感情タグBEST3
Posted by ブクログ
南極の昭和基地が舞台の、クローズド・サークル・ミステリー。
まず最初に、知人に何人か南極観測隊員として南極に行っていた人がいるので、人も資源も予備はあっても余剰のない南極で、これほど人が死んで物が破壊されるのはないなーと思いました。
欲に駆られようが証拠隠ぺいを図ろうが、自分の命を喪う可能性を自ら高めていく行為は、普通あり得ないよなー。
でも、それを別として見ると、面白かったです。
限られた人間関係の中で、誰が敵で誰が味方なのかわからない。
というか、主人公自身が、自分の立ち位置をわかっていない。
何があっても怪しいし、なにを言われても怪しい。
動けば動くほど何者かにからめとられていくような閉塞感が心地よい。
そして文章が読みやすいので、ぐいぐい読み進められる。
結末は、誰も幸せにならないような気がするのだけど、どうなんだろう。
Posted by ブクログ
舞台となる南極。カメラマンの矢島拓海は南極で亡くなった兄からの手紙をきっかけに南極越冬隊のカメラマンとして同行することになる。
南極の厳しい気候や環境の場面を想像する度に、日本の山に登る以上の過酷さを感じました。途中、主人公が殺人事件の容疑者となり逃亡者となる場面が登場しますが、これも寒さとの戦い。
血の繋がらないお兄さんだけど、身近な存在だったからこそ、赦せないし、忘れならない存在だったのだろうか。
読後感は女性の逞しさと、最後は怖さを感じました。
Posted by ブクログ
『兄の死の真相を知りたければ、南極に行け』
謎の電話に戸惑うカメラマンの矢島 拓海。
そして、3年前に死んだはずの義兄を名乗る南極からの絵葉書。
極寒の地・南極を舞台にした秘境ミステリー。
地下洞窟を舞台にした『カタコンベ』の作者による作品。
拓海を中心に、様々な事件が発生し、後半、事件の犯人との冤罪まで受けるが、やがて...
よく出来たストーリーですが、そこまでやるか?との動機の面で、やや疑問が残りました。
なお、南極の様々な描写はリアリティがあり、作者は本当に南極まで取材に行ったのかしら?と思わされました。
Posted by ブクログ
南極での事件。それほど思い詰めていた訳でもないのに、南極へ行くことになってしまった拓海。極限の地で起きる様々なことに翻弄され、それでも少しずつ明らかになる事実。
文章に所々固く感じた部分があったけど、極限の自然と人の欲のどちらが怖いか……考えてしまいました。
Posted by ブクログ
本屋大賞の発掘部門で注目されたということで購入。
南極を舞台にしたサスペンス。途中までは、兄の死の真相を軸に様々な事件が起きて、楽しませてくれますが、段々と真相に関わる人物が多くなってきて、複雑になりすぎている気がきました。
時間の経過が小説の中では長く経っているのに、読むとサラッとしていてあまり実感がわかないように感じました。
犯人の動機もそこまでする?と思うところがありますが、当時の南極のリアルな描写が描かれていて面白かったですし、南極ならではの犯罪が魅力的でした。
ミステリー小説としては、意外な展開になるということはなく、ちょっと物足りない印象でした。
サスペンスとしては面白かったが、昭和基地が不正や事件の温床のような印象を持たされてしまった。
登場人物が多過ぎて何度も戻りながら読まなくてはならなかった。電子ブックでなかったら、読みきれなかったかも。
Posted by ブクログ
数年前、南極大陸で亡くなった兄からからカメラマンの弟拓海の元にハガキが届く。
兄の死には謎が多く、越冬隊に参加した拓海の周りでも不自然なこと、殺人が次々起こり、それに振り回されながらも真相に近づいていく話。
ミステリーの内容は、それぞれの動機にあまり共感出来なかったが、南極までの航海の荒れ具合や南極に着いたあとの運営や居住事情など知ることができて興味深かった。
Posted by ブクログ
冒険小説のようだった。
最初はゆっくりと話が進み、途中から一気に展開が変わる。
最後は驚きました。まさか、あの人が関係していたなんて。
内容
2年前に死んだはずの兄から届いた手紙。事件の真相は、史上最大の密室・南極大陸に。他殺か事故か。死者からの手紙が、凍てつく大地を呼び覚ますーーカメラマンの矢島拓海のもとに届いた、一葉の絵はがき。差出人は、2年前に南極で死んだはずの兄だった。時を同じくして拓海に、越冬隊への密着撮影の仕事が舞い込んでくる。「死の真相を知りたければ南極に行くといい」。これは偶然なのか、それともあいつが……。冷たく広大な「密室」で、過去の事件が甦る。19年本屋大賞・超発掘本!
