感情タグBEST3
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「短編連作集の交差点のような物語」と作者あとがきにあるように、すべてが緩やかにつながっていて、目を閉じると真夜中の静かな東京が浮かんでくるような物語でした。
すてきな物語を描く作者さんに出会えてよかった。
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・それに、結婚に限らず、どんな決断であっても、『もっとずっと先』って思うもんです
・そうしたものは壊れたときに、ようやく人間に従事することから解放されて、はじめて自由になる。
・二台が力を合わせて正しい時間を示しているわけです
・〈二階まであと一段〉
・朝はいずれ昼となって夕方になって夜になり、東京の空の下の食堂とバーと小道具屋と撮影所と電話相談室に青白い月の光を降りそそいだ。
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10人の登場人物が織り成す人生の不思議。
こんなオチが自分にもあったらいいなと思う大人のおとぎ話。
夜中が舞台とあって、落ち着いて静かな雰囲気の連作短編集です。
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深夜、夜明け、夜が深まっていく時間や夜が明けていく時間、とにかく夜の周辺で読みたい本。
びわ泥棒も名探偵シュロも変なひとばかり出てくるのに、なぜかすっと受け入れてしまうから不思議。
感動したいとかドキドキしたいとかそういうんじゃなくて読んで落ち着きたいときにこの本って最適だなぁって思った。
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タクシー運転手の松井
そのタクシーの常連客で映画会社で働く調達屋ミツキ
そこでびわを探した時に出会ったオペレーター加奈子
そして出会うことになる使わなくなつわた電話を回収するモリイズミ
探偵シュロ
11人の若き女優の栄子
映画館を建て直す青年加奈子の弟
バーを開いた前田
古道具屋のイバラギ
よつかど定食
それぞれの人物の物語ストーリーがパズルのようにつなぎ合わさるのが感動した。
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東京という広い場所なのに
登場人物が何かしらで繋がってる
不思議な物語でした。
夜に読みたくなる一冊です。
私はこの本で作者の虜になりました。
青山美智子さんが好きな方には特におすすめです。
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ほっこりしたハートフル
人の出会いと縁のあたたかさを感じる
巡り巡り繋がる人々が抱えた蟠りがひょんなご縁で腑に落ちていく。
偶然も人も思いを捨てたもんじゃないなと。
現実そんなにうまくはいかないけど時としてこんなこともあり得るだろう。
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全てのお話が夜中1時から始まる短編集。
東京に暮らす色んな人の夜中1時から始まる出来事..だけど全てのお話が少しずつ繋がっているのがわかって読んでいてわくわくしました。
夜寝る前に読みたくなる1冊でした。
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縁のつながりの不思議を感じさせられた。、
東京は広いようで案外狭くて、みんなどこかで繋がっているのでは、、?という気がしてくる。
本を読み進めていくうちに、そこが繋がっていたか〜〜!と、点が線で繋がれていく感覚。
そして、この本を読むときは自然と夜を選んでしまう自分が..- ̗̀☾⋆ ̖́-
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小中学生の頃に読んだふんわりした本のおとな用だなという印象。
ふんわり進んでいく空気感が心地よく。
登場人物が最後までなかなか頭に入りきらずのめり込みきれなかったので★を一つ下げました。ごめんなさい。
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真夜中の東京で静かに活動する人たちの連作短編集。「パズルの最後の1ピースが足りない」気がして、フラフラと深夜の街を彷徨いたくなる感覚に吸い込まれていく。半分眠たげなテンションだけど、寝付けなくて、何かしらモノ、人を求めるボンヤリした感覚である。
夜道をあてもなく彷徨い歩いた先で、素敵な古道具屋、食堂、タクシー、相談所に出会うのもワクワクするもの。
