【感想・ネタバレ】情熱でたどるスペイン史のレビュー

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Posted by ブクログ

池上俊一 欧州主要5カ国たどる史第5弾。ピレネー山脈の南、地中海性気候で、茶褐色の不毛の大地イベリア半島。ローマ、イスラムに支配された後、敬虔なカトリック教国は無敵艦隊で大航海時代を制すもあまりにも熱心な布教を伴う侵略活動と病原体の持ち込みにより
中南米異教徒1500万人を殺害してしまう。ドン・キホーテと闘牛、カルメンをこよなく愛しピカソ、ダリ、芸術家を輩出し燃える赤が大好きな情熱の国エスパニョーラ。

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2021年06月25日

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「岩波ジュニア新書」は少年少女向けとあなどれません。
恥ずかしながらスペインの歴史についてほとんど知りません出したのでとても良い勉強となりました。

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2021年02月14日

Posted by ブクログ

★★★2019年6月レビュー★★★


「情熱」というキーワードでたどるスペイン史。
闘牛やフラメンコに代表されるような「情熱」の原点は何なのか。明確な答えはないものの、やはりヨーロッパの僻地であり、痩せて乾いた大地。そこに集った異文化の人たち。そのような地理的、歴史的背景が大いに関係しているのだろう。


カスティーリャ王国のアルフォンソ10世(在位1252年~1284年)の功績など、知らなかったことを知ることができた。彼は「賢王」と呼ばれ、異文化交流に大きな貢献をした。また、『七分法典』による法整備。それがラテン語ではなく、カスティーリャ後で書かれていることが重要。
現在のスペイン語の広まりに大きな役割を果たした人物と言えるだろう。


15世紀前半の破格の知識人、ラモン・リュイも重要人物。マヨルカ島出身で、異教徒の改宗に力を注いだ。


レコンキスタ~黄金時代~凋落の時代~スペイン内戦に至る歴史がダイジェストで記されており、ざっとスペイン史をたどるには絶好の本だろう。

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2019年06月09日

Posted by ブクログ

岩波のジュニア新書。
タイトルからジュニアと知らず手に取った。
十分にジュニアではない〈笑〉

一部ネタバレ
男性にとって愛する女性は自分の「一部」「所有物」で、女性のささいな言動でもそれが期待と外れると、自分の存在が深部から脅かされたように感ずるのです。
メリメの小説『カルメン』
男性の気まぐれに翻弄されてきたヒロイン。

これは小説だけでないし、スペインだけでもない。
腑に落ちた!衝撃だった。

スペインのジブラルタル海峡が好きでいずれポルトガルとスペインの関係歴史に触れてみたかったが十分歴史紀行できた。

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2019年03月10日

Posted by ブクログ

その情熱は激しく、どこか哀しく。

岩波ジュニア新書のシリーズ。情熱の国、というフレーズは当たり前のように使われるが、ではスペインを貫く情熱とは何か、と言われるとフラメンコや闘牛くらいしか思いつかない。この本は「情熱」をキーワードにスペインの歴史を概観する。キリスト教・イスラム教・ユダヤ教がまじりあい、影響し合う文化、ヨーロッパにしてもアフリカにしても辺境の地、個性の強い地方が緩くまとまり、名誉を重んじる民衆のエネルギーの濁流。スペインの個性を知るのにいい一冊。

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2020年06月22日

Posted by ブクログ

スペインのイメージはなんだろうか。
サッカーならバルセロナ。
建築ならサクラダファミリアやアルハンブラ宮殿、文化なら闘牛、フラメンコ、絵画ならベラスケス、エル・グレコ、ゴヤ、ピカソといった大家を排出する。
歴史ではピサロやコルテスといったコンキスタドールがラテンアメリカに入り、様々なものを奪い、あるいはイエズス会は世界各地で不況をし、とりわけザビエルは日本への布教活動で有名なことこの上ない。

でも、それが全てだろうか?
高校時代の世界史ではスペイン史として少し学んだが、それでも新しい発見が本書にはあった。
教科書に載っているものだけ、ニュースで取り上げられるものだけが、その国ではない。

初めて知ったのが文学の技法。
奇知主義や文飾主義といった17世紀の超絶技巧で書かれた文学は、なかなか翻訳が難しそうだ。
言葉遊びだらけで本質が分からなくなりそうだが、どうなのだろう?
でも、日本の私たちだって17世紀の文書はかなり手こずる。
きっとスペインでも、古文に近いのでは、と思っているのだが。

私自身の興味として、絵画については興味深い。
プラド美術館などは一度は訪問したいと思いつつ、都内美術館の企画展に足を運ぶのがやっと。

スペイン人は世論調査によると、ヨーロッパの中で赤が好きな国だそうだ。
さっすが情熱の国!
さて、そんな赤が好きなスペイン。
赤色を作る着色料、コチニールが、新大陸から持ち込まれた、とのことだが、私はこの原料を知ってから出来るだけ避けてしまっている。
もちろん食品衛生法上何の問題もないのだろうが、好みの問題として…
パプリカやトマトといった食べ物だって赤の国、それがスペイン!

passion という言葉が示すものこそ、スペイン。
国民性、民衆についても考察を加えた本書は歴史の面白さを体感させてくれる。
本書でシリーズは終わりだそうだが、できれば他の国もお願いしたいと思う。

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2019年10月22日

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