【感想・ネタバレ】トコとミコのレビュー

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Posted by ブクログ

英国大使として赴任していた伯爵家のお姫様だったトコこと六苑燈子と、六苑伯爵家に仕える家扶を父に持つミコこと寺井美桜子との二人の90年間の関係を綴った物語だ。
大使赴任地の英国から帰国した六苑伯爵家の一人娘のトコは、日本語もままならない世間知らずのお姫様そのものだった。
そんな理由から遊び相手として活発なミコにそのお役が任され、二人は交際しながらお互いに語学をも学び合うこととなる。
伯爵家の大規模な洋館は、ミコからすると広大なお城のようで、そこに住むトコに憧れと嫉妬心を抱きながら、それ以上に深い友情を育み、異次元のお姫様と明るく活発なトコとのお付き合いの様子が、少女から老齢になるまで描かれる。
戦後、華族制度の廃止に伴い、六苑伯爵家は没落して行くのだが、ミコは持ち前の積極的な性格を前面に出し、懸命に事業を成功させて六苑伯爵家のために可能な限り援助する。
トコはミコの支援とアドバイスを受けながら、上流階級で嗜んだ作法や所作を武器に、西洋のエチケットや作法などを日本の女性たちを啓蒙する有名人となり、暮らしでも子供達に恵まれて幸せな家庭を築き、経済的にも豊かな環境を確保していた。
一方ミコは、事業の拡大に奔走し、いろいろな変遷を経て結婚間近にまでなっていた初恋の暁とも婚約解消をして訣別し、その後は独身を貫いて生きて行く。
トコは常にミコに対して感謝の念と畏敬の念を抱き続けていたのだが、心から感謝の気持ちをミコに伝える術を知らなかった。
そんな二人の気持ちのすれ違いが⋯⋯。

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2023年02月03日

Posted by ブクログ

昭和二年、伯爵家の令嬢トコの遊び相手として屋敷に通うミコ。敗戦後の日本を生き抜く二人の光と影が感動を呼ぶ、大河ロマン。昭和二年、六苑伯爵家の令嬢・燈子(とうこ)の遊び相手として、小石川に居を構えるネオ・ルネッサンス様式の洋館に通うことになった、六苑家の職員の娘・美桜子(みおこ)。ふたりはトコとミコと呼び合いながら、主従を超えた愛憎関係に結ばれ、その後90年にわたる激動の時代をともに生きることになる-―

二人の運命はからまり、傷つけあいながらどこに終着するのか。敗戦後の日本で数奇な運命を辿りつつ、気高く生き抜く女性の強さが心に響く大河ロマン。

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2022年01月09日

Posted by ブクログ

伯爵の娘塔子と使用人の美桜子は戦前幼少の頃から始まる。塔子は生まれ育った環境何も考える事無し親のレールの上進む。結婚も自分で決めた訳ではない。一方美桜子は自分の頭脳と思考力で最後まで走り続ける。二人の人生はまるで違うが手を取り合って昭和2年からトコ ミコと呼び合い六才から九六才まで共に過ごした。

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2021年08月13日

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燈子は20万石の大名家をルーツに持つ伯爵家の令嬢で、外務省に勤める父の任地である英国に生まれ育つ。
美桜子は旧藩士で伯爵家の家扶を務める家の娘。才気あふれる美桜子を支えたものは幼くして出会い結ばれた主家の娘燈子との絆。この二人は共生者。

・・・お姫さまって、何て美しい心をお持ちなの!

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2021年07月01日

Posted by ブクログ

伯爵令嬢の燈子と、使用人の娘の美桜子。二人は戦争の時代から経済激動の時代の中で成長していく、生まれに影響を受けながら。苦しいことも幸せだったこともそれぞれにあっただろう。英国刺繍が二人の絆を影で支えていたような気がした。

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2021年03月07日

Posted by ブクログ

伯爵令嬢の燈子と、その遊び相手に選ばれた美桜子。幼い二人の出会いから激動の昭和、時代が移り平成の老年での再会までを描く一作。
自らの才を存分に発揮するミコと、流れに身を任せるだけのように見えて芯の通ったトコの、似ていないのに二人一緒だとしっくりくる様子がとても微笑ましくもあり、ミコの複雑な心情に共感もできた。
牛首紬が形を変えてもずっと二人の傍にあった事が印象的。

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2021年03月03日

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