【感想・ネタバレ】平戸から来た男のレビュー

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面白かったですが

それなりに面白かったのですが、ダウンロードした300数ページの半分以上が作品リストだったのにはちょっと驚きました。

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2022年04月07日

Posted by ブクログ

◎隠れキリシタンと潜伏キリシタン。日本人の信仰の深さと心情の問題は

ある教会の前で死んでいた身元不明の男。発見した中村神父のもとにやってきた大学生の緒方とともに論議していると、男が持っていた湯呑から、隠れキリシタンではないか、という推理をする。
その推理をもとに十津川と亀井は、男が川野という長崎県・平戸の出身だということがわかる。川野は平戸を出て京都や名古屋を回るが、その中で渡口という男を探していて…

渡口と川野の関係や行く先を探すべき、2人は平戸へ向かうが、そこでは現地の村の人々に話を聞こうとするもけんもほろろな対応に十津川・亀井は苦労するが……

***

"江戸時代と明治初期までは、キリスト教は禁止されていました。それが禁教期と呼ばれる期間です。この時代のキリシタンを、潜伏キリシタンと呼んでいます。その後、キリスト教が公認されたとき、カトリックに復帰した人々を、復活した人々を、復活キリシタンと呼びます。(p114)"

上記の本文中の「説明」に象徴されるように、キリシタンと言ってもそれぞれの信心やタイミングによって、どのように公認後の期間を過ごそうとしたのか、もっと言えば、先祖がどのような道を選んだかが、残された子供たちがどのようにその後過ごさなければならないかも規定されてしまう部分もあるのかもしれない、と感じる。

この物語は、そうした中で起こったある意味「行き違い」が、今回の事件を起こしたともいえるが、それが絶対に悪いかというとそうではない。
日本人がどのように信教するかというのは自由だし、その壁を乗り越えられなかった時代もあった(かもしれない)、ということであろう。(この物語が実際の史実がもとになっているかどうかは、明記はされていない。)

無論、いまこれからの時代は、乗り越えなければならない。
それを伝えるために西村氏はこの物語を書いたのかもしれない。

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2021年05月08日

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