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Posted by ブクログ
大岡信といえば、昨年(2017年)鬼籍に入った国民的詩人で批評家として知られていますが、私の自宅に程近い調布市に長く住んでいたとのことで、少し親近感を持ちました。
この自選集には、調布という詩も収められています。
「まちに住むというふことは
まちのどこかに好きな所をもつといふこと。
まちのどこかに好きな人がゐるといふこと。
さもなけりゃ、暮らしちゃいけぬ。」(調布 Vより抜粋)
近所に自分の居場所を見つけて、好きな人や親しい人を作るのが、本当の生活、ということでしょうか。別の言い方をすれば、そのまちに親しむ、交わるということでしょう。
詩は、詠み人が何かとの関係性を詠うもの、と思います。
繋がりをふと感ずるとき、詩情が俄かに立ち上がってくるのが詩人なのかもしれません。
この自選集を読むとき、大岡信の感性が、時空を超えて縦横無尽に飛翔していたのが、よくわかります。スケールが大きいのでしょう。