感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この作者は西洋画のイコンの話も書いてるし、こういうジャンルがとくいなのかな。
頼めばなんでも額装してくれる額装師、奥野夏樹。
彼女はいかにして額装師になったのか。
登場人物の関係が複雑に絡み合って、少しずつ解けていく感じがとてもよかった。
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記憶の片隅に 追いやり 閉じ込めた 負の感情。
もがき苦しむ事から 逃れられても 心の奥底に
燻り続ける思い。
目を背けず 対峙する事で 額縁は その魂を 昇華へと導く。
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装丁に惹かれて「額装師」という言葉を知らないまま読み始めました。
額装=絵画というイメージしかなかったので、絵画以外のものでも何でも額装出来てしまう夏樹の魅力にいつの間にか惹き込まれていました。
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婚約者の死に関わりのある男に対する昏い思いを抱きつつ、持ち込まれる依頼に応えて額縁制作に没頭する。そんな緊張感をはらみつつ優しさにも満ちた物語です。
額装という仕事も興味深い。決して主役にはなってはいけないけど、存在感がなさすぎてもいけない。塩梅の難しそうなお仕事です。
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『額を紡ぐひと』を改題し、文庫化された本。
額装することで昇華する、気持ちにケリをつけ、自分だけのものでなくなって初めて客観的に見ることが出来る。
改題しない方が良かったのでは?
文庫は表紙もラノベっぽい仕上がりで少し残念…谷さんのライトノベルは面白く、優しい視点で描く世界観が素敵だけれど大人向けにももっと書いて欲しいと思う。
Posted by ブクログ
大切な人を亡くしたこと、仕事を変えたこと、重なる部分が多くて、はっとする。
心残りを整理して、きっぱりスタートできたら、どんなにいいことだろう。
そして、私もこんな風に自分の心の奥底を暴かれたい、そんな風に思った。
Posted by ブクログ
連作集。
細やかで繊細な人の心の揺れ動きを各話で描きつつ、全編で主人公が抱えていた想いを昇華させてゆく過程が描かれています。
終盤に急に出てきた登場人物が、主人公とその婚約者を取り巻いていた状況をがらりと変えてしまったので驚きました。かなり重要な人物のように思えたのですが、あまり深く触れられなかったのは主人公がそこから抜け出しかけていたからなのかな…。
それぞれの依頼人の変わった注文が、その人が抱えている問題へ帰結していくストーリーは読んでいて心地好かったです。
Posted by ブクログ
額を作るってとてもシンプルなことだと思っていたが、額は単に写真や絵を収めるためのものではないということに吃驚した。
このお話は、夏樹の依頼人の心の秘密を明らかにしていく…と言う点で、ほんの少しだが少しミステリー要素があると思った。もちろん、その依頼人の秘密に迫るところもこの本の読みどころではあるが、個人的に、依頼人の複雑な想いに添って夏樹がどんな額を手がけるのかが気になった。
Posted by ブクログ
本屋でぶらぶらしてるときに額装師という単語が目について、買った本。
宿り木と小鳥の話が好きだな。
額は何かを封じ込める、時を止めるもののような表現をされていてなんだかかっこいいなと思った。
額を作る奥野の取り組み方がいいなとおもった。人の内面に踏み込むなんて、踏み込む物も踏み込まれる方も怖い感じがする、でも安心することもあるんだろうな。
Posted by ブクログ
「額を紡ぐひと」を文庫化した作品。
額装師という言葉はほぼ初めて聞いたのですが、ただ絵の枠組を作るのではなく、その絵を引き立たせる「脇役」のような存在ということで、今度からは絵だけでなく、額にも注目しようと思いました。
主人公は額装師の奥野夏樹。男性のような名前ですが、女性です。バスの転落事故により、婚約者を喪くし、意志を継いで、額装師になりました。小さな工房には、様々な依頼者が。ただ、額を作るのではなく、依頼者の背景となる過去や家、どんな絵に収めるのか色々なことを聞いたりします。
全5編の連作短編集です。
ただ、額装師という職業の魅力を伝えるよりも三人の過去に重点を置いている印象で、もう少し魅力が伝わって欲しかったなと思いました。
三人の過去が、まぁ重い事情を抱えているのですが、言葉の選び方が優しいためか、あまり重い気持ちにはなリませんでした。オブラートのような優しく包み込むような雰囲気にさせてくれるので、温かみがありました。
また、依頼者は奇妙な依頼が多いのですが、主人公の推理がちょっと無理矢理感があるかなと思いましたし、果たしてその推理があっているのか?〇〇なのでは?といったモヤっと感で終わるので、消化不良かなと思いました。
次作があるならば、今度は額装師としての魅力を前面に引き出していただきたいなと思いました。