青山美智子さんの連作短編集とは異なり、作品中に超常現象は無く、とても現実的な話だが、ホッコリさせられる。
深夜疲れて帰宅し、眠る前にベッドで一章ずつ読んで、心身リラックスすることができた。
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深夜の人々のささやかな交わりが描かれる12話のストーリーからなる連作短編集
連作短編とされてはいるけど、短編としてオチがなかったり、後半はそれぞれの繋がりが明らかになっていって一つの物語になる
なので、果たして連作短編と言えるかは疑問
映画会社で「調達屋」をしているミツキ
タクシー「ブラックバード」の運転手の松井
年に一度「びわ泥棒」になる、コールセンター勤務の冬木可奈子
使わなくなった電話の回収屋モリイズミ(名字)
夜だけ店を開ける古道具屋イバラギ
私立探偵の田代
共同生活を送る新人女優の栄子とハルカ
元バーテンダーの道具係前田
4人で食堂「ヨツカド」を営む、サキ、ヨリエ、フミナ、アヤノ
所々に登場するちょっとしたキーアイテム
抜けない薬指の指輪、びわ、映画館、ピーナッツクラッシャー、古道具屋、十字路の食堂、コークハイ、ピンク色の電話、等など
ちょっとした道具に幻想的な風味が加わっているあたりに吉田テイストを感じる
と言うより、クラフト・エヴィング商會っぽいかな
「車のいろは空のいろ」という絵本は実際に存在するのですね
ちょっと興味があるかな
それぞれの登場人物たちの思いがけない繋がり
人は自分が思っているよりも、遥かに様々な繋がりがあるのかもしれないですね
本文中でも、ほんの道一本の隔たりで親類縁者や知り合いとすれ違っている可能性があって、気づいていないだけと言及している
こんな物語は好きだー
吉田さんの作品は人との交わりの中での孤独が描かれているように思える
でもその孤独は寂しいものではなく、それぞれ自立したものを感じる
あとがきによると
一冊で、十冊分の連作短篇集を楽しめるという趣向
連作短篇の交差点
というコンセプトみたいだ
確かに、前半は連作短編ぽいのに、後半はそれぞれが交差して誰の物語なのかがわかりにくい
十冊分の連作短篇集と思えばさもありなん
ところで、「それからはスープのことばかり考えて暮らした」の映画館館長って、もしかして弟くんなのかな?とも思ったり
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しんとしていて、少しひんやりしたような、夜の風を感じられる。
食堂とバーと古道具屋と撮影所と電話相談室と映画館に灯がともり、それぞれの人生が近づいたり離れたりする。
自分の街のどこかにも、きっと『交差点』があるんだろうな。夜の空を見上げたくなる一冊だった。
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何かすごいことがおこるわけじゃないけど、人の縁ってどこかで繋がってるもの。
ものすごく面白いわけじゃないけど、深夜の落ち着いた少し寂しくもある雰囲気のお話。
コークハイ飲みたくなる!
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午前1時の東京が舞台だけれど、現実世界からはちょっと距離があるところのように感じられた。不思議。
もっとずっと先って思うこと、たくさんあるよなあ。思わぬところで人と繋がっていたりすること、あるよな。心がざわざわした時や眠れない夜に読み返したい。
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痺れるほどの面白さがあって一気読みするような本ではないし、個性のある文体でもないし、強くのめりこむわけでもない。
だけど余韻の長さがそれらのどの作品よりも長い。
ふわふわ宙に浮いているような感覚で、やさしいひとが作るあたたかなものに寄りかかりながら、ゆる〜く、読みました。
吉田篤弘さん。
滋味深い味わいのある作家さんなのでしょうか、、
夜の定食屋で読んだり、あの街の2階にある喫茶店で読んだりしたらもっと似合うだろうなあ。
Posted by ブクログ
久しぶりに この独特な世界に連れ込まれた感
なんだろう いつもふわふわした 地に足がついてないような感覚
それでいてなんか心地いい ちょっと幸せな気分
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長篇小説?連作短篇?
著者は「連作短篇の交差点」と言う。
午前1時、月に照らされた真夜中の東京でそれぞれの物語が始まる。
そして様々な人が複雑に絡み合う。
ああそうなるか。それどういうこと?
