【感想・ネタバレ】セイフティボックスのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

1988年に『週刊現代』で連載されたエッセイをまとめた本です。

じつは長い間、著者の作品がちょっと苦手だったのですが、最近になって林真理子や田中康夫、森瑤子といった1980年代という時代を映した小説をまとめて読むことになり、著者が彼らと同じ時代に対してどのように切り結んでいたのかということがよく見えるようになったような気持ちになることができました。

確かに本書で語られているような著者の生き方には、「消費による革命」が実現した80年代という時代の感性と響き合うところがあったのも事実だろうと思います。しかし今から振り返ってみると、著者がそうした時代に適応するような生き方をしているのではなかったことが、むしろ明確に明確になったように感じます。同じことは、著者が中沢新一との対談『ファンダメンタルなふたり』(文春文庫)の中で、松任谷由実に対して微妙な距離の取り方をしていたことにも伺えるように思います。

上野千鶴子でさえも、80年代の「消費による革命」の限界を見抜くことができず、後に小沢雅子に教えられて『〈私〉探しゲーム』(増補版、ちくま学芸文庫)の立場を撤回するに至ったことを思うと、「同時代の感性」を突き抜けた著者の精神の勁さには驚きを禁じ得ません。

0
2017年04月26日

Posted by ブクログ

セイフティボックスのなかで
「今は、色々物事が解って来て、でも、それと同時に、ずいぶん感動する要因が少なくなってきたみたいだ(中略)昔は、そういう感受性をちゃんと引き出してくれるような人々と住んでいたのだ。」
というところがある。
自分に重ねて考えてみてそうだよなと思い当たる。
空を見上げたり、足元の草花を見ることもほとんどない。
月食とか彗星とか、すでにイベントだものね。
動物や自然と戯れるのではなく、動物や自然に癒されるようになってしまっているよね。
ちょっとさみしい。

0
2016年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み出し早々、私の言いたいことが書いてあって
まさに同意見で読んでてスカッとさせてくれる~。
考え方が同じなんだよね~。

昔、OLしてた頃、読んだけど結構忘れてるもんね~。
でも今読み返すと、昔よりも彼女の言ってることがわかる。
私も年なのかしら~(苦笑)

彼女のエッセイはパワーを貰いたいとき
そして彼女の小説はなんだかしっとりしたいときにGOOD.

0
2015年02月06日

Posted by ブクログ

山田詠美のセイフティボックスを読みました。オジサン向け雑誌の週刊現代に連載されていたエッセイ集です。山田詠美らしい独特の視点からの日本人論、恋愛論が展開されていて面白く楽しめました。でも、山田詠美と言う人は小説やエッセイを読むのは面白いのですが、本当につきあうことになったら大変な人かもしれないなあ、とか思いながら読んでいました。

0
2011年07月18日

Posted by ブクログ

なんと30年も前に書かれたものでした!1988年が30年近く前のことになるなんて…。

話題になっていることはちっとも相容れないのに読んでしまうのはやっぱり文章が上手だから?ところどころ芯のところでそうだそうだと思うようなところが度々出てくるのだけれども、またすぐ何処かに離れていってしまう、きっと近くにいても友達にはならなかっただろうなと思うけれど、4年後本人がすでに「かわいかったなぁ、あたし」なんて言っているくらいだから、これが若気の至りというやつか。

村上春樹がディスコで踊っているかも…なんて想像して顔がにやけてしまう。

0
2016年08月15日

Posted by ブクログ

20年ぶりに再読。
山田詠美のエネルギーに圧倒されて、ドキドキしながら読んだ記憶がよみがえる。当時は、きわめて個人的な日々を綴る贅沢を思ったが、今や有名人となった編集者(見城徹・石原正康・小林加津子)との信頼関係を垣間見られて、読者の贅沢を改めて実感。

0
2015年03月08日

Posted by ブクログ

山田詠美が週刊現代に連載していたエッセイをまとめた一冊。

まだ私は生まれていなかったし、バブルの匂いがする。でも山田詠美の作品から感じる思想はやはりこの本からも感じる。

小説をほとんど書かずに、エッセイと旅行とで過ごした一年間であったらしい。各社の担当編集者との「エイミーズパーティー」や、恋の話、ニューヨークやバリやインドの話。佐世保の基地近くのバーでイージーな女と見くびられ、手厳しく反論して称賛されるエピソード。香水の話など。

自分の中にある下品さ、イージーさをなるべく小さくするよう努めたい。

0
2013年11月06日

Posted by ブクログ

「私のセイフティボックスの中味はパスポートでも、お財布でも、クレジットカードでもなく、私を取り巻く人間たちのような気がする」

そんな言葉に惹かれて購入。
山田詠美が奏でる文章は、基本的に好きみたい。

「お洒落や男の子のことばかり考えていて、そのこと以外に何のポリシーも持たない私である。」

なんてサラッと書いちゃうあたりも好きだ。
最近、本を全部読む事がなかった私が、気付けば1日で読み終わり、また本と向き合おうなんて気持ちにさせてもらった本。感謝。

0
2012年05月09日

Posted by ブクログ

山田詠美を薦められてたまたま本屋で目に留まったから買ったら、 小説が読みたかったのにエッセイだった!

エッセイ好きじゃないけど共感できるところが多々あった

気に入ったのは

梅雨で毎日じめじめしててやだなぁじゃなくて、
毎日雨でロマンチックだなぁ
って思えたら素敵なのに

っ感じのところ
そうだね、今日もじめじめしてベリーロマンチックだよ!

0
2011年03月14日

Posted by ブクログ

山田詠美のエッセイ。
私が日本大好きだからところどころ腹がたつ・・・
もろセックスアンドザシティの世界。

0
2009年10月04日

「小説」ランキング