【感想・ネタバレ】鵜頭川村事件のレビュー

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亡き妻の墓参りのため、妻の故郷の鵜頭川村にやってきた岩森とその娘。鵜頭川村は昔ながらの慣習を残す田舎の村。男尊女卑など当たり前。村の権力は矢萩吉朗を代表とする矢萩家に握られている。余所者はいじめられる、と言った村だった。そこで急な豪雨にみまわれ村は孤立する。そこに若者の死体が発見された。殺したのは矢萩家の乱暴者大助か?そして若者を中心に自警団が結成される。リーダーは皆の憧れだった矢萩工業で働く降谷辰樹。岩森親子はそんな暴動と狂乱に陥った村でどうするのか?櫛木さんらしい血と恐怖の戦慄のパニックサスペンス。

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2023年10月25日

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「死刑にいたる病」がおもしろかったので、こちらも読んでみました。
設定がちょっと「八つ墓村」チックで私は好きです(^^)
昔からの風習に囚われている村だったり、度を越した乱暴者がいるというあたり。
違うのはこちらは集団心理の恐ろしさ、みたいなものに焦点を当てている点。
日頃の不満を押し殺している人たちが集団になると、変な方向にうっぷんが爆発してしまうことの恐ろしさが感じられます。
「死刑にいたる病」にも姑に押さえつけられていた主婦がパン屋の助言(と言っていいのか?)から、姑に強い態度をとれるようになった、というエピソードがありましたが、本作と共有点だな、と感じました。
一気に読める勢いのある小説です。
イヤミスが嫌いじゃない人にはお勧めです(^^)

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2022年07月17日

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ネタバレ

昭和50年代の閉ざされた村のお話。
閉ざされた村が、更に水害によって物理的にも閉ざされ、普段不遇にされている者たちが、報復に出る。 人間の怖さ、群れになると残忍さ、自己が無くなる心理描写がよく書かれている。
また、学生運動の一片も出てきて、どんなものかよく知らなかったけれど、雰囲気が伝わってきた。
熱に浮かされ、半ばカルト的な雰囲気だった。

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2024年05月01日

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 キャラ重視のホラー小説「ホーンテッド・キャンパス」があまり合わなかったが、筆致から作者は相当本を読んでいて実力があるのではないかと感じ、諦めずに本書にも手を伸ばしてみた。
 結果、大正解。この作品に出会えて良かった。やはり櫛木さんはすごい。

山奥の寒村で起こる豪雨による土砂崩れ災害、それに伴う停電や断水、殺人事件、対立する村人達。

僻地の村人の描写がすごい。
それぞれの住民が屋号を持っているというのがリアリティがあって良かった。自身も田舎育ちのため、村に一軒の魚屋の娘は「魚屋のひろみちゃん」と呼ばれるし、
和菓子屋があれば「饅頭屋の茂くん」などというように〇〇の誰それと読んでいたことを思い出した。
その中には本書に出てくるように「後妻さんの⚫️さん」や「40過ぎても跡取り息子の⚫️⚫️」などと
陰口のようなものもあったのも事実。これが田舎の生活にリアリティを与え、村という閉鎖的な社会の厭さを引き立てていると感じた。

一旦引く描写がすごい。
各章の文頭には「鵜頭川村事件」の新聞記事やウィキ記事からの引用という形で、事件を第三者に説明するような文章が配置されている。
どんなに主人公達がいる村で人々が苦しんで、状況が煮詰まっていようと、新聞の記事からは温度は感じられない。
ただ、死傷者が何人で重軽傷者、行方不明者が何人という機械的なアナウンスがあるのみである。
その温度差が、今まさに村内にいる主人公に感情移入している読者からすると、背筋が寒くなるようなゾッとする感覚を覚える。
あらためて、当事者しかこの恐怖や惨たらしさはわからないんだと思い起こされる。