色々考えながらもう一度読み返したくなる。
Posted by ブクログ
久しぶりに吉田作品へと帰ってきた。
クラフトエヴィング商會の装丁も大好き。
目次から楽しめる。
(途中にキーパッドの数字並びがあるのは何故なんだろう…)
表紙を眺め、開き、目次を捲り、本編に入る頃にはもう、読者は深夜の気分になっているから不思議だ。
目次のあちこちに居るカラスも、作品内に登場する。(こちらはちょっぴり怖い)
やっぱり吉田ワールドに登場するネーミングが好きだ。
"調達屋"であるミツキや、松井のタクシー"ブラックバード"、片時町にある"食堂よつかど"…。
(そうか、ブラックバードの松井さんを呼ぶ時に電話をかける。だから目次にキーパッドの数字並びが忍ばせてあったんだね)と、20ページ辺りで気付く。
やっぱり隅から隅まで楽しい作品だ。
「びわ泥棒よ」
吉田さんの手にかかると、何でもない一言がこんなに魅力的に響くのは何故だろう。
他に沢山の心惹かれるフレーズが。
「…「言葉が重なる」という現象がたびたび起こる」であるとか、
「この街の人々は、自分たちが思っているより、はるかにさまざまなところ、さまざまな場面で誰かとすれ違っている」であるとか、
「コーラって、あんなに黒い飲み物だったかしらね」であるとか、
「何らかの目的にしたがってつくられたものーーとりわけ人間がつくる「道具」と呼ばれるものはあらかたそうなのだがーーそうしたものは壊れたときに、ようやく人間に従事することから解放されて、はじめて自由になる」であるとか。
最後の文章は古道具屋イバラギの持論なのだけど、便利を求めすぎた人間(勿論、私も含めてだが)への細やかな抵抗のように思われて、何故か気分が良くなった。
そんな彼の店の"客は減りゆく一方"らしい。
だが、なんといってもピーナッツ・クラッシャー大、中、小。(いや、ただのラジオペンチ)
そして小さな奇跡が起こる、"羽の降る夜"。
なんだそれ?と思われた方は是非本作を手に取ってみて下さいませ。
それから、"夜"や"映画館"などの、吉田さんのいつものキーワードも登場する。
いつもといえば、今回の食に関するキーワードは"ハムエッグ定食"と"コークハイ"だ。
キーワードというよりアイテムと言った方が、自分の中ではしっくりくる。
吉田さんが持つ幾つものアイテムの数々。
その中の幾つかが、いつも作中に登場する。
それがまた何故か、とても魅力的で心に染み込む。
私は自分の中に染み込んでくる、その感覚がとても好きだ。
だから定期的に吉田作品に帰ってきてしまうんだ。
魅惑の吉田アイテムの他に、今回はキーパーソンが。
名探偵シュロことマイティ田代!
マイティ田代って…笑
こちらも、なんだそれ?と思われた方は是非本作を手に取ってみて下さいませ。
都会の夜に起こる、少し不思議だけど有りそうなお話。
懐かしいAがすぐ近くを通る。あの時○○していれば、Aに会えたかもしれない。
けれどひょんな事から、"あの時"を逃してしまう。
かけようとしていた電話を切ってしまう。
帰ってしまう。
道を間違えてしまう。
たまたま職場を休んでいる。
無論本人達は、"あの時"を逃していることに少しも気付いていない。
ここで二人が出会えたらいいのに…ブラックバードに乗ればいいのに…そう思う読者をよそに、物語はすれ違う。
又は、イバラギとアヤノの会話。
同じ"夢"という単語を使って会話するが、彼と彼女の"夢"は、意味するところが違う。
話しは食い違っているはずだ。
それなのに絶妙に会話が噛み合って…。
「あっちを向いた人とこっちを向いた人が出会うと、二人のあいだにはちょうどいい均衡が生まれる。必ずしも同じ方を向いていなくてもいいのである。」
イバラギの"夢"が、もうひとズレするのもクスリとするところ。
イバラギの営む古道具屋は、クラフトエヴィング商會の『ないもの、あります』みたいな不思議な店だ。
〈二階まであと一段〉を購入したアヤノにも、小さな奇跡が。
なんだそれ?と思われた方は………もういっか。
「びわ泥棒よ」の、何でもない一言が魅力的だと伝えたが、終盤、そのびわ泥棒についても素敵な出来事が。
ジグソーパズルの最後の一片、踏み出すための最後の一段、人はその最後の1つを求める一方で、チラリと"このまま、ここにいたい気もする"と思ってしまったりもする。
でも踏み出せばホラ、ささやかだけどこんなに素敵な出来事が待っていたりする。
すれ違っていた誰かと、出会えたりもする。
そうそう、然り気無く夜空の星達も見えたり見えなかったりと、いい演出をしてくれている。
あとがきにある、"連作短篇の交差点"という呼び名はぴったり。
