【感想・ネタバレ】教養としての「地政学」入門のレビュー

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欧州の歴史を振り返りながら説く陸の地政学。大航海時代からの海の地政学。地政学という名は冠されているが、基本的には歴史解説の書のように感じた。
最後の日本の地政学の解説は、歴史に詳しい著者らしい鋭さで、非常に勉強になった。

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2022年03月31日

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出口さんの相変わらずの大きな歴史観に圧倒される。特に陸の地政学における「サンドウィッチの具」は出色。

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2021年04月07日

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ある程度の世界史と地理の知識がないと全くチンプンカンプンだと思われるので、万人向け入門書ではないが、地政学を考える上で羅針盤となるような優良書。著者の博覧強記とわかりやすい教授力は驚嘆もの。このような本が読みたかった。

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2021年04月02日

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安定の出口先生。サンドイッチの多用で無理矢理タイトルに近づけていると感じた。地政学てタイトルにすると売れるんだろう。しかもサンドイッチ多用の歴史話のほうが後半の地政学話より面白い。

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2023年05月02日

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【一部分概要のみ】
・海の地政学と陸の地政学
・日本の地政学の歴史を考えたとき、世界が欲しがる商品はない 。だからこそ鎖国は上手くいった(鎖国自体評価しない)
・あるとすれば大国中露の太平洋進出への入口としての立場。しかし冷戦後にそれの重要性は低下しつつある。つまり、海外から興味を向けられることが少ない。今後の国内の発展には、グローバリゼーションへの積極的貢献が不可欠。米中などへ学びに行くこと、交流を広げていくことが日本の可能性を広げる

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2022年07月18日

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1.一向に改善されない世界情勢のルーツが気になったので読みました。

2.本書は陸、海、日本といいた線引きで地政学を述べており、歴史的な部分が要素が強くなっております。そもそも地理学とは学問として新しいですが、昨今の世界情勢を知る上では非常に強力なツールとなってきます。今対立している国々はそもそも何が発端でこのようになってしまったのかを国との争いという視点で区切って説明しているわけではなく、大陸や海ごとの説明となっており、マクロ的な話がメインとなってきます。

3.最期の章に日本のことが書かれており、どうすれば今後の日本はよくなっていくかということ、もしこのようにやってきたらもう少し違う未来があった的なことが書かれています。他国からみると、日本は「核を所有してもよい」という声も上がっているらしいです。ただ、日本が核を所有したところで、確実に国を守れるかというとそんなことはありません。むしろ、人口減少、国土が小さいなどの問題から、攻め込まれて終わりだと思います。
本書を読み、政治家の判断がより重要になってきているのだと思いました。

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2022年05月20日

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ー それではその住民自身が案出した平等と幸福を管理する方法で、博愛という名前の自己抑制を具体化できるのでしょうか。博愛を自然に自覚するような感覚は、幼い時から一緒に暮らしていないと、なかなか育ちません。民族的な統一という理念だけで、自然な博愛の感情は育つのか?それは困難な課題なのではないか?マッキンダーは世間一般でナショナリズムと呼ばれるものは、幸福の権利を要求する際に個人の力によるのではなく、単に共同の力で要求しているに過ぎないと指摘します。そこでは博愛の精神が捨象されがちであることを、暗に指摘したかったのでしょう。

個人の自由から民族の自由へと、自由に対する要求は発展してきました。そしてついに国際連盟が実現しそうな時代になって、マッキンダーは次のように考えます。国際連盟を実現きさせることは、フランス革命の自由・平等・博愛の三大原則を国際社会に持ち込むことである。そのことを諸国家で実現させるためには、各国に対して連盟がある程度の管理を行わねばならない。そうすることによって、諸国家が均整のとれた発達を遂げることが、国際連盟の理想となる。そのようにマッキンダーは考えました。さらに次のように言葉を続けます。

「各国家が均整のとれた発達をとげるという理想のなかに、われわれは博愛の理念にふくまれた自己抑制の原理を見るおもいがする。均整のとれた発達をしない国家は、やがて必ず独特な飢えの状態に見舞われる。これは不注意の結果でもあり、また時としてわざと犯罪的にされることもある。が、いずれにしても、その飢えは他国民の犠牲においてしか満たされない。」

この暗示的な文章は、例えばナポレオンの政治の根本が軍事独裁政権であったこと、第一次世界大戦に向かって暴走機関車のように突入していったドイツが選んだ経済政策が、略奪型の保護主義だったことを想起すれば納得できると思います。マッキンダーはこのような「飢えの状態」にある国家の暴走を無くすには、その国内における管理と同時に外からの管理を加えることが必要なのだ、と述べます。それが国際連盟の役割なのだと。 ー

思っていたより基本的で、歴史的な部分に注力されていて、現代における地政学にはあまり触れられていなかった。
だったら、マハンとマッキンダーを読めば良かったなと。特にマッキンダーの『デモクラシーの理想と現実』は読んでみたいな。

次は『貿易戦争の政治経済学 資本主義を再構築する』にしようかな。

それにしても、某国の「独特な飢えの状態」を「他国民の犠牲」で満たそうとするのは辞めてもらいたいものだ。だからと言って某国がそれに介入するのも不信感しかない。

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2022年02月23日

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海と陸からの見方で、国がなぜ興亡してきたか、を面白く読めた。今の日本の立ち位置、今後についても考えさせられる。筆者の考えとは違うところもあるが、今後中国がキーになるのは間違いないと思う。10年先、30年先にどうなっているか、よく考えて行動していかないといけないと、再認識した。

