【感想・ネタバレ】クリスマス・キャロルのレビュー

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Posted by ブクログ

挿絵を見ながら、スクルージになり、過去、現在、未来を旅した。
最後の喜びは、今の現実の自分の喜びとなった。

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2024年02月17日

Posted by ブクログ

金貸しのスクルージ爺さんは、ケチで気難しく冷たい心の持ち主です。今日はクリスマスイブだというのに、たった一人の甥を追い返し、書紀のボブ・クラチェットを安い賃金でこき使っています。しかし家に帰ったスクルージの前に七年前に死んだ共同経営者のマーレイの亡霊が現れます。マーレイの亡霊は重い鎖をつけてスクルージに警告します。「この鎖は生前のわしが自分で作ったものじゃよ。お前もわしのようになりたくなければ心を改めよ」
そしてスクルージの前に三人のクリスマスの精霊が現れて、過去・現在・未来を見せます。
貧しくも希望のあった若い頃の楽しいクリスマス、金だけを信じて人の温もりを自ら投げ捨てたこと、自分が周りの人々にどのような酷い仕打ちをしたのか、そして人々は自分をどのように思っているのか。
自分の人生がどんなに冷たいものだったのか、自分が心を閉じずに人々と触れ合えば皆が楽しく良い人生が遅れるのに。スクルージは「わしが心を入れ替えれば、人々を助けることができて、わし自身も人間としての温もりを取り戻すことができるのだろう、まだ遅くはないはずだ。必ずわしは行いを改める」と決意するのでした。

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ディケンズーー!!おもしろいーー!!
始まりかたが<まず最初におことわりしておきますが、マーレイは死んでいました。そのことに疑いの余地はありません。マーレイを埋葬したことを証明する記録簿には牧師さんと教会書紀と葬儀屋と会葬者代表とのサインがきちんと揃っていました。会葬者代表としてサインしたのはスクルージでした。(…略…)つまり、マーレイ氏が死んだことは、ドアに打った飾り釘が死んでいるのと同じくらい確かなことだったのです。(P7)>などと長々しく念押しされたのには冒頭から笑ってしまいました。
このようなテーマは説教臭くなってしまうこともあるのですが、ユーモアと皮肉の混じり合いがとても良く、スクルージが改心して良かったと思えます。
出てくる人たちもいい人たちで、心からクリスマスを楽しみ、お互いを思いやっているので読んでいても気分がいいですね。

私は「クリスマスキャロル」の舞台を二種類見たことがあります。両方とも市村正親さん主演です。年末の気分向上にとても良いんですよ。
一つは一人芝居で、市村さんがスクルージはもちろん、ドアノブから女性の役もすべて演じきります。
もう一つはミュージカルで、これは再演のたびに年末の気分向上として3回位みにいきました。スクルージの甥と若い頃、甥の妻とスクルージが別れた女性の役をそれぞれ同じ俳優さんが演じて、大切なものを手放したスクルージと、大切に持っていた甥の姿として現れていました。また最初のクリスマスの精霊はスクルージの姉で(甥の母。しかし実際には妹ですよね?姉だと甥がなかなかの高年齢になってしまう…)、スクルージは大切な姉と会話を交わせたという描き方になっていました。

本も舞台でも、本当にいい気持ちになるお話です。
ではティム坊やの言葉を皆さんにも。
「神様のお恵みが、みーんなぜんぶにありますように!」

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2022年12月14日

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初めて読んだのは小学生のときで、ミッキーのクリスマスキャロルを観たのは保育園に通っていた時かな…。

簡単に言うと「人の親切を受け取らず、他人の不幸にも目を向けない人は、ひとりぼっちで不幸に死んでいくし、亡霊になった後も苦しむことになるんだぞ」という教訓めいた物語なのだが、子どもの頃の私の記憶からすると、これは「怖い物語」であった。
しかし、周りの友達や大人に聞くとそんな感想を言う人は誰もおらず、不思議に思っていた。
何故私だけがそんな感想を持っていたのか。
それはおそらく「死」というものが関係していると思う。

「幽霊」や「お墓」、「今は亡き共同経営者」など、この物語には数々の「死にまつわるキーワード」が出てくる。
ましてや、この物語は何者か分からない語り手から読者に語りかける方式をとっており、この物語に触れあうだけで、自分が死の国に引きずり込まれるような気になってくる。
そして、この「怖さ」が先行していたために、私はこの物語の真意を受け取ることができなかったのだと思う。

