【感想・ネタバレ】捨てられる宗教 葬式・墓・戒名を捨てた日本人の末路のレビュー

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Posted by ブクログ

捨てられる宗教 葬式・墓・戒名を捨てた日本人の末路。島田 裕巳先生の著書。生物であれば必ず最後には死を迎える。それなのに死が身近からなくなって死が遠くて特別な存在になってしまった。だから宗教は捨てられて、葬式・墓・戒名も捨てられた。それが今の日本。無宗教であるなんて国際社会から見たら断然少数派。自分が信じる宗教があって自分が信じる宗教を真剣に語れる人が国際社会では大多数。どの宗教を信じても個人の自由なのだから自分に合った宗教をもっと追い求めてもいいはず。

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2022年06月27日

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日本人の平均寿命が伸びることで、死生観が変わった。死生観A(宗教により救いが必要な世界)とB(長く生きるため、老後までスケジュールする必要がある世界)があってBに移行しつつある。そうなると、宗教は不要になってきてむしろ葬式に呼ぶ人がお互い死んでしまっていなくなるとか。
死生観変わったというのが確かにその通りで、私も感じてはいたことが思っていた通りに言語化されていて、うんうんうなずきながら読みました。

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2023年01月12日

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ネタバレ

<感想>
本を読む前から、現代では宗教はあまり必要とされていないだろうという感覚はあったが、様々なデータからどのように宗教を取り巻く環境が変化しているのか知ることができた。
本書のタイトルに「日本人の末路」という言葉があったため、宗教を捨てたことによる悪影響を主張する本なのかと思っていたが、特別そういったことはなかった。

本書のメインである「死生観が変化している」という主張については、非常に納得感があった。これまで宗教が必要とされていたのは、「いつ死ぬかわからない」という病や死への恐怖のためであり、それらが解消されつつある現代に宗教離れが起こるのは至極当然とも思える。
寿命が長くなってしまったがために、死が遠い未来のこととして捉えられ、スケジュール化されてしまっているというのも非常に的を射ていると感じた。
介護施設が実質的な「あの世」となっているという着眼点は、なかなか面白いと感じた。

人類は寿命を長くするために努力してきたが、その結果長すぎる人生に耐えられなくなり、寿命が来る前に自ら死を選択する人も現れているという内容があり、なんとも皮肉なことだと感じた。実際、定年を迎えてから、働くこともなく35年近く生きることや、その間に知り合いがどんどん亡くなっていき孤独になっていくことを考えると、死を選択した人の考え方も非常によくわかると感じた。

人生100年時代ということはよく耳にするが、自分が今後老後を迎えたときに、果たしてどのように生きるべきかということを考えさせられる内容だった。


<自分なり要約>
近年、宗教を捨てる人々が日本含む先進国で増加傾向にある。原因として、「平均寿命の増加で、人々の死生観に変化が生じたため」と著者は考える。

これまでの死生観では、社会の不安定さと医療の未発達のために寿命が短く、いつ死んでもおかしくないという感覚が強かった。現実世界を苦しみと捉え、不安の解決と来世への期待のために宗教が必要とされていた。

しかし、社会の安定化と医療の発達により寿命が増加。結果として人生100年時代となり、人々の死生観も差し迫った問題から遠い未来のことという感覚へと変化してしまった。また、死の判定や病気の対処を医療に頼るようになったことで、宗教が求められる場面が減ってしまった。

このような死生観の転換により、現代日本では葬式・墓・戒名の必要性に疑問を持つ人々が現れるようになり、葬式の簡素化や墓を持たない人々が増えているといったことが起きていると考えられる。

従来の死生観を持つ人々もまだ残っており、その人々に共通するのは、身近な人の死を経験し自身の死を意識しているということである。

今後は長い老後をいかに飽きずに過ごすかが重要となるが、趣味などを通じて学び続けることや、客観的に世界を理解するように努めるのが良いのではないだろうか。

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2022年02月23日

Posted by ブクログ

宗教は話のかかりであって、メインとなるテーマは死生観の変化。人が生きて行く上で、寿命が延びることによる影響は計り知れない。

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2021年03月30日

Posted by ブクログ

現在と違い、いつまで生きるのかわからない時代に宗教は生まれており、長寿社会への転換とともに、宗教は急速に力を失ってきている。
持て余し気味の余生をどのように生きるのか。大変に難しい問題です。
提言しているのは、いつまで生きるのかわからない余生といえる年代に達したとき、世俗の世界から一歩ひいた視線をもち、現実に起こることを学ぶ。そのために、芸能、芸術、学問、文化に触れて学んでいくこととある。生涯勉強という事。なるほど、そうがもしれない。

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2022年08月24日

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