【感想・ネタバレ】中野京子の西洋奇譚のレビュー

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名探偵ホームズの産みの親が信じた妖精の写真。半世紀後の種明かし。わかってみれば他愛のない悪戯。飛び降り自殺中の偶発的射殺。事実こそ奇なり。故意と偶然が織りなす奇妙な出来事。奇譚として後世の人々を好奇心を掻き立てる。ハーメルンで消えた130人の子供たち。監獄で息を引き取った仮面の男。裁判で処刑とされた数知れぬ”魔女”たち。悪魔と関わったとされ火刑にされた神父。悲劇は謎になり、謎は悲劇を生む。森加計桜、そしてJAL123便事故。奇譚で終わらせてはいけない。

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2020年11月10日

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「怖い絵」で有名な中野京子さんが西洋の伝承・伝説を解説する本。

雑誌の連載をまとめたものらしく、一つ一つのトピックは短く読みやすい。最初の「ハーメルンの笛吹き男」がかなり詳細に語られていて感心したが、トピック毎の文量が結構違って読み進めるともう少し深く掘り下げて欲しいな…というようなものもあった。

創作のネタになりそうなものを手軽にたくさん知れたのは大きかった。

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2023年08月31日

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文も読みやすく、歴史にも上手く搦めての語り口で大変読みやすい。
色々な『どこかで聞いたかも』という話が、丁寧に扱われているのがとても良かった。こういう怖い話、不思議な話というものは、何度読んでも面白いなあ…なんて思った。

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2023年08月25日

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ネタバレ

西洋の不思議な話を集めたもの。21話からなる。

ハーメルンの笛吹き男、消えた子供達が史実であったことは興味深い。本当になぜ、消えてしまったのだろう。グリム童話で読んだことがあるが、「人を騙してはいけない」という教訓を述べるものだと思っていた。もちろん、そういう側面も童話にはあるのだと思うのだけれど、史実であるなら、何故それが起こったのか、は知りたくなるもの。あしべゆうほが絵を描いている「悪魔の花嫁」にハーメルンの笛吹き男の話があった。ネズミに襲われるラストが怖くて怖くて、今でも絵が頭に浮かぶ。

マンドラゴラ、子供はハリー・ポッターでマンドレイクと覚えていた。私は「エコエコアザラク」で覚えていた。うーん、時代の違い。犬が抜くことも知っていたけれど中野京子さんの「可哀そうなワンちゃん……。」には激しく同意。

ブロッケン山の魔女集会、の章にはゴヤの絵「魔女たちの集会」、ファレロ「魔女の旅立ち」が紹介されている。どちらも素敵だが、より肉感的なファレロの絵は大丈夫なのかな、と思った。ともにスペイン人なので、異端審問とかの心配をしてしまう。ヴァルプルギスの夜、子供の頃、子供向けの「ファウスト」を読んだことがあったのだけれど、ヴァルプルギスの夜についての記述の記憶はない。

蛙の雨、ファフロツキーズ、SEKAI NO OWARIの歌詞でこの言い方を知った。現象自体は知っていたが、蛙だけでなく、オタマジャクシ、魚もあったと思う。この章の始めに書かれている、子供の自殺に母親が手を貸してしまった事態のほうが、確率としては低すぎるくらいのように思う。

犬の自殺、この話は初めて聞いた。犬が飛び降りたがる橋の話は聞いたことがあるのだが、まあ人を飛び降りたがらせる橋や駅や崖があるとしか、思えないようなことは聞いたことがあるので、さほど不思議には思わなかった。しかし獣医は人間相手の医者よりも5倍も自殺者が多い、というのは初めて聞いた話だった。

ホワイトハウスの幽霊、この話も聞いたことがある。偶然の一致というのは凄いもので、数字の遊びみたいなものかもしれないけれど、確かにこんな偶然はなかなかないだろうなあ、とは思う。

貴種流離譚、ディカプリオ主演の「仮面の男」も見に行ったし、遙か昔にデュマの「鉄仮面」も読んだことがあったので、その話だと思ったが、他にもいろいろ出てきたのが面白かった。アレクサンドル1世の話はとても面白い。日本でも明智光秀は生きていて天海になった、とか、源義経は生きていてジンギスカンになった、などがある。やはりそのような話はロマンがあるのだろうか。

ディアトロフ事件、こちらも有名な話。実際に何が起きたのか、今は調べる術もなく、想像することしか出来ないけれど、こんなに想像を掻き立てる話もなかなかない。私は自然発生的なものだと思っている(雪崩や超低周波も自然発生だし)。人間は何でも出来るようになったかのように見えるが、まだまだ不可思議なことは残っているように感じる。

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2022年06月26日

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「ハーメルンの笛吹き男」や「エクソシスト」、「ディアトロフ遭難事件」など、ネットや書籍で散々触れているオカルティックなテーマが盛りだくさんだったので、私自身も「中野先生の文章で復習すっか!」みたいな軽い気持ちで読みましたが、モチーフとして描かれた絵画による彩り、同じ内容でも語り手が違うだけで初めて知る話のように興味深く感じられました。なかには今まで知らなかった情報も含まれていたりと、復習どころか、新鮮な気持ちでわくわくして読むことが出来ました

