【感想・ネタバレ】AI時代に生きる数学力の鍛え方―思考力を高める学びとはのレビュー

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Posted by ブクログ

これからの時代、数学はとにかく大事だよ、ということを只管訴え続ける本。
2019年3月に文科省と経産省が発表したレポートに「第4次産業革命」が現在進行しており、そのために欠かせないのは科学が3つあり、『第1に数学、第2に数学、そして第3に数学である』と述べられているそうです。
数学は将来役に立たないと言われたり、そう思っている人も確かに多いですが、本書では、それは役に立てられるような学びをして来なかった人であるとのこと。いや、むしろ、役に立てられるような教育を受けられなかった被害者という位置づけが語られます。とにかく、前半はゆとり教育への攻撃は辛辣ですが、納得のいく主張です。
ただテストの点数を取れればいいという「暗記数学」をやり玉にしています。
数学のいくつかは確かに暗記する公式などはありますが、公式や定理を暗記し、問題を解き、そのあと公式の証明を学ぶのはむしろ適切な学びであり、問題なのは「解法と答えのみ覚えること」であることです。
指摘で面白かったのは、「分かりやすい」というのは二つの意味があって、一つは「理解しやすい」ということと「暗記しやすい・覚えやすい」の二つがあり、理解を促すために、丁寧に長い文章で説明する数学の解説に対し「回りくどい、説明が長い」という頓珍漢な指摘をする人がいるそうな。簡単に覚えられて、パパっととある問題が解けるようになることと、数学ができるようになることは違うということがよくわかりました。
例えば、自分は、いわゆる純粋な数学のテストを受けることはないが、子供が数学できるようにうまく誘導するため、人間とAIの決定的な違いである思考力を育めるようにするにはどうすべきか、といった観点で読むと面白いと思います。
個人的には、ヘロン公式の証明の数式と図入りの解説がとてもグッドでした。

なんとなく、中学受験をさせたいお子さんをお持ちの理系のお父さんが読むと、学校選びの基準(どんな教育方針なのかを判断する)にもいいのでは!?とも感じました。

その他、いい言葉だなと思った点。
・1965年のノーベル賞学者 朝永振一郎の言葉「不思議だと思うこと、これが科学の芽です」
・将棋の藤井聡太二冠の言葉「今は対決の時代を超えて、人間とAIは共存時代に入ったのかなと面ます」

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2021年06月05日

Posted by ブクログ

数学教育に携わる者として読まねば、と。具体例も豊富で、わかりやすかった。根本理解の大切さ、理解したときの学習者の喜び、大事だよねー

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2021年03月20日

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