【感想・ネタバレ】六月の雪のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

欖李花(ランリーファ) 
マングローブ樹種の一種である欖李は、海水と淡水が混じる場所にしか育たない。
台湾の北部の海岸近くにたくさん植わっている。
雪を見たことのない台湾の人たちからまるで雪が降り積もっているかのように小さな白い小花がたくさん咲く。

ストーリーは、けがで入院した主人公の祖母が、幼少期にすごした台湾の思い出の場所を写真に撮って見せようとひとりで旅立つ。
50年も日本人が住んでいて、たくさんの建造物やサトウキビ工場を建て、豊かになった時代があり、日本が戦争に負け蒋介石率いる中華民国がやってきて、日本語・台湾語を禁止され、たくさんの虐殺もあった。

今まで知らなかった台湾の歴史に触れることが出来た。

0
2023年07月06日

Posted by ブクログ

文庫本であるが、比較的厚く最初は少しためらわれたが作者乃南アサの文の読みやすさに助けられ、スラスラ読めました。

近くて遠い国、台湾。私などはその実体や歴史的事実を殆ど分かっていないが、これを読んだら前よりはそれなりに分かってきました。

台湾の複雑さ、そこに住む人たちの心情描写は、流石に上手。

私も台湾を旅行する機会があればなあ、と思いました。

0
2021年07月05日

Posted by ブクログ

76日本人の知らない台湾の近代史。とってもフレンドリーで温かい人たちの国で起こっていた様々な出来事に心打たれます。おばあちゃんが長生きして主人公が幸せになりますよう、祈るような作品でした。

0
2021年06月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

台湾に興味を持ってば、なるほどと思うことも多い。ただ流し読みには適さないほど、頭を使う必要はある。それだけ読み応えはあると思います。
最後の唐突な別れは、読んでいて胸を締め付けられます。

0
2023年11月05日

Posted by ブクログ

「六月の雪』という題名
南の国「台湾」で、降るはずのない「六月」に、目にすることのできない「雪」
それだけで、ドラマが鳴り響く。

主人公の成長物語に、あまり教育の場に出てこない「昭和における日本とアジア」のこと。

太平洋戦争が終わるまで「日本」であった地域「台湾」
最近話題になった、同時期の朝鮮半島を描いた『パチンコ』とこの本を比べてしまうと、日本人作者のせいか、どことなく日本人の身勝手な“甘さ”が、目についてしまう。

ひとつ、間違えてはいけないこと。
中国にも、韓国にも、ロシアにも、マレーシア、インドネシアにも、親日家がいて、嫌日家がいる。
そしてどちらでもない「無関心」が、本当は大多数であること。

物語はとても面白い。
甘っちょろい成長物語ではなく、同時期の女性たちの生き様が強烈にぶつかってきて、旅先の味わいだけでなく、後味にピリッと何か残る物語でした。

0
2023年06月28日

Posted by ブクログ

こんなに近いのに
台湾のことを全然知らなかった

観光地としてではなく、
台湾の歴史をもっと知りたい

洪春霞ちゃん
言葉は乱暴だけど涙もろくて
一生懸命未來に協力してくれて
登場人物の中で1番好きでした
なのに・・・

0
2022年05月28日

Posted by ブクログ

戻れない。
たとえ、どんなに望んでも。
戻れない。
どの時代にも、いつの私にも。
あるのは今。そして、今から先だけだ。
杉山未來

しかし、過去にはなりますが、それが心に生きている問は、出来事も人も死にません。
林賢成

0
2022年03月30日

Posted by ブクログ

祖母の故郷、台湾を訪れることによって、異なる文化や生活習慣、さらには根深く現地の人々に残された歴史の爪痕を知ることになる主人公。入院している祖母のモノローグと、主人公の進行形の旅の様子が交錯して描かれ、時に双方の誰かの性格や人生が近似する様が面白く描写されていた。 

蒋介石統治時代の悲しい歴史は、初めて知ることとなった。日本統治時代は日本語を強要され、日本軍が引き上げてからの時代は中国語を母国語とすることになる。母国語を自由に話せないなんて、現代の日本人には考えられないことである。

祖母の容態は楽観できないが、主人公が現況から一歩踏み出していこうとする矢先、悲しい事故が起きる。六月の雪をバックに写真を撮った4人の姿は、永遠には続かないのだ。目の前の現実を飲み込み、さらに一歩進んでいこうとする主人公の姿が爽やかだった。

0
2022年01月29日

Posted by ブクログ

台湾にはまだ行ったことがないのだが、まるで旅している気分になれた。そして、行きたくなった。
主人公よりは、基本的な歴史を理解していたが、その時代を生きてきたからこその、人間性、苦しみ、など歴史の裏に存在するそれぞれの立場での思いや気持ちなどが、この小説を通して、より理解でき、身近に感じられた。
最後に衝撃的な事実を知らされるが、だからこそ、この物語の深みも余計に感じられる余韻が残ったのだと思う。

