【感想・ネタバレ】主権者のいない国のレビュー

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Posted by ブクログ

コロナで騒ぐ国民に、本書でその前提を考えてほしい。

「コロナが落ち着いてから」とかでなく、どうなったら騒がなくて良いと自分が判断するか、軸の無い、考えない、怠惰な国民性をよく表している。

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2021年12月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 VUCAの環境と長い閉塞感の日本の政治と経済。本書に記された戦後の歴史的背景は根深く、これからも道は険しいとものがあると感じた。
•戦後の国体とは、戦前の天皇制国家体制の構造が配線を機にその頂点を天皇から米国へと入れ替えながら生き延びてきたことを捉えるための概念。
•朝鮮戦争こそ戦後日本のかたちを決めた出来事であり、戦後の国体の歴史的起源。
•内外政ともに数々の困難が立ちはだかる今、私たちにかけているのはそれらを乗り越える知恵ではなく、それを自らに引き受けようとする精神態度である。人間が自己の運命を自らの掌中に握ろうとする決意と努力のみ。

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2021年04月29日

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主権者たるためには、個々人の責任意識が必要
日本って、いたるところで責任のなすりつけあいがされてる社会だなと、だから、究極的には政治に関心がないんだなとなんとなく納得した

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2023年10月25日

Posted by ブクログ

この本を読むまで、この国の〝国体“について真剣に考えた事は無かったような気がする。昭和天皇は国体護持という命題の虚構性、そしてこの虚構を成り立たせるためにどのような代償が払われたのかを熟知していたという。本著が言うように、日本国の象徴とされた天皇制のありようは明らかに戦前とは異なるが、日本人の精神性は、それが徳川家であれ、天皇陛下であれ、拠り所としての君主をすげ替えたのみで、戦後は、対米従属体制が国体化したに過ぎない。究極的にはアメリカが事実上の天皇の役割を担うことを意味するという論説は、決して誤りでは無い。

そうした理由もあるだろう。政権支持率にも大して意味はなく、日本人は大人しく増税を受け入れ、政府の言いなり。不満を募らせても、政権交代の受け皿となる野党に期待もできず、投票行動も変わらない。こうした閉塞感の中、相互監視、同調圧力や忖度により社会行動を制限する事で、地道な集団生活を送るのが特性となっている。強いリーダーシップというより、周りを見ながら、社会全体で合議を図るように、炎上や村八分、自警団により軌道修正していくシステムだ。

随分偏った本だ。安倍批判が見苦しい。著者自身も大衆をB層としか見なしていないから、選択の誤りそのものに対し、馬鹿が馬鹿を選んだという構図で論をエスカレートさせていく。他方で以下のような韓国擁護の論拠も示される。

フランスがナチスドイツに降伏しヴィシー政権が成立した時、フランスは敗戦国だった。しかしドイツの傀儡と化した祖国政府を認めないド・ゴール将軍がレジスタンス運動を司る自由フランス政府を結成し、それがやがてフランス共和国臨時政府、第4共和制のルーツとなる。フランス人が自国を独力で解放したとは言えない。しかしフランスは戦勝国の立場を得た。戦後のフランスはヴィシー政権のフランスに接続したのではなく、亡命政権に接続したのだ。大韓民国臨時政府とどのような差があるか。

この国の主権者が不在する問題は、戦争に至る前からポイントオブノーリターンとして、不可逆的に突入した出来レースでもある。米国依存を脱するには核を保有すべきだろうし、疑似的な一党独裁体制を是正するには利権構造を崩さねばならず、警察権も御用学者も中間業者もそれらを票田とした互恵的な構図にも、ありとあらゆる経路依存に破壊的なイノベーションが必要だ。

安倍政権を批判するまでは誰もが可能な行動だが、この国を良くするには、韓国擁護などを並べる前に、自国第一でのオルタナティブが必要だ。国益を損なう議論と政権交代が混ざるから、左派は信用ならず、大衆は自ず、権威主義や利権、そのおこぼれを目指すしかなくなるのではないか。エリート層にも、マスコントロールの気概見えず。右も左も嫌ならこの国から去れ、の末路か。

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2023年09月10日

Posted by ブクログ

ためになった
これまできちんと考えてこなかったので
未消化の部分が多い

また時期をあらためて読み直したい

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2022年01月25日

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自分自身の社会との関わり方を反省しました。
自分は、社会に無関心な国民の一人であり、主権者であろうとしない態度が「憲政史上最悪の政権」を継続させている一因であるということを自覚することができました。

日本の国家体制や新自由主義が結びついて無関心を生み出し、政治の質低下や文芸的感性の劣化などの問題につながっていく流れは非常にわかりやすかったです。
岸田首相の動向など、直近のニュースもその流れを踏まえると、新しい捉え方ができるように感じます。
衆院選の前に勉強ができてよかったです。