私自身想像力の足りない子だったなと思うが、本というものの受け取り方は人それぞれ。(開き直り)
一人くらい、私のような感想を持つ子どもがいても面白いかもしれない。
そのため、読書感想文や朗読会の題材としてはとても良いと思う。

現在の私は教訓も読み取れたし、スクルージが最終的には良い人になったことを喜ばしいと思う。
しかし、冒頭に出てきた、マーレイや他の苦しんでいた亡霊はどうなったのだろうか…。
今もクリスマスの時季になると苦しんでいるのだろうかと考えると、少し陰鬱になる。

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2015年01月27日

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クリスマスの浮き立つ気持ちと町並みと雰囲気と人々が
これ程幸せに描かれている物語は他に無い気がする。
料理の表現が本当に美味しそうで素晴らしい。
特に、クリスマスプティングの描写は、
ちょっと、すごいことになっている

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2015年01月28日

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冷酷な守銭奴スクルージが、神の慈悲によって改心し善人になる話。要約するとそれだけであり、そう聞いただけで脊髄反射的に読む気を失ってしまう人も多いだろう。まして作者の御都合主義ぶりは、翻訳者ですら認めている(というより、それがディケンズの一般的評価らしい)のだから尚更だ。

それでも私は敢えて高評価をつけたい。この作品の魅力は、ストーリーやプロットとは別の所にあると思うからだ。第一に、人間描写の妙。特に、大都会ロンドンの下町に生きる庶民の活写ぶりが秀逸だ(その光も闇も含めて)。次に、シニックでハイブロウなブリティッシュ・ジョーク。英国紳士は、たとえ読者が子供であっても手加減はしないようだ(「極めてむなしいもの」の比喩として「アメリカ合衆国の公債」を挙げるあたり)。

そして何より、クリスマスの情景の素敵なこと! キリスト教徒でないにも関わらず、この作品を読んだあと無性にローストチキンとクリスマスプディングが食べたくなったのは、絶対に私だけではないはずだ(イギリスのプディングとやらは実はあまり美味しくないという噂を聞いていてもだ)。このクリスマスの描写だけでも19世紀イギリスの風俗小説として読んでおく価値があると思う(ただし実際は順序が逆で、この作品の発表によってクリスマスを盛大に祝う習慣がイギリスに根付いたらしい)。

ディケンズの文章はやたらセンテンスが長くて読みにくいという印象があったのだが、岩波少年文庫の訳は平易で読みやすい。解説も充実しているので、子供だけでなく、大人のディケンズ入門としても手頃だと思われる。

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2017年12月03日

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懐かしさにかられて再読した。これで何度目だろう。
19世紀イギリスのクリスマスの情景がいきいきと描かれているだけでなく、貧しい人々にも目を向け、皆が幸せに暮らしていくにはどうしたらよいかを問いかける力強いストーリーには何度読んでも感動させられる。
登場人物の言葉を借りると、クリスマスは親切と、許しと、恵みと、喜びのとき。
温かいクリスマスを過ごすに必要な心の持ちようが、この作品の中にぎゅっと凝縮されていると思う。
まぎれもなく名作。

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2019年01月16日

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ちょっと想像と違った。
ストーリーはイマイチ好みではないけど独特の暖かみを感じる本。
場面がビジュアルとして想像しやすい。

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2009年12月25日

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すっごく良い本!12、3歳に初めて読んでめちゃくちゃ泣きました。主人公がかわいそうで泣いて、最後は感動して泣いて。活字の本って面白い!と思わされました。読ませるし、感動させるし、読み終えたあともすごく良い。これがそんな昔に書かれた話だとは!!と最近になって読み返して気づきました。(子どもの頃はあとがきとかは読んでいなかったので)子どもたちに是非読ませたい一冊。

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2009年10月04日

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子供の頃、クリスマスのプレゼントにねだってもらった一冊。何度も何度も読んだ。
結構不気味な話なのだが、子供ってこういうのが好きなのよね。

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2009年10月04日

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「クリスマス」というのはどういう役割を持ったイベントなのかということについて民衆に問い直させる作品。幽霊が登場するのは周知の事実だろうが、実はディケンズが生きたヴィクトリア朝の流行りには、「幽霊が登場する怪奇小説」というジャンルがあった。文学的にこの作品を分類するならば、「教訓物語」ではなく「怪奇小説」の部類なのかもしれない。

