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Posted by ブクログ
三国志において、後漢の衰亡に抗った人々の生き様を描く7つの短編集。
時期としては、三国志の中でも、献帝が曹操の手中におさまる以前(つまり魏呉蜀の三つ巴が始まる前の時期)を中心にしている。
何進や朱儁、皇甫嵩など、三国志を読めば必ず目にする脇役たちが、ひとりひとり美点もあれば欠点もある人間として生き生きと描かれていて面白い。
最後に収められた短編は「荀彧」であり、他の作品とは時期がずれている。しかし、読んでいくとどうやら、荀彧を単に曹操の臣でなく、献帝をも支えた「陰徳の人」として描くことで、あくまで後漢の臣と捉え『三国志名臣列伝 後漢篇』に収めたということのように思われて興味深い。
また、荀彧が死に際し、空の器を曹操に与えられた、という謎掛けのような故事について「空の器を王朝であるとみれば、あなたはそれをかかえて死ぬがよい、といったともとれる」と読み解いていたことも、荀彧を後漢の臣と規定するならば、確かに納得できる暗喩だと思わされた。
短編ながらそれぞれ読み応えがあり、また宮城谷三国志を一から読み直したくなる。
Posted by ブクログ
後漢の忠臣たちから見る三国志時代は、また違う景色が見えます。
後漢末期、王朝のために立ち向かった7人の忠臣たちのお話。
その忠臣の荀彧や孔融や漢王朝最後の皇帝の献帝たちがでてくる「三国志 Secret of Three Kingdoms 」という漢王朝と曹操をめぐる中国ドラマをちょうど見終わったあとだったので、さらに彼らの生き方をや時代を知ることができておもしろかったです。
私は吉川英治さんの「三国志」しか読んだことがないので、宮城谷昌光さんの「三国志」も読んでみたいし、後漢・魏・呉・蜀それぞれの視点から見える三国時代も比べて見てみたいなと思います。