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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
聴覚の錯覚、錯聴に関する最近の研究を紹介したモノグラフ。これは面白い。音楽関係者、特に演奏者には必読だろう。聴覚だけでなく、聴覚・視覚の連携や優劣、視覚や触覚など他の感覚にも共通する特性などにも及ぶ。ウェブサイトにて実際のサンプルを体験することができる。興味深いのは「同時」であると認識されるのはある一定の幅の時間に生起した事象を事後的に解釈している可能性であり、「現在」にはある程度の時間巾があるということになる。微妙にずれたタイミングで生起している複数音を同時と捉える錯覚は、音楽演奏の技法としても使われているように思われる。ピアノ単独で複数の楽器からなるオーケストラ曲のリダクションを行う場合など。欠落した倍音成分を補完する錯覚などは、ハイレゾ音源の音質評価にもつながってくるように思われる。反復音による錯覚はミニマルミュージック技法の根柢にある。