【感想・ネタバレ】へんろ宿(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

江戸回向院前にある「へんろ宿」は、手持ちの金が心細くて、旅籠に泊まれない人や、御府内近郊の神社仏閣に参詣するためにやって来た人など、普通の宿には泊まれない、泊まりたくない人達のために三年前に、
始めた宿。

主人は、一兵衛といって、元は旗本三百五十石笹岡家の嫡男で、お家断絶後、両親を相次いで亡くし、諸国を回り、剣の修行をし、後、武士を捨てて、宿屋の主人となった。

妻は、佐和といい、一弦琴の名手で、五日に一度、町の裕福な商家の娘達に教えている。謝礼金は、へんろ宿の上がりより、ずっと多く、一兵衛、佐和夫婦と、女中のおとらの三人の暮らしを支えている。

《へんろ宿》
自分の妻になる筈だった女の不幸を知り、自分を裏切った女の無念を晴らすため、敵を討とうとする男。

《名残りの雪》
父親が、藩邸の牢に繋がれていると聞き、手形を持たず、国を出た、武家娘・弥生。
共の者も山賊に襲われて、崖から落下したらしい。

《蝉の時雨》
25歳のおたまは、毎日、どこかに出かけて、落胆して宿に戻ってくる。
二世を契った男と、約束したにも関わらず、会えないという。

《通り雨》
紙商人の泊まり客は、三十過ぎの働き盛り。
醜男ではあるが、桜の絵が上手。

一兵衛・佐和夫婦は、泊まり客には、詮索はしないと言いながらも、何かと、手助けをして、泊まり客を送り出す。

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2022年10月04日

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