0
2021年09月20日

Posted by ブクログ

主人公の未來と一緒に台湾の歴史、日本の統治下にあった時期前後の混乱を勉強しました。
表情の乏しい台湾人、豊かな台湾人、何が彼らをそうしたのか⁈
祖母の故郷台湾を一人で訪れた未來が出会った台湾の人々、食べ物、景色、歴史遺産が観光ガイドの様に物語を紡いでくれました。

0
2021年08月30日

Posted by ブクログ

祖母の生地台南への旅、吹雪の時代を生きた人と、雪解後に育った若者との出会いの中で知る日本統治と国民党時代の日々。台湾の歴史と人々の思いに触れられる一冊
六月の雪は汽水に咲く欖李花(ランリーファ)

0
2021年08月20日

Posted by ブクログ

祖母が生まれたのは日本の統治下にあった台湾。入院した祖母に代わりに台湾へ行き当時の面影を探す未來。知らなかった台湾の歴史に触れながらそこで生活する人たちの思いにも触れていく。

未來の祖母は生まれた家を懐かしみ帰りたいと言う。私の母も帰りたいのは生まれた家。年を取るとみんなが生まれたところへ帰りたくなるのだろうか

0
2021年05月28日

Posted by ブクログ

祖母が台湾で生まれたと初めて孫の未來に話した日、祖母が階段から足を滑らせ入院した。
自分がついていながらという申し訳なさと後悔に苛まれる未來。
ふと、祖母が台湾の家に帰りたいと言っていたことを思い、自分が行って探してみようと台湾を訪れる。
父の元教え子の台湾人を頼りに、祖母の生まれ育った台南へ。
こで出会った親切な台湾人の人たち。
そして、未來が知らなかった台湾の歴史。
何もかもが未来にとっては衝撃だった。
そこから未來も新たな夢を描き始める。

台南を訪れてみたくなる。

2023.6.4

0
2023年06月04日

Posted by ブクログ

祖母の思い出の地、台湾に行って思い出の場所を探し巡るストーリー。現代の日本人の若者である未來は台湾の歴史を何も知らなかった。それは読者の私も同じ。だから未來と同じ目線で驚いたりしながらの読書でした。
台湾の歴史はこんなにも複雑だったのね。台湾が日本だった時代があること。その後、蔣介石による恐ろしい弾圧の時代。初めて知って改めて考えさせられました。同じ台湾人でも世代によって感じ方が違ったり時には言語が違ったり。表情の乏しい台湾人と豊かな若い世代、何が彼らをそうしたのか?というのは、そんな事情があったのか…と。
かなりの長編で、内容的にも重い部分も多かったのでちょっとしんどかった(コロナ療養中にちょこちょこ読んだせいもあるかもしれないけど)。全く共感できない嫌な奴が出てくるせいかも。未來の叔母にあたる隣に住む女、あと台湾の元祖母の住む家に今暮らす一家の惨状に、読んでいて本当にしんどくなりました。挫折しそうになりながらなんとか読み切ったわ。

0
2023年01月06日

Posted by ブクログ

祖母の産まれ故郷 台湾へ向かった主人公。

初めて知った台湾の過去。そして現在。
そこで出会った人々。

暖かい思い、つらい思い。そして別れ

それでも前へ進もうとする主人公を応援したくなる

私自身、台湾のことをまったく知らなかったけれど
訪れてみたくなる1冊でした。

0
2022年04月21日

Posted by ブクログ

台湾について私も主人公の未来と同じ程度しか知らなかった。台湾にいつかは行きたい!と思える小説。特に台南。

0
2022年04月08日

Posted by ブクログ

一緒に暮らすおばあちゃんが階段から落ちて入院した。その時に、おばあちゃんは昔台湾の台南で生まれ育ったことを未来に話していた。台南の家に帰りたいと言ったおばあちゃんの言葉に動かされ未来は思い出の場所台南へ1週間旅に出る。
台南では日本語を話せる人に出会い助けられながら、さまざまな日本時代の場所を巡る。戦争に勝って日本は台湾を植民地にして、日本人がたくさん移住し台湾人と共存した時代。その時台湾人は日本語を話していた。しかし、日本が戦争に負け台湾を去らなければならず、ほぼ全てのものを置き去りにして日本に帰っていった。その後に中国人が台湾を占領した時代もあった。
いまなお、日本時代の面影が多く残る台南に不思議な縁を感じながら、未来は祖母のためにたくさん写真をとり日本に帰る。
2020/08/02 12:08

0
2021年09月20日

「小説」ランキング