物語は、夏奈が自宅で夫・亮を殺してしまったところから始まります。
生前の亮は、機嫌が悪い日にささいなことで暴力をふるったり、夏奈に対して人の心を持っていないかのような言葉を投げかけたりしてくる、悪魔のような人間でした。
それに耐えきれなくなった夏奈は、夏祭りの夜に亮を電気コードで絞殺してしまったのです。
殺人を犯してしまったのに妙に冷静な夏奈。
前日冷蔵庫に入れ忘れて腐らせてしまった唐揚げと亮の死体とを同列に考えていたり、なんとも奇妙な感じです。
他にも、倉庫にアイスクリームの業務用冷凍庫があることを思い出した彼女は、死体を運ぶのですがその時に放った
「魂が抜けた分軽くなるなんてことはないのね…」
という一言に、冷静でユーモラスすら感じさせる彼女にうすら寒さを感じました。
おそらく、亮のDVから解放されたという喜び故なのかもしれません。
彼女の
「憎しみが愛に勝ったのだ。
最後に愛は勝たないのだ。
勝つのは憎しみなのだ。」
というセリフは、ずっと耐えに耐えて限界を超えてしまった思いが詰まったセリフだと思います。
しかし、そんな夏奈の解放感は1日で崩れ去ります。
翌日朝食を作っているところに殺した夫が帰ってきたのです。
混乱する夏奈。
読んでいるこちらも大混乱です。
「殺したつもりだけれども死んでいなかった？
間違って赤の他人を殺してしまった？」
色々な疑いが夏奈の頭の中を駆け巡りますが、間違いなく亮を殺したハズ。
では目の前にいるのはなりすましの別人？と疑いますが、二人しか知らないような質問にも間違いなく答えてきます。
更には、照れた時の癖も同じ。
夏奈は冷凍庫を確認しに行きますが、そこにはちゃんと亮の死体が…。
一体どういうことなのか！？
訳がわかないまま、夏奈は覚悟するのです。
「もう一度殺すしかない。」
しかし殺すチャンスを伺っている内に、思う存分復讐したいという思いに駆られます。
そこで思いついた方法は、生き返った亮に殺した亮を食べさせるという、おぞましいものでした…。
ゾクっとする展開ですが、直接的な恐怖ではなく
全体を通してうすら寒い、不穏な感じがべったりとへばりついている感じがします。
人気小説サイト「エブリスタ」で話題となったラブ・サスペンスを、高良百先生がコミカライズした今作。
高良百先生が描く夏奈の「目の表現」がとても印象的です。
絶望と憂いと覚悟を含んだ夏奈の伏し目がちの表情は、背筋に冷たいものが走りました。
一体何が起きているのか！？
果たして生き返った亮は何者なのか、
夏奈の復讐はどうなるのか！？
是非読んでみてください。
感情タグBEST3
ストーリー…
ストーリー自体は、ある意味ゆったりであり、ある意味過激すぎるほど過激…である。
ストーリーの世界は淡々と、又、刻々と進んでいるのだけど…
いわば、ストーリーが淡々と進んでいるから、余計に殺人という行為が、通常の世界に戻れないということを暗示しているのだろうか…
作品の中では、殺人という、恐ろしいことが起こっているのに、ストーリーが淡々と進んでいくことによって、怖さが何倍にも大きくなるだろう…
個人的には、凄い作家さんが現れた～って改めて思いました。
続き…楽しみです！
衝撃的！
とにかく衝撃的なストーリー。自分史上最高の衝撃でした。何もかもが有り得ない展開！追いついていけない事があまりにも多過ぎて、何度も読み返しながら進むという前代未聞の内容。皆さま心して読みましょう！
怖いって！
怖い、こわい、コワイっ！！！
夏奈が亮を手にかけて、その後の処理とかメッチャ冷静で、それも薄ら寒い。
でもそれよりも、その後の展開がマジ恐怖！？
いい人になった様に見える亮(２号？)も、何考えているんだか解らんし。
２巻で完結だそうだけど、どう終わらせたのかこのままじゃ気になって仕方がないから、次も読む。
テーマはグロいが読みやすい
テーマはグロいが、見せ方と構成でビジュアル的な不快感はなく、絵も見やすい。ミステリーやサスペンス的な要素も漫画としてうまく表現されていて思ったより良かった。
匿名
インパクト大
冒頭からのインパクト大です。小説が原作で、物語の完成度は高いと思います。続きが気になる様な作品です。ただ、ハッピーエンドは期待できない雰囲気ですね。バッドエンド前提で読んで、どうなるのか考察しながら読む感じかなと
ちなみに、ラブ・サスペンスとありますが・・ラブ要素ありますか？
殺したはずなのに
メンタル系の薬を服用し、期限が悪いと殴ってくる夫。
そんな彼を主人公は殺してしまった。
倉庫にある古い冷蔵庫に彼を隠し新しい日々を過ごそうとしたさなか、殺したはずの夫が生き返った。
しかし、遺体は冷蔵庫のなかにあり、目の前にいる夫と合わせてふたりいる。
そんな異常な状態の中もう一度夫を殺すかどうするか……。
謎が謎を呼ぶおはなし。
DVやメンタルをやられている人と一緒にいると自分までおかしくなってくる。
この状況はそんな日常の中メンタルをやられた主人公が見た幻覚なのか、それとも現実なのか。
なぜ死んだはずの夫が冷蔵庫に入っているはずなのに、もう一人いて普通に生活しているのか。
現実にはありえない話だけどヤバイ人に引きずられておかしくなるのは誰にでもありえるので読んでいてとても怖かった。
ただ続きがきになる。
ドラマ化されてるらしいので、あわせてそちらも視聴してみたい。
今までにないストーリー
こ、怖すぎます。
予想しなかった展開に面白さを感じました。
タイムリープものとか、生霊系？かと思いきや…。
現実では有り得ないけど、発想が面白いと思います。
シリーズ作品レビュー