テーマがすごい。
最初は「悪い子にはエイキチが来るよ…」というその地方の民話の記述があったので、妖怪か心霊モノかと期待して読んだ。
しかし、蓋を開けてみるとそんなものよりもやはり生きている人間の方がよほど残酷だった。
本書には⚫️を食いちぎったり、斧で叩き割ったりという恐ろしい描写もたくさんあったが、それより何よりも「見てみぬふり」を
する人間達の浅ましさが恐ろしや。
有名な「浅間山荘事件」より手前に同士殺害という悲劇が起こった「山岳ベース事件」を元にしているように感じたが、
本当にこれは恐ろしい事件だった。
本書を読むことで、どうしてこんなに恐ろしい事件が起こることになったのか……新聞や資料では読み解けなかった犯罪へのプロセスが
明らかになっていくというのがものすごく興味深く読んだ。

やや残念な点としては、犯人の動機が少しやっつけ感が否めなかった。
また、今回はホラーに見せかけたサスペンスだったので次回はぜひホラーを読みたい。

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2024年01月12日

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怖かった。
娘を守らなければという必死の親心。
村に染み着いた陰湿な空気。
ゆるやかに異変が始まり、急速に事態が悪化していく様子は、こちらの心もかき乱していった。
人がおかしくなっていく描写がうますぎる。

決して明るい物語ではないし、神経もすり減るのに続きをどんどん読みたくなる。
櫛木ワールドの魅力である。

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2023年10月12日

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丁寧な描写に前半進まないなぁと感じつつも、次第に不穏になっていく様子と後半の爆発力から一気読み。違和感も伏線として回収され、ミステリとしても楽しめた一冊。

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2023年06月25日

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終盤にかけての畳み掛けるような展開と、まさかの結末に驚嘆しました。
人間の極限の状態に陥った時の、本性とか醜さとかが生々しく表現されていて、鳥肌が立つ。
日本のどこかで本当に起こっていそうな事件。

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2023年04月22日

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ネタバレ

昭和の時代が舞台なのと閉鎖的な村のドロドロ感が、昔本当にこんな事件が起きたんじゃないかと思えるくらい面白かった。
最後の方は展開が同時進行でひっ迫していき、先が気になって一気に読んでしまった。

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2023年04月17日

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クローズドサークルモノであり、昭和54年の話と言うのがとてもよいエッセンスだったように思う。一気に読み終えるほど読みやすく没入できた。犯人に繋がる最後の山場も程よくて良い。

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2023年03月30日

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閉鎖された空間での人の汚さや苦しみが読み取れました。対岸の火事のように読み進めたけど無きにしも非ずなのかなぁ。

櫛木理宇さんの本はどんどん読めてしまう事に気づいた!好きなんだ!

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2023年01月13日

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パニック小説として楽しめた。ちょっと最後はエスカレートしすぎだが、人間の狂気なんてこんなものだろう。

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2022年07月31日

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亡き妻の墓参りに鵜頭川村を訪れた岩村明と娘。
その夜から豪雨にみまわれ、この村が土砂崩れで孤立してしまう。
その日に若者が何者かに刺されて死亡しているのが見つかり…。
若者中心で自警団が結成される。
当初は、混乱による窃盗や暴行の防止目的だったが、やがて内乱へと発展する。

昭和54年の話であり、人口9百人の村。

現代では、少なくなった過疎地域での暴動であり、血族であるがゆえのひずみが描かれている。

若者たちの暴動の内側には幾つもの思いがあったのでは…。

望んだ子。望まれぬ子。偏った愛情。与えられぬ愛情。家のため。己の老後のため。見栄のため。
そのひずみが、次代へと繋がる悲劇を生んでいく。

このことばがすべてだろうと思った。

自身の田舎もこれほどの過疎ではないが、しがらみや決め事やそれに関わる煩わしさがたくさんあった。
それを思いだした。

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2022年01月12日

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パニックものということで、てっきり呪いとか殺人鬼とか感染とかだろうと思っていたら、集団心理の狂気だった。時代設定がちょっと昔なだけで特殊な環境は何もなく、それがゆえに生々しさがすごい。wowowでドラマ化が決定したらしい。攻めてるな。wowow。

