘たち(小2)が今夢中で読んでいる。本書に収められているのは、最初の4話。
ほのぼのとかわいらしい雰囲気ながら、天敵との命を張ったやりとりなどもあって、なかなかサスペンスフル。小さい頃に出会っていたら、私も夢中になっただろう。だが今読むと、どうもグレイ・ラビットが出来すぎなのが気になってしまう。
…と書いたものの、よく出来た主人公でなぜ悪いのか?と言われると難しい。自分のいたらなさがまぶしく照らされるから、というのは当然あるだろうが、それだけか。
かしこくて気立てが良くてはたらきものの読者がどう読むか、聞きたいところである。

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2012年02月20日

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初めて手にした岩波少年文庫。
初めての引っ越しで泣いてた私に母が渡してくれた、たぶんはじめての絵がメインじゃない本

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2010年11月03日

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優しくて賢くて働き者のウサギさんのお話。
同居しているノウサギとリスが最初はとっても意地悪なのですが、途中からとっても憎めない感じになります。2匹のグレイ・ラビットへの依存っぷりが可愛いです。

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2009年10月04日

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ネタバレ

始まって17ページで麻袋をかけられて殴られている…!!思ったよりメルヘンな世界じゃなくてびっくり(笑)でも登場動物がみんなクセ強くて面白い。

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2023年12月16日

Posted by ブクログ

ピーターラビットシリーズは、今でも人気があり、
高学年の女の子が好んで読みます。
でも、グレーラビットは??

こちらの本は、アリソン・アトリーの動物と自然の世界をよく描いていて、子どもにも楽しく読めるいい本だと思いました。
ピーターラビットのような装丁で、一話づつ出版されていたら、もっと親しまれていたかも。と思います。

ちなみに、私も読んでいなかった、評論社で1980年代あたりに出版された別のシリーズを読みました。
シリーズの1巻で、同居しているヘアーとスキレルの性格が悪過ぎて、正直、閉口でした。(訳は河野純三さん)
私が子どもの頃に読んでいたら、続きのシリーズは読まなかったかもしれません。

石井桃子さんの訳も、河野さんの訳も、原書のシリーズの中から抜粋して訳していたもので、選書と訳によって、こうまで違うのか!と、再確認いたしました。
(私は原文を読んでおらず、訳が良くないという意味ではありません。)

アトリーはツボにはまって、ただ今読破中です。

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2011年01月31日

「児童書」ランキング