Posted by ブクログ
初神山。本大の発掘本。南極描写がとても良い。ここまで臨場感を出せるなんて、どれだけ資料を読み込んだんだ!!推薦者も言っているが、真夏に読むと涼むのではなかろうか。こうなると、デビュー作『カタコンベ』も気になりますね(^^) 星三つ半。
Posted by ブクログ
南極の描写がリアルでとても興味深い。基本富士山より高い標高というからそれだけで如何に厳しい世界か窺われる。
南極は隕石が豊富という話も面白い。
状況描写が上手いと思う一方、深掘りが足りないのか登場人物の区別があまりつかない。名前を聞いてもピンとこず、犯人が明かされても誰だっけ?状態…
兄弟の確執や越冬隊という限らた世界の狭い人間関係をテーマにした話だけに、人物描写の弱さに残念さを感じたかな。
Posted by ブクログ
南極での活動、描写はすごく引き込まれた。
でも所々、登場人物たちの言動にどこか不一致性が見えて、それが解消されないまま、結局自分勝手な人たちが自己満足的な手段に出ただけの物語だったのね…という残念感。
拓海の兄の嫁に関しては不快感だけしかない。
Posted by ブクログ
南極越冬隊に参加し不審な死を遂げた血のつながらない兄。3年後の越冬隊に参加要請が来たカメラマンの弟。そして参加した越冬隊では不審火が発生し、不穏な空気が流れる続ける・・・。兄の死は事故ではなかったのか・・・。
とても刺激的な展開の本で、兄弟の確執と情、越冬隊内部の歪んだ人間関係でどこから悪意の矢が飛んでくるか分からない展開が秀逸です。
誰が犯人か分からないという疑心暗鬼の中、南極という開けたクローズドサークルで追い詰められていく越冬隊員たち。読んでいる方も隊員皆が怪しく見えてきて、非常に面白いです。
人間ドラマを充実させようとして、わざとらしさが出てしまっている部分が感じられますが、それ以外は概ね好意的に読めました。
Posted by ブクログ
感情移入できる人とか好きになれる人とかがあんまりいなくて、作品に入り込めなかった。
キンキンと冷えた空気のなかでの息詰まるようなてんかい、を期待してたんだけど、原因が意外と俗っぽいし、
いやいや、そんな画像データとか確認するの基本じゃね?
なんも聞かず調べず問答無用で犯人扱いとか、
ナンジャソリャっとか思ってしまった。
英治さん、結局妻にも裏切られてたってこと?
耐えれんわー、
クレバスに身投げしたくなるわあー。
かわいそすぎる。
Posted by ブクログ
南極の越冬隊に加わったカメラマンが、2年前に行方不明になった兄について探るうち、新たな殺人事件に巻き込まれていく。
本屋大賞の超発掘本としてして再注目されたこの作品は、今から10年以上前に刊行されたもの。江戸川乱歩賞の『カタコンベ』は読んだ記憶があったので手に取ってみた。
舞台が南極という特殊性が生きていて、南極に取材に行ったのかと思うほど臨場感のある描写だが、人物やストーリー自体はありがちで、さらりと読める。
Posted by ブクログ
カメラマンの矢島拓海のもとに届いた一葉の絵はがき。差出人は二年前に南極で死んだはずの兄だった。時を同じくして、拓海に越冬隊への密着撮影の仕事が舞い込んでくる。「死の真相を知りたければ南極に行くといい」。これは偶然なのか、それともあいつが―。冷たく広大な“密室”で、過去の事件が甦る。
舞台が南極というのは興味深い。もっと冒険小説になるのかと思ったらそうでもなかった。残念。
本屋大賞の「超発掘本」に選出されての復刊のようだが、そうでもなかったら、出会うことはなかっただろうな。
Posted by ブクログ
氷に閉ざされた冬の南極基地で起こる殺人事件。いわゆる密室状態となった閉鎖空間での殺人事件です。
冬にぴったりだと思って読んだのですが、主人公含めてみんないやな奴で・・・弱ったなっぁ
Posted by ブクログ
7月-9。3.0点。
南極で死亡した兄から、ハガキが届く。
謎を調べるため、越冬隊に参加。
南極でも事件が。
着眼点は面白いが、サラッとした感じ。
兄に対する感情のもつれとか、
もっと早く記述があった方が良かった。