感情タグBEST3
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何なのだこの本は。フィクションなんだけど、どこかで私たちが思ってる「あれ?これっておかしいのでは?何かちょっと違う?」みたいなことを、不思議で可愛くユーモラスに書かれている。
私が感じている違和感を、数々の登場人物が一緒に持ってくれる。そしてその違和感は、決しておかしいことじゃなくて、それを限りなく自分の世界へと落とし込んでくれる。
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はじめ、わ、横書き! とおどろいて、それから後書きにお母さんが寄稿していることでまたびっくり。
よみすすめていくと、けっこう母親との相克を題材にした作品がちょこちょこあるので(キョンヒ台風とか)それはきっとテーマのひとつなんだろうなと思い、そうなるとあとがきがまた、いっそう重く感じられたり(^_^;;
じつは、毎日、お風呂に入りながら一編ずつ読んでいたのだが、どこからでも読めるし、それぞれの作品の感触がちがって、全体としてとてもよかった。
表題作の「アヒル命名会議」は、大丈夫なの?と思うくらい神がひどい(笑) 神がこしらえたアヒル様生物を命名することになって、サタンがduckはいかがでしょう? というと、ラファエルら太鼓持ち一同からいっせいに総スカンをくらい、神からは「なにさまのつもりなんだ?」と言われる始末。で、ラファエルがdamnはいかがでしょう?と提案すると、おっ、いいねと決まってしまう。よりにもよって(笑) なんちゅー話だw
「手違いゾンビ」「韓国人の韓国の話」「おまえのすべての動きを認知せよ」(新手の詐欺?)「キョンヒ台風」あたりがおもしろかった。
そうそう、あとがきに母親が寄稿しているのがすごくめずらしいなとびっくりしたのと、「キョンヒ台風」など、強い母親に苦しめられる話がいくつかはいっていたので「んん??」と思っていたのだが、『マザリング 現代の母なる場所』(中村 佑子)にあるイ・ランのインタビューをちらっと読んだら、父がDVの人で母は暴力をふるわれていた人だったんだ。だから母に自分の物語を取りもどしてほしかったんだね……。
Posted by ブクログ
韓国人作家の小説はいくつか読みどれも挑戦的な内容でしたが、本作も然り。
フェミニズム、キリスト教、貧困がブラックユーモアたっぷりに表現されていた。
女性が描く女性性の問題提起だからか、同性の私は共感できるものがあった。これが男性側からのメッセージだったら、きっと頓珍漢で憤りをもよおさせるものになったかもしれない。
どんな人もお互いに尊重して気持ちよく生きていける社会になれたらいい。
Posted by ブクログ
短編集11篇+2篇
神と天使達の会議「アヒル命名会議」エキストラのまさかのブレイク「手違いゾンビ」コンドームの誤配達のドタバタ喜劇「後で来てください」が好みです。