【感想・ネタバレ】物語を忘れた外国語(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

ふと目についたので、なにげなく購入した本。思いのほか、引き込まれた。黒田という人のことは知らなったのだが、言語学の感覚で世界のあちこちを感じる、という味わいの軽妙なエッセイで、楽しい読書であった。いろいろな国の映画、いろいろな国の文学が、探す気になりさえすれば、手に届くところにあるのだな、と気づく。文法も何もまったく知らない言語の原書でも、対訳さえあれば、訳をちらちら見ながらゆっくりと読めば、少しわかるような気になってくる、ともある。

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2022年02月18日

Posted by ブクログ

英語で小説を読むことが憧れなんです。でも、なかなか読めなくて挫折したり、挫折した経験があって、踏み出す気持ちが持てなかったりして、でも英語に触れてないとなあとなんとなく英語のニュースサイトをパラパラ見たり。
著者の外国語歴にまず圧倒される。ロシア語、英語、チェコ語?
すごいなあ。でも同じくらいすごいのは、物語(小説、映画、戯曲など)への好奇心だ。
好きなものをひたすら追い求めていく。美男美女の綺麗な恋愛ドラマはもういいよ、と思いながらそれでも韓国ドラマから当たりを見つけたり、
戯曲が言語習得にいいのでは?となって、英語で戯曲といえば当然シェイクスピアなんだが、「ハムレットは自分じゃないなあ。他のものを…」とあきらめず次を追い求めるところ。
本から映画、日本語から外国語、ロシア語からチェコ語など組み合わせも自由自在。
本当に言語と物語のマニアで、その思考回路をちょっとなりと覗けるのは大変興味深い。

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2022年02月05日

Posted by ブクログ

筆者の方はさまざまな言語を、ツールとしてだけじゃなくて、そのものとして愛でて楽しんでいる感じを受けた。筆者の方は、さまざまな言語を通じて物語を楽しんでいるとともに、物語を通して言語を楽しんでいて、そこが斬新で面白かった。

そうやって楽しんでる読書(映画鑑賞も)についてひたすら書かれてて、清々しかった。

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2022年02月05日

Posted by ブクログ

本文もさることながら、あとがき以降がとっても面白い。ジュリアンが気になる。
著者さんの言語への興味関心がとても伝わってきます。たぶん本気を出せばとてもマニアックに書きそうだけど、初心者でも楽しめるようになっています。身の回りの物語とそこに出てくる言語の徒然が愉快で、「その本読んでみたい」と何冊も思わされて、積読がまた標高を高くしそうです。細雪のロシアなのかウクライナなのかを体験したい。

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2021年09月30日

Posted by ブクログ

語学を再勉強するとき、モチベーションを維持するために(本書でいう「王道」の)検定試験を利用しがち。物語を選んで言葉を吸収する、料理の素材のように単語を学習する黒田さんの学習法をもっととりいれようと思えた。

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2021年09月21日

Posted by ブクログ

日本の小説を外国語で読んでみるって、面白そう。海外映画を字幕と吹替の両方をいったりきたりして観るのが好きだし、海外文学を原書で読むよりもハードルは低そうだから。

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2021年05月09日

Posted by ブクログ

エッセイをほとんど読まないが、本書は非常に魅力的で面白く読めた。作者の捻くれた性格を不快に思わせない「物語愛」を強く感じられ、外国語に対する合理的な考え方にシンパシーを覚えた。読みたい海外文学もたくさんできた!

p23 常に新しいものをおいかけるばかりが読書ではない

p67 その土地に根差した小説が好きである。歴史背景や文化事情が濃厚に反映していて、外国人がただ読んだだけでは容易に理解できない物語。

p155 言語感覚とは実に微妙なものなのだ。機械翻訳の技術がどんなに進んでも、こういった感覚まで納得させることはおそらく不可能だろう。

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2021年05月02日

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実用的な語学、武器としての語学なんて、くそ!という論調。
楽しむために語学はある。そのために映像や翻訳でも楽しむ。
肩の力を抜いて読む本。

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2021年06月25日

Posted by ブクログ

外国語での読書の楽しみに関するエッセイ。

昔は、面白いけど時々鼻につく、と感じた黒田さんの語学エッセイ。何が鼻についたかというと、マイナー好みであることへの自負(自慢げ)というか。
最近の本では、年齢を重ねて角が取れたのか、そういう面はかなり減って読みやすくなった気がする。

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2021年04月24日

Posted by ブクログ

いつも楽しい黒田先生の外国語エッセイ。
確かに勉強や仕事のためじゃなくて
自分が楽しみたいだけなら
参考書をひもとくより
原書にチャレンジしてもいいのかも。

興味を持つと、どんどん派生していくのも
この著者のおもしろいところ。
スウェーデン語が気になり過ぎて
アリスのミステリ(『スウェーデン館の謎』)
まで手を出してしまうとかね。

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2021年04月18日

Posted by ブクログ

語学を勉強している、もしくはした経験があり、中級者以上に向けた本。
留学以外の方法で如何にしてスキルアップ出来るか?それは〝物語〟を読むことではないか…という内容。

全てを理解しなくても何となく予想出来たり、邦訳と読み比べをしたり。言語学習で物語を読んでみようと考えたことがなかったので、目から鱗だった。
ただあくまでも学習者に向けた本で、多数の読者に向けた本ではないと感じた。

面白く読めた章もあったが、視点がマニアックすぎて共感出来ない所もあった。

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2021年04月12日

Posted by ブクログ

 英語で挫折しているので、語学の達人と言われるような人の書く文章は敬遠してきたのだが、著者が外国語習得の良き案内役としていい文章を書くらしいとの評判を聞いていたので、ちょうど文庫化された本書を読んでみた。

 外国語学習のことももちろん書かれているのだが、著者の方法は実に真っ当なもので、分からないなりに、その外国語の本を読んでみる、映像化されたものがあればそれを見てからでも良いし、順序はお好みで良い。著者は特に物語を読むことを推奨する。  
 本書はそのような各国語と各国語で書かれた小説や戯曲を素材にして、著者の経験や思いを平明な文章で綴っている。
 あまりメジャーとは言えないスラブ語圏やアジアに関する話も多く取り上げられており、関心を呼び覚まされた。

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2021年03月29日

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