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2023年01月23日

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クリスマス・イブの夜、強欲な金貸しスクルージの元を訪れる三人の精霊。過去・現在・未来をスクルージに見せてくれ、スクルージは生きる喜びを思い出す。
クリスマスという季節の素晴らしさを呼び覚まさせてくれる佳作である。

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2019年01月09日

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 小学校の頃に父が読み聞かせてくれてから30年ほどして、今回自分の子供たちに読み聞かせるために初めて再読。この間、ディケンズの小説を読んだことはまったくなかったのですが、今回の僕の感想は「ディケンズすげー!!」でした。
 すごいと思う一つ目の理由はその想像力です。読み始めてすぐに感じた率直な感想は「これはハリーポッターじゃないか!」ということでした。JKローリングが影響を受けていたのでしょうか。ググってみたところハリーポッター自体よりもその後に彼女が書いた小説について、ローリングをディケンズの後継者だとみなす記事があるようですが、僕はハリーポッターしか読んでいないのでハリーポッター・シリーズそのものに類似点があるというところを指摘したいです。まずクリスマスキャロルで幽霊に連れられて過去を見に行くところはハリーポッターが Pensieveを使って過去を見に行く場面と状況が似ています。しかもその際の場面転換で景色が溶けていく描写などはまったく類似しており、まるで現代の映画でのCG表現を文字にしたようです。幽霊たちの外見もハリーポッターに現れる幽霊や Dementer に似ているようだし、鎖やロウソクなどの小物の使い方も似ているように思います。まったくSFXが存在しなかった時代にこのようなものを想像することができたディケンズはすごい!
 次にすごいと思う理由はストーリーです。生命の危険を伴うような極限的な体験をした主人公が、これまで気づいていなかった生の実感に目覚め、物事を捉え直し、感謝を感じ、周囲の人に対し心を開き、人生を変えた。そしてそのような体験談を視聴者とシェアすることで、視聴者にも同じような意識を持ってもらいたい、というメッセージ性。これは、まさにTED Talksの一つのパターンではないでしょうか。これが現代に本当に起きた物語だったら、スクルージはTED Talksに登壇してスライドを使って3人の幽霊について語り、スタンディングオベーションを受けているでしょう。今なお価値を高く認められるストーリーだと言えると思います。
 描写も素敵です。クリスマスのロンドンの描写も非常に活き活きとしていて楽しくなります。これが意外にも、解説によれば当時のロンドンではクリスマスの風習が衰えており、ディケンズの創作だというのだからますます驚きです。文体は適度に華美にレトリックが効いています。トム・ソーヤのマーク・トゥウェインほどやりすぎではありません。
 子供たちは最初のマーレイの幽霊で怯えていましたが、恐ろしいのは序盤だけなのですね。一人目の「過去のクリスマスの幽霊」が登場してしまうと、むしろ展開が(スクルージの転向が)早すぎて物足りなかったような気すら僕はしました。子供たちはその恐ろしい部分を越してからは(未来の幽霊の一部を除き)リラックスして楽しみながら教訓を吸収していました。娘は、本の表紙に使われた挿絵が本の主題とあまり関係がないと不満を述べていました。それは僕もまあそう思います。

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2014年01月03日

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不朽の名作。これを読んでわかりますが、19世紀なんかは、労働時間が短くて良いなって思いました。スクルージじいさんの、人生が変わるほどの経験を、読みながら読者もするわけです。

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2011年07月11日

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何となく話の筋は知っていましたが、ちゃんと読むのは初めてでした。大人の視点から読むと実に怖い話ですね。しかしやり直すことはいつからでも出来るとも言われているような気にもなります。また19世紀イギリスのクリスマスの様式も細かく描写されていて興味深いです。クリスマスという風習を復興させる切っ掛けとなった作品だと解説に書かれていましたが、これを読めばクリスマスを祝いたくなるのも判りますね。

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2019年01月16日

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『クリスマス・カロル』(ディケンズ、村岡花子訳、1952年、新潮文庫)

世間から嫌われた老人がクリスマスに起こった不思議な体験によって変わっていく様子を描いた、イギリスの文豪・ディケンズの名著です。
変わっていくというよりは、昔の自分に戻っていくといったほうが正確かもしれません。

歳を重ねるとともに、失ってしまう昔の美しい思い出。
昔とは変わり果てた自分…。
昔の思い出を大切にしなければと思わせられる一冊です。

(2009年1月3日)

