【感想・ネタバレ】警視庁特別捜査係 サン&ムーンのレビュー

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Posted by ブクログ

東京を舞台とした刑事モノの小説である。
湾岸署に勤める若い刑事の月形涼真(つきがたりょうま)が自身の歩みを振り返りながら過ごす日常から物語は始まる。
月形涼真の母である月形明子は、警察庁キャリアで現在の階級は警視監であり、警視庁交通部長だ。父の日向英生(ひゅうがひでお)については、幼い頃に両親が離婚していて、余り思い出も無い。警察庁キャリアとして忙しい母は方々へ赴任する関係上、月形涼真の最も身近な家族は母の両親である祖父母で、母の千葉に在る実家で祖父母と暮らしたという期間が最も長い。千葉の大学に学び、大学在学中に祖父は他界していた。祖母は健在である。大学卒業後、月形涼真は警視庁に奉職した。
月形涼真は幾つかの警察署での勤務を経て刑事となっていて、現在は湾岸署の刑事課に在って、受験資格が出来た巡査部長への昇任試験に臨んでいるところだった。私生活では、警察学校で最も仲が良かった同期であった中嶋の妹と知り合って交際中であった。
そうした中で事件が起こる…
湾岸署の管轄区域は大森署、大井署のそれと境を接している。その3つの区域の臨海部、埠頭や親水緑地になっている地域での事件だった。当初は緑地内での不審な火災が2件相次いだのだが、やがて殺害されたと見受けられる遺体が3体、3つの署の管轄区域から次々と発見されたのだった。
3つの署の管轄区域で発生した事件は「一連のモノ?」と考えられ、大井署に捜査本部を設置し、3つの署の捜査員、本部捜査一課の捜査員が投入されて捜査活動が展開されることとなった。
月形涼真はこの捜査本部に加わることを申し出た。3人の遺体の1つが、警察学校で最も仲が良かった同期であった中嶋のモノであったからである。中嶋が犠牲になってしまった事件の解決を図りたいと強く思ったのだ。
その本部へ行けば、月形涼真が私生活では、殺害されたと見受けられる中嶋の妹と交際しているということを幹部に伝える者が現れた。そういう事情が問題視されようとしていた時、本部から「若い捜査員の指導」という名目で年配の捜査員が派遣されて来た。現れたのは日向英生であった。
そして「日向主任と月形巡査」というコンビで、“遊班”ということで、一定程度随意に捜査活動を展開せよという事になって行った…
本作はその「日向主任と月形巡査」という「実は親子…」というコンビが、3つの署の管轄区域を跨る形で3人が殺害されてしまった事件の謎を解き明かして行くという物語だ。
本作全般を視て、「日向主任と月形巡査」という「実は親子…」というコンビの「顔見世」という印象も少し強かった。が、被害者達の人生を過去に遡って掘り下げながら事件の意外な謎を解き明かすという物語は少し夢中にさせてくれたと思う。本の帯に「新シリーズ始動」と在るので、そのうちに「日向主任と月形巡査」という「実は親子…」というコンビに再会出来る機会も生じることであろう。
なかなかに愉しめたので、少し広く薦めたい!

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2021年03月28日

Posted by ブクログ

刑事の親子がバディを組んで事件を追う話。事件も登場人物の関係性もめちゃくちゃ面白い、地道に遠回りにみえる捜査をするバディカッコいい。元警察官達の情報網とかを駆使する系って初めて読んだかもしれんくて興味深い。
このシリーズ絶対面白いと確信が持てる。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

既刊の他シリーズのように個人の圧倒的パワーや頭脳で何とかなっちゃうのではなく、親子の地道な努力と汗によって解決していく様は清々しい。このコンビの自作にも期待が持てる。

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2021年04月26日

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