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2021年05月26日

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ネタバレ

災害という緊急事態、そして物理的に閉ざされた田舎の村となると、遅かれ早かれパワーバランスは崩壊したと思う。
こういう時に物を言うのは、普段の地位より人数と災害時に役立つ物資を持っている側だ。
しかも今回は、このパワーバランスの崩壊を先導した者がいた。

この先導した者の意図というか動機が全く見えてこなくてもやもやした。
先陣を切っているようで、その実ひどく冷めた目で現状を見ている。
崩壊はさせたいが、本気に思っていないような。
彼のスタンスが読めなくて、大いに戸惑った。
他のキャラが割と分かりやすいのと、彼の狙いは最後の最後にならないと出てこないので、余計に。
まあ明かされた真実を思えば、確かに投げやりにもなるだろうし、村を抜け出したくなる気持ちも分からないではない。

村とはいえ、あれだけの人数を出しておきながら個性豊かに書ききっているのは本当に凄いと思う。
それぞれ主役の視点があるが、全編通しての主人公にこの村とそれなりには関わっているが村出身者ではない余所者、でも自身も別の村で生まれ育ち、そして都会暮らしも知っている大人にしたのは、解説にもあったがいい塩梅だったとも思う。
村の中からの視点も、外からの(第三者的な冷めた)視点も彼なら両方書ける。

これだけの事件を起こしておいて、実は学生運動を模倣しているところがあり、その学生運動自体もこの作品中の時間軸においては10年近く前の過去の産物という。
あれだけ村人の間で盛り上がったのに、都会から見ると時代遅れのことで殺人事件にまで発展しているのが、何とも哀しい。

この物語は前述通り、あれだけキャラを出して見事に書き分けているにも関わらず、「事件」を主体にしているためか、この物語にエピローグ的な話はない。
その後、それぞれのキャラがどうなったのか、キャラ視点での後日談が一切ない。
最初読んだときは、ぶつっと話を切られた感じがして戸惑ったが、今にして思うと、村に直接関わりのない第三者である読者が知ることができるのは、実際はここまでだろうなと、そう思わされた。
Wikipediaの引用文(というていの)文章が挿入されるだけという簡素な終わりである。
多分、あの後で後日談を入れても完全なる蛇足だろう。
部外者たる自分たちは、そこまで踏み込むべきではない。
事件の中身をこれだけ知ることができただけでも、ありがたいと思わねば。

ただ個人的にはピアノさんがどうなったのかだけは、ちゃんと知りたかった無念も。
助かったはずだが、あの後も村にはいられたのだろうか。
心配である。

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2021年02月23日

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ジャンルがホラーだったら幽霊的な話かと思ってたら人間の恐さの方だった。クローズドサークルだしミステリ要素もなくはないけど、それよりも狂っていく人間の話だった。

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2021年02月21日

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昭和初期。僻地も僻地、ある日水害で隔離されてから物語は進む。
一番怖いのは、昔ながらの風習というか派閥というかそういう方向。
「あいつん家は〇〇だから」っていう理由であんな結末になるとは…。

令和に読んでも読める本。平成生まれでもね。

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2021年02月10日

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古くからの序列に縛られているある村に大雨が降る。
土砂崩れが起き、孤立してしまう鵜頭川村。
電気もストップし食料も段々と少なくなる中、
村の若者たちのモヤモヤした気持ちに火を付ける人物が。

若者たちの行き場のないエネルギーが暴力へと変わっていくシーンが本当に恐ろしかった。
後に冷静になった時、彼等は何を思うのか。

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2021年02月06日

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ネタバレ

村がどんどん狂気的になっていくパニック系で面白かった。この方は人間の心に生まれた闇が少しづつ育っていく様を表現するのがすごく上手い。森で隠れながら逃げている時には私も登場人物たちの最後尾にいる気持ちでドキドキした。
途中まですごく面白かったので終わりだけもう少し丁寧だともっと良かったなー。少し物足りない感じがした。