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2009年10月07日

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ネタバレ

キリスト教の隣人愛、自分の周りの人に親切にすることを大切にする教えを改めて教えてくれる本だった。この本が書かれたときは、イギリスの産業革命や宗教改革でクリスマスの行事が下火になっていたときだった。こな本で改めてクリスマスを大事にして、キリスト教の教えを大事にすることを思い出したんだろうな。
幽霊が過去、現在、未来のスクルージを見せて、クリスマスの大事さ、楽しさを思い出させ、頑固で不親切なままだとこんな悲惨な未来が待っているよと伝えるのは分かりやすかった。けれども、表現が固くて中々読み進めるのが難しかったな。日本以外の文化や習慣は、背景や前提を知らないからすっと頭に入ってこない。けれども、少しづつ知っていければいいなと思う。

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2021年12月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔読んだけど、内容があまり覚えていなかったので読んだ。

随所にみられる文学独特の表現が、クリスマスの心躍る雰囲気を醸し出すのによく貢献している。
内容は、王道を行くスタイルで教育的であったといえる。

大人の視点で読み返してみると、どうしてもバッドエンド版を読みたくなってしまうw。

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2014年01月02日

Posted by ブクログ

あのディケンズの名作の1つが岩波少年文庫に収録されているのは嬉しい限りです。  大作が多い中でディケンズ作品の入り口としてはまずまず・・・・なんじゃないでしょうか??

もっとも、KiKi の子供時代ならいざ知らず、現代の日本の子供たちがこの「キリスト教的説教臭さ」を受け入れてくれるのかどうか・・・・はちょっと疑問かもしれません。  特に過去の幽霊が見せてくれたあの「スクルージ少年」がどうして今の「スクルージさん」になってしまったのかは詳らかにはされていないし、いかに自分の葬式シーンを見せつけられたからと言って、それをきっかけにいきなり「いい人」になってしまうという転換はちょっと時代がかっている・・・・と言えなくもないような気がします。

でも逆に言えばこの本の面白さはそんな「時代がかった」ところにあるのかもしれません。    ディケンズが生きた時代のイギリス、そしてその延長線上にある今の私たちの生き様に想いを馳せた時、初めてこの作品が描いているある種の「我欲」みたいなものを振り返ることができる・・・・そんな作品だと思います。  いかにもヴィクトリア朝の作家の作品だなぁと感じるのは、「クリスマス」というイベントをこれでもかっていうぐらい神聖視しているところではないでしょうか??  もちろんクリスチャンにとって「クリスマス」というのは特別なイベントであるのは間違いないことだけど、あのヴィクトリア女王のメディア政策がこんなところにも影響を及ぼしているんだなぁ・・・・と感じ入ることしきりです。

(全文はブログにて)

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2011年12月14日

Posted by ブクログ

クリスマスを題材にしたとても有名な古典。大人になって初めて小説としてよんだ。お金は幸せになるための必要条件かもしれないが十分条件ではない。そして、ロンドンでその時代に生活していた人々が生き生きと描き出されている。一度は読んでみたい古典ではある。

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2011年02月20日

Posted by ブクログ

 クリスマス。
 クリスマス関係で一番有名な小説は、これに尽きる。

 翻訳はたくさんある。それでもやっぱりは、児童用が入口だろう。ということで、児童用の表紙。ディケンズの時代は、どうだったのかな?子供を中心に読まれたのか、大人なのであろうか。興味深い。

 子供用のかわいらしい小説だと思い込んでいたので、私自身が子供時分だったくせに、けっ、こんなもん読めるかとばかりに手を伸ばさなかった。初めて読んだのは、高校の頃だったか。

 学生時代に、どういう経緯かはよく覚えていないが、映画化されたものをLD(レーザーディスク)で観た。ん?久し振りに、LDなんて言葉を聞いたぞ。もう死語だな。そんなもんないだろう。まぁ、DVDの先祖みたいなもんか。

 それで、何となく懐かしくなって、また小説で読む。

 そして最近。例の古典的名作の新訳もの。二年ほど前に新訳で出たようだ。買って読もうとまではしなかったが、食指は動いた。このクリスマスの時期は、読んでみてもよい。

 子供用としては、道徳教材として、大人用としては、身につまされる身近な話として。

 と、まぁ、そんなことはどうでもいい。

 今晩。
 近所のケーキ屋さんでケーキをお願いして、今晩は、家族で家で食事。広貴と真由子と一緒にいられることが、私にとって一番のクリスマスプレゼントだ。この子たちを守っていくことこそが、私の仕事だ。

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2010年09月30日

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