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2022年01月30日

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世界地図を南半球を上にして、ユーラシア大陸と日本列島、そして太平洋を眺めてみる、という視点は、日本の地政学的な特徴を説明するのにこれほど適切なことがあろうか。目からうろことはまさにこのこと、と思う。
また氏は、いまだに日本の社会では戦後の成功体験をひきずった「根拠なき精神論」が横行していると指摘している。「日本ファーストはかっこいい」、「中国は嫌い」などの言は、なんの根拠もない放言に過ぎない。世界の常識は「エビデンス、サイエンス、専門家の知見」に基づく意思決定にあるという。深くうなずくばかりである。

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2022年01月05日

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ネタバレ

引っ越しできない状況の中で、平穏な生活を脅かすような「隣人」が現れて、両側を挟まれてしまったらどうするか? 私たちが普段の生活において直面してきた問題であろう。個人なら自分が逃げられればよいが、国だとそうはいかない。まさに悩みどころである。

本書は、地政学をその「国が引っ越しできない」状況になぞらえてわかりやすく説明している。通読すると、古今東西、世界の様々な地域にこうした悩みが発生し、そのたびに政(まつりごと)を取り仕切る為政者はあらゆる策を講じてきたことが見えてくる。

世界の歴史に関する多くの本を著してきた著者だけに、本書の筆致はやさしく、わかりやすい。予備知識がなくても地政学を感覚的にとらえることができる。また世界史の知識がある人なら、それを思い出すことで、歴史的背景と地政学の組み合わせで立体的に理解できる効果がある。人は産まれる場所を選ぶことができない。そして、その地域や時代によって、その人の人生に大きな差ができてくる。その歴史のダイナミズムも垣間見ることができるだろう。

もう1つ興味深いのは、科学技術の進歩によって地政学も少しずつ変わっていっている点だ。著者は「原子力空母の存在が海の地政学を変えた」と指摘し、具体例としてアメリカ海軍の機動部隊「空母打撃群」を挙げる。21世紀の地政学は今後、技術の進化に足並みをそろえてさらなる変化を遂げるのかもしれない。そうした未来を想像するのにも役立つ一冊だ。

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2022年01月02日

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世界史を地政学視点から書いた本。地形もさることながら、気候変動も、人間の行動に影響して、歴史を変えてきたのだと感じる。

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2021年11月20日

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地政学の入門書として、その定義から考え方の基本となる「陸」と「海」の地政学を歴史的考察を基に丁寧に解説している。
その後、地政学の観点から日本の現状、外交、安全保障の在り方、沖縄基地問題まで言及し、日本の進むべき方向を提言している。
平易な言葉で書かれており、これから地政学を学びたいと考えている私には多くの示唆を与える良書でした。

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2021年09月13日

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地政学の視点から世界史を振り返る。稀代の読書家の1冊はさすがに読みやすい。

最近著作の多い出口治明氏の作品。分かりやすい語り口で、地政学的な視点から世界史を語る。

日本の置かれている地政学的な現実に関する提言が、筆者のポリシーが確固としており大いに共感できる。

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2021年08月15日

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地政学を「ランド・パワー」「シー・パワー」に分けて論述しているものの、どちらかというと地政学を切り口にした歴史の考察、というべきものである。

地理的関係が歴史にどういった影響を与えてきたか、という点については詳細に書かれている。

歴史を題材にしている考察が中心にされているため、現状の地政に関する記述は少ないが、十分に好奇心を満たしてくれる書籍となっている。

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2021年04月12日

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地政学の観点で、世界史を解説してくれる本。特に、ヨーロッパ史の説明が分かりやすい。受験世界史を思い出してしまった。

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2021年03月06日

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出口氏による地政学の本

日本にとってアメリカは現実的なパートナーだが、アメリカにとってはそうではない

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2024年04月01日

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最近流行りの地政学。経済でも地政学リスクといった言葉が飛び交ってる今日この頃。歴史を振り返ると先人たちは領土問題、商売問題において地政学的な考えのもと行動している。世界史においてどんな地政学的な要素があるのか分かりやすく楽しみながら読めた。領土拡張を考えるさいのベースにどこに陣取るべきかってことを考えるのは根本的には昨今の製造業のどこに生産拠点を置くのかに通づるところはたくさんあるなと読んでいて思った。

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2023年01月30日

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日本の地政学について、どう捉えるべきか?この点については、とても理解できた。地政学の重要性を改めて感じる。一方で、陸や海の地政学は、丁寧に解説されているが、正直、頭に入ってこない。自分事に置き換えて、俯瞰して読むことがうまく出来なかったからだと思う。

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2021年10月24日

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世界史あるあるだけど特にヨーロッパと中東と記述で人名や地名が初見ばかりでなかなか頭に入ってこなくて難儀したけど流れは何となく理解できて面白かった。
ある条件さえ整えば、人も土地も栄えるんだね。
記述の中に日本に関する考察があったけど地政学の専門家から見た内容は恐ろしいほど説得力があった。
ここだけでも読む価値が十分ある。

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2021年08月31日

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地政学について語った本。前半が世界史を地政学の観点から切り取ったもの、後半で日本の地政学や地政学自体について著者の考えも交えながら述べている。
前半部分に関して言えば、世界史に関して非常に興味深い事実が山のように散りばめられており、世界史Bを学んだ上で不完全燃焼だった部分をかなり解消してくれた。知的な営みの楽しさを存分に味わえる。
一方、個人的には後半、特に日本の部分は蛇足だったように思う。世界史について非常に面白い解釈や説明が前半であった分、後半で著者の意見が入ってしまったのが少し残念だった。材料だけで自分で考えたいタイプには1〜3章で十分だろう。

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2021年03月14日

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