【感想・ネタバレ】天目山に桜散るのレビュー

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Posted by ブクログ

直木賞ノミネート6回という経歴を持つ滝口康彦(1924.3.13-2002.6.9)の短編集です。
少年時代の徳川家康を主人公とした「春暗けれど」に始まり、武田勝頼の最期を描いた表題作、そして西南戦争を題材にした「球磨川の雨」まで戦国から明治にかけてを舞台にした10編の小説が収録されています。
恥かしながら「短編小説」というと、その短さから人物描写など内容的に未消化な点が多いのではないかと思っていましたが、本書を読み、それが間違った認識であった事を思い知りました。
歴史という人間ドラマの中で、それぞれの時代のそれぞれの境遇における人物たちの「生きざま」が、逆に短編故に凝縮されて描かれ、どの作品も大変印象深いものとなっています。
私が特に印象に残ったのは、前述の「春暗けれど-家康の竹千代時代」、江戸時代に起きた越後騒動に触れた「引越し大名-楽になりたや」、第2次長州征伐を描いた「木の葉の城-石州浜田藩の悲劇」です。

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2020年06月30日

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