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2021年06月15日

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ネタバレ

読書記録です。まだの人は読まないでね。

コーヒーを入れて静かに本を読むのは、一週間の仕事が終わった休日前の夜のごほうび。だけどこの本は夜中に読んじゃダメだったwなかなかにおどろおどろしいおはなしがいっぱい。さらっと書いてるけど怖すぎる内容。しかも史実だっていうんだから寝られないじゃない(;´д`)
「ハーメルンの笛吹き男」「マンドラゴラ」「ジェボーダンの獣」「幽霊城」「さまよえるオランダ人」「ドッペルゲンガー」「ゴーレム」「ブロッケン山の魔女集会」「蛙の雨」「ドラキュラ」「犬の自殺」「ホワイトハウスの幽霊」「エクソシスト」「貴種流離譚」「デンマークの白婦人」「大海南事故」「コティングリー事件」「十字路」「斬られた首」「ファウスト伝説」「ディアトロフ事件」

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2021年02月13日

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 あまり西洋の歴史に詳しくない自分にとって、伝説?虚構?悪魔?と思われる様な現象や伝承は、ある意味人の残酷さの真実に通じているような話であった。
 そんな自分でもドッペルゲンガーや、ハーメルンの笛吹きなどは勿論聞いたことがあるが、今に至るまで言い伝えられるのには、誰しも似た様な経験なりがあり、誰しもをそれなりに頷かせるものがあるからであろう。
 本の内容としては、広く浅く色々なところを引っ張っているので、興味があるところは調べてみてもいい。

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2023年02月28日

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各章に関連する絵画が載っているのかと思っていたので、絵が載っていない章はちょっと残念。「カエルの雨」の章での「変なものが降ってくる」はジョジョ第6部でカタツムリが降ってくるのに通じているのかな。

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2021年06月20日

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勝手に絵画の本と思ってたが、タイトル通り奇譚だった。ちょっと興味がある奇譚ばかりだったので面白かった。

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2021年06月02日

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「怖い絵」!
の中野京子さんですよね、
と何度もつぶやいてしまった

あのシリーズが
あまりにも面白かったので
それはそれは夢中になって
読み進めていたころが
遥か昔のように
思ってしまう

一枚の絵に
隠されている謎
託されている怨念
匠な比喩
歴史に精通しているからこその
裏まで見通す語り

それらが
残念なくらいに
薄まってしまっている

そんな印象を持ちました

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2021年04月09日

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西洋の不思議な話や謎の出来事・・・ハーメルンの笛吹き男で
始まり、ディアトロフ事件で終わる、全21話を語る、怖い話。
ハーメルンの笛吹き男 マンドラゴラ ジェヴォーダンの獣
幽霊城 さまよえるオランダ人 ドッペルゲンガー ゴーレム
ブロッケン山の魔女集会 蛙の雨 ドラキュラ 犬の自殺
ホワイトハウスの幽霊 エクソシスト 貴種流離譚
デンマークの白婦人 大海難事故 コティングリー事件
十字路 斬られた首 ファウスト伝説 ディアトロフ事件
カラーとモノクロの画像、有り。
不思議、謎、未解決な、おどろおどろしい西洋奇譚。
ほとんどが知ってる話でしたが、簡潔な文章で著者の考察もあり、
楽しく、サラッと読めました。奇譚入門書な感じ。
全くの謎から、人為的何かを感じられる話まで、様々。
西洋という場の、歴史や宗教、土壌、文化や民俗、
幽霊は日本との違いまで、語られていて面白かったです。
リンカーンとケネディの不思議な類似は驚きだったし、
貴種流離譚は、鉄仮面やカスパー・ハウザーの他にも
あるのだなぁと、調べてみたくなりました。
興味を持ったら、何れも研究書とかいろいろあるので、
そちらにあたってみるのが良いですね。しかし、
文中に書名は出てくるけど、まとまった参考文献が無いのが残念。

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2021年03月06日

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ハーメルンの笛吹きやドラキュラ伝説、魔女狩りなど、西洋に伝わる怪奇な物語集。
失礼な言い方かも知れませんが気楽に読めました。
世界史への苦手意識がありましたが、最近、興味が出てきました。それは、読書をしていく中で、様々な知識があると、もっと本を楽しめると知ったこと。そしてこのように気楽近づける本を執筆してくれた中野さんのおかげだと思います。
教養って大事だと50代になって染みるようになりました。

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2021年01月23日

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中野さん、絵画だけじゃない強みを見せてくれた。この本だけでホラーを堪能できた。特に、「ホワイトハウスの幽霊」でのリンカーンとケネディの奇妙な一致では鳥肌がたった。

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2020年12月11日

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世界の不思議な話(奇譚)を21話構成で紹介している。どの話も概要を紹介するにとどまっているので、もう少し詳しく知りたい人は本書をきっかけに関連書籍など探して読む必要があるだろう。
私が知っている話は、ハーメルンの笛吹き男やディアトロフ事件など。奇譚には西洋の考え方に起因したお話が多く、西洋文化を理解する上でも役に立った。ブロッケン山の魔女集会のサバトなんかは日本人には理解が難しいが、ひとつの教養として知っておいて損はない。
結局、奇譚は人間の心が生んでいるもののようにも感じた。ディアトロフ事件以外は。

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2020年11月15日

Posted by ブクログ

中野京子さんの本はほとんど読んでいるので、こちらも購入してみた。ただ、名画や画家のお話ではない。科学では説明できない不思議な出来事がお好きなら楽しめるかもしれないし、詳しい人なら物足りないと感じるかもしれない。

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2020年10月14日

Posted by ブクログ

書店で美術書の棚にあった。
衝動的に購入。
タイトルの通り、西洋の奇譚のダイジェスト。
面白かったかといえば面白かった。
一つ一つのテーマを決して深掘りしていないわけではないのだが、読後感はラノベやエッセイを読んだ感じ。

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2020年10月12日

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