【感想・ネタバレ】カスバの女のレビュー

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Posted by ブクログ 2011年08月08日

旅情ロマンとも違うし、旅行記とも違うし、さりとて冒険譚でもない。
世界のあちこちを通りかかった日本人を戦争と絡めた短編集。
人の心の襞を静かに描いて、心にじんわりと染み込む様な作品集だった。
特に中国残留夫人と、その元夫の再会を描いた1作はよかった。
自己保身に走り、どうしようもない男に一見与えられ...続きを読むたかのような救いが、実はこれからの男の苦悩の種になっていくのを暗示するかの様なラスト。愛憎入り混じった娘の弁論。そして何よりも悲しい最期を遂げた夫人。ついつい繰り返し読んでしまう。
正直不勉強で胡桃沢耕史氏といえば「翔んでる警視」シリーズの印象しかなかったので、このようなものを書いていたとは嬉しい驚きだった。

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