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2024年05月02日

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ネタバレ

例え、田舎でなくても孤立する状況が
生まれた時に、人の中に「エイキチ」は
出現するのでしょう。
あぁ本当にヒトが一番怖い。


村の陰湿で閉鎖的、根強い男尊女卑
村民の詳細が長々と描かれる理由が
後に判明していくけれど
犯行動機にもう少しインパクト欲しかったかなぁ。

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2024年02月13日

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ど田舎の村を襲った集中豪雨と、その最中に起きた内乱の話。
最後らへんはほとんどバトル物だった。辰樹と敦人の関係が捩れまくってて良すぎた。

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2023年11月01日

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村の閉鎖性に異物が入る事でかき乱されて行く現実。重苦しい描写ではあるが、どことなく少し離れた感じがする。

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2023年10月14日

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雰囲気がどことなく小野不由美さんの「屍鬼」に似ている。もっとも小野さんのはホラー小説、こちらはクローズドサークルのサスペンスだが。

物語の展開が少し安易な気もするが、日本人のメンタリティの中に、物語で語られている嫌な部分というのはまだまだ根強くあるような気がする。

救いのない物語ではあるのだが、愛子の健気さと港人の真っ直ぐさは心に残る。事件終結後の村の様子をもう少し書き込んでほしかった。

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2023年07月24日

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豪雨による土砂災害で孤立した鵜頭川村。
男尊女卑で、一族間の格差甚だしい閉鎖的な村落が、日に日に不穏な気配で満たされていく。中心には、日頃虐げられてきた者たち。父親に、矢萩姓の粗暴な男たちに小突かれ詰られ虐げたれてきた若者たち。彼らの不満は、安保闘争さながらの勢いである夜爆発する。

岩森はどうして標的にされてしまったのだろうか。
限りなく余所者で、無害で、幼い娘を連れた岩森が狩られる対象になってしまったのが解せなかった。扇動者の外への憧れが、彼を標的に加えてしまったのだろうか。パニックホラー的に、幼い娘を連れて逃げるというのは恐怖を煽るのに有効だと思うが、それだけのように感じた。また、恐怖を煽る要素として使うのであれば、愛子を連れて逃げる描写がもう少し細かく、そして多く頁を割かれるべきであるように感じた。

村の様子を丁寧に描く前半。
ゆっくりと村に狂気や不穏な気配を満たしていくという意味で、じっくり描くという配慮は有りだった。それによって、後半の狂気に火がついた時との差が著しく感じられる。

村には、矢萩姓と降谷姓が大半を占める。
親戚関係も入り組んでいるので、人物の区別に一苦労。閉鎖的な村落を描く作品なら、村の地図を付けたり登場人物一覧を冒頭に載せたり、群像劇的に一人一人を深彫ってもよかった。一生懸命読んだつもりだが、登場人物全員を把握しきれなかった。一人一人が抱える鬱屈した思いなども拾いきれなかった。この作品をパニックホラーとして読むかどうかでまた読み方が変わるかもしれない。

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2023年05月27日

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ネタバレ

ノンフィクションのようで怖かった。長雨で孤立してしまった村で、若者たちが自警団と名乗り大人たちに対し暴動を起こす。人が徐々に狂っていくのがとても怖かった。
主犯の辰樹の気持ちは最後まで理解できなかったが、村に閉じ込められ鬱屈する若者たちの気持ちはなんとなく分かる。
それにしても、時代や小さな村という背景もあるのだろうが、父親が絶対的存在で嫁や子どもがしもべのように虐げられているのは読んでいて辛かった。
雰囲気や展開などから、読んでいて小野不由美の「死屍」を思い出した。

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2023年02月07日

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ネタバレ

暴動から逃げるパニックものだと思っていたら、最後に犯人と動機が判明し、ミステリーの要素もあったのだと。
ただ、村全体の距離感がつかめず、ワープしてないか?と感じるところがあったので村の地図が欲しかった。

