感情タグBEST3
Posted by ブクログ
恋の駆け引き、男同士の上下関係、売れない悲しみ
感情がぎゅっと詰まってる一冊。
でも短歌だからあっという間に読めて楽しい。
★この人を支えたい!会いたいホスト短歌賞
君の来ない夜にトイレで聞いている
あいつの席のシャンパンコール
寂しいトイレと盛り上がる場内の対比が好き。
トイレの扉一枚隔てて全く違う空間が広がっているのが情景として分かる!
扉の向こうとこちらとでは、照明の明るさも、音の大きさも、空間の広さも、人の感情も何もかも違う。
扉の向こうからドンドンした低音が響いてくるのを項垂れながら聞くホストの姿を勝手に想像して悲しくなる。
寂しいのは「君が来ない」からっていう理由がキュンとくる。
結局は「会いたい」って一言を逆に34字に増やしてこんなに情景を思い起こさせる手腕に惚れる。
これを詠んだのはグループの会長手塚マキさんだった。
さすがホストで上に行く人は言葉の使い方も巧みだな。
Posted by ブクログ
NHKで特集されていて、今日たまたま書店で見かけたので購入。短歌を読んでいくと、これまで私にとっては記号でしかなかった「ホスト」が、一人ひとりの人間なのだとしみじみ思う。
特に好きだなと思った5首。
・愛してる口先だけで言われたと分かっていても魔法の言葉
・約束をしたから買ったバスソルト何気ない君の小さなおねだり
・あの人はそんなんじゃないと言う君も言われるアイツも素敵なんだね
・嫉妬深い君がイヤだと泣くからさ抜けばいいのに今日もオナ禁
・夕暮れと共に目覚めて家を出る夜から始まる僕の一日
Posted by ブクログ
コロナ禍でいろいろな記事を読んでいる時に、とても興味深いインタビューを読んだ。
作家・辻 仁成さんと、歌舞伎町ホストの手塚マキさん。
「夜の街」と「歌舞伎町」はコロナのエピセンターとして、あちこちから叩かれていた場所。
でも実際のところはどうなんだろうととても気になっていて、
この記事には、現在の歌舞伎町がやっているさまざまな対策や取り組みのことが語られていた。
帯ニュースがどれだけイメージで夜の街を語り、
世間の偏見におもねるような方向で報道しているのかとげんなりする。
その中で、この本の存在を知って、がぜん興味が。
コロナの感染が始まるより前から、手塚氏はホストを集めて歌会をやっていたらしい。
(その前に、掃除ボランティアという活動もあるとか)
長い文章は書けなくても三十一文字程度なら表現できる。
もともと親和性のある和歌と色恋。
詠み手のキャラクターが垣間見える多様な歌が並んでいて面白かった。
ビッグになろう系のちょっと古臭いのがまだいるんだなあー、とか
客商売ながら本気の部分も生まれてしまうだなーとか、
今の時代の具体的な言葉と古来から続く三十一文字があわさる面白さもあり、
抒情的で普遍的な印象を与える、うまい歌を作る人もいる。
私が好きで読んでいる現代短歌の中にはあまり出てこない、
男女の駆け引きの主題がむしろ新鮮。
疑似恋愛的な場で働いて、相手の気持ちを汲み、言葉を選ぶホストならではの歌は
確かに万葉集や平安時代にも直結しているような気がする。
ホストなら歌くらい詠まないと、という世の中になったら本当に素敵だ。
巻末の写真で、この歌を詠んだのはこの人か、とわかるのも面白かった。
Posted by ブクログ
ホストが作った短歌。
華やかな夜の宮殿眩しくてどんなリアルも見えないくらい
この歌は、某舞浜の夢と魔法の王国に似てると思った。
人を惹きつける、夢の宮殿。
T●Rもお金が飛んでくけど、ホストクラブはその比ではないぐらいお金が飛んでくんだろうね~(^^;
Posted by ブクログ
古来から、日本人は歌で愛を伝えてきたわけで、
愛を売る職業のホストに短歌はもってこいなのかもしれない。
全体的にストレートな歌が多かった。
ホスト○年目でまとめてるので、
ガツガツしていた句が、だんだん落ち着いたり、後輩ができたりして、
ホストたちの生活の移り変わりを感じて面白かった。
Posted by ブクログ
出オチ感があるタイトルだったけど、中身はマジメに短歌だった。ホストならではの心の機微が詰まっていて、妙に生々しくて良い。光源氏は元祖チャラ男という解説は、言い得て妙だと思った。
Posted by ブクログ
本物のホストによる短歌が300首ずらりと並ぶ。ホストが短歌??と思う人もいるかもしれない。しかし、短い言葉で想いを伝え、微細な所作に敏感に気づく力は通常の人間を凌駕している。光源氏が元祖チャラ男であるように、ホストは歌を詠む素養がある。私が好きな歌「歌舞伎町 東洋一の繁華街 不要不急に殺される街」
はやくコロナがおさまるといいな。歌舞伎町に溺れたくなる笑
Posted by ブクログ
自分の知らない世界のことを知れる面白さと、手塚マキさんが本の中で仰っているように、短文でのやり取りに強いホストの人たちの才覚が存分に表れた、独特の短歌のリズム感が面白かったです。
短歌ということで、パラパラと読み返しやすく、たまに読んではそれぞれの短歌の明るさや切実さに謎に励まされています。
Posted by ブクログ
ホストと短歌!?と単純に惹かれて読んでみた。
ドラマとかでしか知らない世界で、私にはフィクションのようなものだったけど、読んでみるとそこにはちゃんとリアルがあって、ちょっと行ってみたいなぁなんて思ってしまった。
Posted by ブクログ
センスある!ホストは現代の光源氏
すきだった短歌
「秋かおる夜風にふかれゲロまみれタクシーに乗れず朝日をあびる」
「言葉というのは、咳いて閉じ込めておけば、思い出した時に、その言葉が発せられた時の鮮度で蘇るんです」「言葉に閉じ込めておけば千年もつ」(万智さんの言葉より)
Posted by ブクログ
成り上がり精神に溢れた歌、キラキラした陽な雰囲気が伝わる歌と対比するように、切なさや気弱さを吐露した陰の歌も挟み込まれます。どちらのタイプの歌も、しらけた感じがないことに好感が持てます。真面目に騒いで、真面目に落ち込むみたいな。