【感想・ネタバレ】道教思想10講のレビュー

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Posted by ブクログ

日本は中国大陸を経由して仏教を受容し、中華文明から多くのものを受容してきた。
中国では仏教儒教道教を合わせて三教というらしい。
しかしながら日本では仏教であれば漢訳仏典、儒教であれば朱子学、陽明学などが思い浮かぶが、道教となると具体的に何かを思い浮かべられる人は少数派なのではないだろうか。
本書は日本人にはイメージしずらくも、実はさまざまな経由で日本でも習俗や思想、世界観に道教が影響を与えてきたことが見えてくる。
またよく多神教優越論?でよく出される神仏集合だが、別に特異な存在ではなく世界的に見られるシンクレティズムの一つであるが、本書では中国の仏教と道教、儒教のシンクレティズムの面白さにも触れられる。

中華思想に興味のある人だけでなく、日本の思想史にも関心のある方はぜひ読んで欲しい

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2024年01月19日

Posted by ブクログ

「道教」は、中国において儒教、仏教とともに、広く信仰されてきた。「道」の思想や生命観、宇宙論…。多岐にわたる、この宗教のエッセンスをわかりやすく説いた書籍。

道教は、老子の思想を根本に、不老長生を求める神仙術、仏教の影響を受けて作られた経典・儀礼、墨子や儒教の思想など、様々な要素が合わさってできている。

道教思想の根本概念は、『老子』の説く「道」である。
『老子』は、天地万物を生じる根源を「道」、生じた万物を育てるものを「徳」と呼ぶ。この2つの働きに従って、争わず無為自然に生きることが、人としての望ましい生き方だとする。

『老子』によれば、万物は自分自身の中に、陰陽二気・中和の気を含み持つ。そして、「気」は「道」から生じるとされている。つまり「道」は万物の根源であり、万物すべてに内在する普遍性をも持っている。

道教の生命観の根本には、中国古代思想に共通する身体・生命についての認識がある。それは「気」だ。
例えば『荘子』は、人の生は「気」が集まった状態、死は集まっていた「気」が散らばった状態であるとし、生と死はひとつながりだと説く。

道教の経典である『太平経』は、すべての人は一度だけの生しか与えられておらず、死ねば再び生まれることはない、とする。これは仏教の輪廻転生の考え方とは全く異なる、中国の伝統的な死の捉え方であり、生命観である。

仏教は、中国に伝来して受容される過程で、道教と互いに影響し合いながら、中国宗教思想として展開していった。一般民衆は、仏教と道教の像を同一の石像に刻むなど、両者を同じようなものと見ていた。

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2021年10月26日

Posted by ブクログ

仏教、儒教と並ぶ三教の一つとされながら、まとまった本を読むことがなかった。歴史家的な記述で全体像をとらえることができる。ただ、現代における意義まで踏み込んで書いていただけたらと思った、そんなことしたら数年後に古臭くなってしまうだろうか。

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2021年02月20日

Posted by ブクログ

老子と、莊子をアンソロジーで読んだ程度の身には、ちょっと歯がたたないところがある。決してやさしい入門書ではない。

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2020年11月07日

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