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2021年10月18日

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同じことの繰り返しが多いように思ったが、後半の朝鮮半島情勢、満州国に関する論考はなかなか興味深かった。

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2021年10月17日

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本書を読んで国体というものについて理解を深めることができました。著者は本書で日本の戦前旧ファシスト勢力(国家主義者)が戦後に親米保守派へと転身して支配者の座(戦後の国体)に戻ったと述べていますが、安倍晋三による安定の第二次安倍政権が戦前の旧ファシスト勢力の流れを含むと考えるととても感慨深いものがあります。また、韓国・北朝鮮との外交関係にふれている章で日本は朝鮮戦争は永久に終結して欲しくないという考えが根底にあると述べていますが、国際政治とは正義だけでは成り立たないものだと理解しました。

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2021年09月25日

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不正・無能・腐敗でまみれているのに、いかにも名宰相のような振る舞いをする低レベルな安倍晋三への辛辣かつ正確な評価で、久々に溜飲を下げた。
それを許してしまった国民の「成熟の拒否」は痛感するが、どうするべきだろうか。このままでは日本の国力が落ちて、中流国から脱する事が出来ない。

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2021年09月12日

Posted by ブクログ

オリンピックが強行突破された時に
自分自身の感情をなだめたくて
読み始めた一冊

同時に読んでいたのは
池田晶子さんの
「考える日々」

やはり 考え続けることは
大切なこと
と 改めて思う

苦々しき
報道ばかりが続いている時に
読み進めていたので
なおさら 合点することが
多かった

オリムピック・パラリンピックを
見たくない
聴きたくない
思いたくない
日々を
慰めてもらった
一冊でした

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2021年09月08日

Posted by ブクログ

国民主権、となっているものの、国民に向き合った政権ではない状態が8年以上続いているのは何故なのか、読み解いてくれる本でした。「主権者たることとは政治的権利を与えられることによって可能になるのではない。人間が自己の運命を自らの掌中に握ろうとする決意と努力の中にしかない。」

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2021年07月19日

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"かつて、「戦前の国体」が崩壊の最終過程を驀進していたとき(つまり、十五年戦争の末期)、特権階級以外の国民の命は限りなく粗末に扱われ、あたかもそれは如何様にも処分可能なモノであるかのようだった。
 今日、それと全く同じ状況が生じているわけではもちろんない。(略)" 180ペー

ここを読んで、ヒーっとなった。「全く同じ状況が生じている」ではないか。
そうか、今は「戦後の国体」の崩壊の最終過程なのだな。そのことは何回も別の箇所で書かれている。「戦後の国体」が崩壊するのは良いのだけれど、その後に何が現れるのか。最悪なモノの後には、よりマシなものが現れて欲しいのだが。なんかまだ準備ができていないような気がするのだが。未来が見えない。

この本の一番最後の部分
"主権者たることとは、政治的権利を与えられることによって可能になるのではない。それは、人間が自己の運命を自らの掌中に握ろうとする決意と努力のなかにしかない。私たちが私たち自身のかけがえのない人生を生きようとすること、つまり人として当たり前の欲望に目覚めること、それが始まるとき、この国を覆っている癪気は消えてなくなるはずだ。"
に個人的にグサリときた。

コロナ禍でまいっているところに、オリンピックのアレコレも加わり、もうゲンナリしている。白井さんの本を読んで、あきらめてはいけない、立ち上がらなくてはいけないと改めて思った。

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2021年06月25日

Posted by ブクログ

なぜ日本の政治はこんなにもダメなんだろう、コロナ対応も他の先進国に比べて遅れてるし、安倍氏も菅氏も、語ることに何の真摯さも感じられない。野党は批判のための批判しかしてないように見えるし。
子供の頃ってもっと日本は先に進んでなかったっけ?今となっては明るい希望は何も見えない。政治家なんて誰がなっても同じとしか思えないし、古狸たちが未来のことなどおかまいなしに、利権にまみれてるだけ。何でこうなのか、そう思って本書を手に取りました。
永続敗戦論、菊と星条旗を読んでいないと、深くまで理解できていないかもしれないが、戦後の国体が今なお続いている、というのが今の状況の原因ということなのだろう。
憲法上戦争のできる軍隊を持っていないから、今なおアメリカに隷属するしかないのか、改憲したらどうなるだろう、二者択一ではない、違う道はないものか、、?

硬質な文章と、ウィットに富んだ政治批判が小気味良かった。

ただし、最大の批判の対象は、私自身を含めた、主権者たろうとしない国民に向けられている。

少し間を空けて、永続敗戦論、菊と星条旗も読んでみようと思います。

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2021年06月14日

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