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2023年02月03日

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その土地で根付く人間関係がこの閉鎖的な村ではかなり濃厚でそれにかなり嫌悪感を感じた。
読む前は土着信仰モノなのかと思ってたけど違った。
ただただ本能のまま狩る動物と化していて尋常じゃ無いくらい引いた。
洗脳するのにお酒が丁度よかったというのもあるのかな。
話自体は真ん中あたりから一気に進むのでどちらかというと読みやすい方ではあった。しかし疲れた。

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2023年01月14日

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長い間、雇用関係の延長で支配する側、される側がはっきり分かれていた閉鎖的な村。そんな村で起きた集団の暴走を描くパニック•サスペンス。

押さえつけられている側の若者たちが、学生運動の思想をもとに暴徒化していく様が描かれていて、その異様な雰囲気の表現力は見事だったし、村に満たされた長雨による湿気の不快感さえも、この作品の不気味さを演出していて、櫛木理宇さんらしい作品だなと思った。

サイコパスを描く櫛木さんの作品が好きな人には、少し系統が違うかもしれないが、なにかに陶酔していく集団の異常さは味わえるかなと思う。

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2022年10月23日

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櫛木理宇先生の作品だし,「エイキチが来る」っていうので心霊系ホラーと思って読んだら,パニック系サスペンスだった.だけど面白かったので,結果オーライ(実際の所,本の半分くらいまでは「いつエイキチが出てくるんだー」と思って読んでいた).
古い因習が強く残る山村が大雨で孤立する.因習に縛られ鬱屈する元優等生は,閉鎖された村で起こった殺人事件をきっかけに若者たちを扇動して・・・,というお話.

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2022年09月21日

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ネタバレ

抑えつけられ鬱屈した集団の暴走。狂気と残虐描写は激しいけれど、始終一定の距離を保って冷静に描かれていたのが良かったです。
誰が100%悪い、とかではなく、これまで積み重なってきた良くない事が一気に噴出した空気。時代設定も舞台設定も人物設定も絶妙でした。ここまで酷くはないけど実家のある地区も九州の片田舎で男尊女卑傾向まだ強いし何かあったら結構な速さで広まるのでつくづく。。上下関係はないけど2割同じ苗字で別の1割同じ苗字というところですし(もちろん、佐藤や田中ではない)。
暴力が渦巻いて、長雨もありジメジメしている中、港人くんと廉太郎くんの尊さ良かったです。岩森さんまで呑まれそうになるのを止められるの凄い。ピアノさんも、地元意識強いなかで、降谷にも矢萩にもつかなくていい人間関係構築してるのは女傑です。上窪のご隠居は隠居してるから巻き込まれずに済んだのかな…鵜頭川村の住人だからある程度どちらかだろうけど(そういえば屋号“上窪”しか出てなくて苗字わからない)、それ関係なく心配してくれるのはほっとします。
殺人事件と暴動の真相が、横溝正史ばりに懐かしのドロドロ血縁関係。金田一シリーズはたいてい親が気に病んでたけれど、子どもも同じように気に病みます。。

これほどの内乱事件が起こっても、小さな出来事としてWikipediaに小さくまとめられているという体なのが苦いです。
その後が気になる人物も多数居ますが、蚊帳の外側は知ることが出来るのはここまで、というのもリアルでした。下世話に調べまくらない限り現実の事件もそうだな、と。

これドラマ化するんですか…大丈夫かな。。設定変更はかなりありそうですが、WOWOW攻めてる。

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2022年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めての作家さん。パニックサスペンスとしては先が気になり一気読み。目を背けたくなるような描写も多く、決して読んでて気分がいい作品ではない。
でもこの作品の恐ろしさは、別の所にある。
閉ざされた集落の昔からの風習とか、都会への劣等感、やり場のない怒りや不満が、災害で完全に孤立した際に一気に爆発。
最後のオチで更に絶望的な気持ちになりました。
嫌ミスとは違うこのいやーな感じ。でも読み進めずにはいられない。
勇気を出して、別の作品にもトライしたい。

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2021年08月10日

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