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Posted by ブクログ
図書室、怪奇小説、クラシックな香り、英国ゴーストストーリーなどと言われれば、そりゃついつい。表題作はまさにそれなんですけど、意外にも他の3篇が私の好みでした。
仄暗く端正なゴーストストーリーで、とても現代の作品とは思えないほど。100年前の作品と言われても信じてしまいますよ私は。
ああ面白かった。
Posted by ブクログ
読みやすい本かというと、少々ためらうところはある。
しかしミステリーやホラーというジャンルでありがちな、悪意満載の内容ではなく、むしろ悪意は少なめ、過去の悪行に巻き込まれる子孫という感じだった。
表題に4編の奇怪な物語とあったので、同じ長さの短編をまとめたものかなとおもったが、実際は表題にある『図書室の怪』が2/3くらいを締めていた。
若干増長なところはあるけれど、表題作品はとても面白かった。
Posted by ブクログ
2017年刊。
作者はイギリスの人で、もともとエドガー・ポーなどのミステリや怪奇小説を研究してきた学者さんのようで、本作は初めての小説。
表題作は200ページにわたる中編で、その後に短いのが3編入っている。
現代において書かれながら、古き良き19世紀古典怪奇小説のスタイルで、そのアナクロ趣味が特徴である。作曲でも21世紀の現在においてもドイツのバロック時代の音楽を模倣し続けている人もいるし、人さまざまな中に、このような作品があっても悪くはない。
さて実際に読んでみると、表題作はせっかくの王道的な怪奇プロットが、どうも文章に緊張感がなくて生かされない。書法がどうも上手くないのである。そこはやはり「駆け出し作家」というところか。全編、どうにもぼんやりしているし、クライマックスももうちょっと上手く書けそうなものなのに、ともったいなく思った。
むしろ最後の「ゴルゴタの丘」の後半、クライマックスから末尾にかけてが迫力をもって上手く書けていた。