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聡明な方による冷静な太宰分析。妻だからこそ語れる生活の風景などが詳細に語られていて、非常に面白かったです!文豪仲間からみる太宰治の姿と、妻からみた太宰治の姿はまた随分と違って見えるなと思いました。
─怖ろしいから与えるので、欲しがっているのがわかっているのに、与えないと仕返しが怖ろしい。これは他への愛情ではない。エゴイズムである。彼の後の人間関係をみると、やはり「仔犬に卵」式のように思われる。がさて「愛」とはと、突き詰めて考えると太宰が極端なだけで、本質的にはみなそんなもののようにも思われてくる(本文より引用)
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妻・美知子さんが書く太宰のこと、生活のこと、故郷のこと。ポツリポツリと思い出し書きしている感じが目の前で話を聞いてるようで良かった。
美知子さんは太宰の才能に心底惚れていたんだなぁ。
夫を手伝うことに誇りを持っていたように思う。
逡巡した題が"惜別"と決まるところ、美知子さんが"人間失格"の四文字を初めて目にするところは痺れた。
女っぽさを持ち合わせた太宰に対して彼女はとても男性的かと思う。文の端々にバッサリと太宰を斬るような表現があって面白かった。雪の中7キロも歩いたり(当時はそんなの大したことなかったのかもしれないけれど…でも太宰は呆れてたね笑)、2人の往復書簡を"お守りにしよう"と紅白の紐で結んだもの…うわー!太宰ってやっぱキザー!と鳥肌立つそれをイライラしてる時に思わず燃やしちゃったとか笑
とてもサッパリしている人で好感が持てる。
とても相性の良い、仲の良いご夫婦だったんだと思う。美知子さんの器の大きさの上に成り立ってはいるものの、2人のバランスが良い。太宰が亡くならなければ何だかんだおしどり夫婦として添い遂げていたんだろう。
太宰の死後、"もう一字も新しく原稿用紙に書かれた字を読むことはできない"と思いながら原稿整理をする場面にホロリとした。
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端正かつ冷静な筆致で綴られる太宰の妻、美知子夫人のエッセイ。美知子夫人はお茶大を出て地理の教師をしていたくらいだし、非常に聡明な女性だと思う。太宰の盟友たちが書いた回想録はどこか太宰を甘やかしてるような印象があったのだが、さすが寝食を共にした妻。容赦がない。税金の話も細かく書いていてすごい。それでいて不思議と所帯染みていないのだ。甘えん坊で生活力がなく泣き虫の太宰の姿がここにはある。そんな夫でも美知子夫人はお姉さんのように世話を焼いて情を感じていたのだなあ。どの太宰エッセイよりもリアリティを感じた。
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久々にめちゃくちゃ面白い本に出会いました。
生活人としての太宰治がここに。
本当にダメなどうしようもないへっぽこ!
でも奥さんが本当に愛してたんだなということがよく伝わってくる。
太宰に夢も見ず、彼よりも冷静で。
でも、太宰を尊敬して、大切にしていた、美知子さん。
あっぱれ素敵な女だ。
伊藤緋沙子さんの解説がまた面白い。
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半分くらい、妻の愚痴。
残り半分は、考証に値する分析。
かなり主観的に書いてると思います。
他の太宰本色々と照らし合わせると、そう思ってしまいます。
でも、一番身近にいた妻の話ですし、こっちを信じるべきかなぁ・・・
よくわからない。
とかまぁでも太宰の理解のためには必須の本です。
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太宰治の奥様、津島美知子さんの回想。
10年間の短い夫婦だったけど、太宰を支え子育てをし才女だった事が伺える。
生前の太宰の事は、詳しく記載されている。
ただ、太宰没後の生活はどうだったのかが記されて無く残念だ。
'13.01.25読書完了
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太宰が死ぬ前の10年を配偶者として過ごした人の書いたものを集めた本。すごいどっしりとした感じの文章を書く人だなぁ、というのが一番の印象。夫が死のうが何だろうが、決して揺らがない盤石さと言うか冷静さというか。心中しちゃった山崎富江さんの日記もずいぶん前に読んだけれど、あの人はもっと、この先どうやって生きていこうかって悩んでる感じだったのと対照的。
太宰が実家のことを自慢に思っていたこととか、終戦前後に一家で疎開している間のことを割と楽しんでいたらしいこととか(もっと肩身の狭い思いをしてたのかと思ってた)、太宰は人を待たせるのが嫌いで原稿を落としたことがなかったとか、意外な話も色々と。
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又吉が言っていたように、「侘しい」のくだりはなんともいい。『黄金風景』『続富嶽百景』『女生徒』は夫人の口頭筆記。太宰は豆腐が好き。多分安いから。犬が嫌い。三鷹の家も空襲にあう。『お伽草子』は甲府に疎開中に書いていましたか。
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太宰の奥さんが書いた回想記。太宰の様子が克明に記録されており、面白いです。太宰の作品を、理解する手助けになるでしょう。
個人的には、死の直前の様子などがもう少し具体的に記載されていると、より興味深い感じがしました。