吉田さんの頭の中をほんの少し覗けるような楽しいあとがきだった。(いつもだけど)
Posted by ブクログ
少し前の本だがランキングに入っていたのを見て買ってきた。
午前1時の東京を描いた物語。
もう随分と昔、飲み屋を除けば9時には真っ暗になる北陸の田舎町から東京に転勤になって、12時になっても明々とスーパーが開いてるのを見た時には結構なカルチャーショックだった。
午前1時であっても東京では起きて動いている人はたくさんいるわな。
映画の小道具の〈調達屋〉ミツキ、夜だけ走るタクシーの運転手・松井、よろず相談室のオペレーター・可奈子、使わなくなった電話を回収して回る・モリイズミ、引越し魔の探偵・シュロ、四つ角で食堂を営む4人の女性、元バーテンの倉庫番・前田、オーディションで選ばれ映画の撮影に向けたワークショップ中の11人、下北沢の古道具屋・イバラギ、街はずれの映画館のアルバイトの青年…。
この作者さん、お得意の多くの登場人物が縦横につながる趣向だが、本作はあとがきにあるように、その頭の中にあるいくつもの個性的な人々の物語の存在を思わせ、その断片が街角で交わっていくようなところが面白い。
そこにミツキが調達しなければならない小道具にまつわる話やそれぞれが心に抱く会いたい人への思い入れなどが散りばめられて様々な色合いの話が楽しめた。
中でも、電話を引き取りに行ったモリイズミが不穏な会話にゾッとする「ベランダの蝙蝠」、食堂の4人の一人アヤノがイバラギと夢の中にいるようなやり取りをする「青い階段」、すべてが穏やかに収束していく「最後のひとかけら」が好きかな。
Posted by ブクログ
面白かった。短編集でそれぞれの話が実はどこかで少し繋がっている、というものはいくつか読んできたけれど、この作品は本当にジグソーパズルというか隣り合うというか不思議な感覚で繋がっているのがとても楽しかった。タイトルにちなんで、夜に読むのがオススメかも。
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東京って、住んだことはないけれど忙しい街というイメージ。けれど、夜だけはゆったりとした時間が流れている、そんな本でした。でも、タイトルはおやすみだけど、眠らない街だよなぁ
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真夜中の東京の一角にスポットライトを照らしたような、何者でもない人々の偶像劇。穏やかでどこか優しげな午前1時の物語がゆっくりと心に染み渡った。
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夜中の東京の群像劇です。しっとりしっぽりな言葉と人間。著者の作品は、この世界観に触れたくて定期的に読んでいるような気がします。登場人物の言動には人間味が溢れているけれど、決して熱い表現にはならなくて、あくまで淡々と冷静に言葉を紡いで表現されているので、夜読書にはぴったりの一冊だと思います。
Posted by ブクログ
晩夏から秋に読みたい一冊。全編夜が舞台の小説。基本的に明るい時間は出てきません。真っ暗。そのため大人な雰囲気が出ています。落ち着いているんだけど、どことなく不思議。でも前に進んでいる、そんな感じです。ただ、登場人物が多く、途中で「アレ?」とつながりが分からなくなってしまいました。序盤はそれぞれの事情が断片的に書かれているので話が進まないなという印象も受けます。それなのに、ラストよく回収できたなと驚かされました。わたしが大好きな朝井リョウさんとは明らかに毛色が違う一冊です。
●夜に働いている人がたくさんいる。
色々な立場で夜に働いている人がでてきます。なるほど、こういうニーズあると思わされました。遠いと思っていた登場人物が最後、おもしろいように繋がっていくのはパズル感がありよかったです。
●名探偵がミステリアスのようでただの男だった笑
シュロ。タクシーではうまく振る舞って、どういうスパイスを与えるのか?と思ったら。忘れられない人に再会したらいい感じになってしまうとは笑 「やることがある」とかこれで次の旅に出たらおもしろかったのに・・なんて!(コナンの工藤新一的なイメージ笑)
●クラフト・エヴィング商會?!
著者紹介で気になったこの単語。実在しない書物や雑貨などを手作りで作成し、その写真に短い物語風の文章を添える活動をしているそうです。なるほど!それで「イバラギ」がそういう感じなのか!なんというか、センスがないと絶対にできない活動ですね。