【感想・ネタバレ】トーキング・トゥ・ストレンジャーズ~「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと~のレビュー

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Posted by ブクログ

とてもおもしろい。知らん人々を推測するというのはやはりむずかしいわねえ。しかし情報量が多くて読むのにけっこう苦労した。読書家向きていうか。

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2020年12月28日

Posted by ブクログ

自分がよく知らない人と話すときに、どうすればよいかー。

物語調に進んでいくこの本は、黒人女性が些細な理由(車線変更時にウィンカーを出さなかった)で違反切符を切られるところから始まる。
女性は投獄され、獄中にて自殺した。

この事実は、アメリカ中に拡がり、
世間は黒人に対する差別だ、偏見に満ちた警察官だ、と声を荒げたが、事実はそれほどにも単純なことなのだろうかと、著者は問いかける。

もっと根源的な、

「知らない人に対するコミュニケーションの誤り」

が、関わっているのではないか。これが改善されなければ、きっと再び同じ悲劇が起こるだろうと。

さまざまな事例をもとに、知らない人に対しての人間のふるまいに触れていく。

「デフォルトで相手を信用する」「その人のことを知れば知るほど判断を誤る」そして、「結びつき」。

この事例から学ぶことは多い。

私たちは、知らぬうちに相手を単純化して、顔を見れば全てがわかると思い込む。
そして、悪いことが起こるのは、環境のせいではなく、そこにいる人間のせいである、と。


先入観だったり、偏見だったりを、丸ごとひっくり返してくれる一冊でした。

この本で学ぶべき大切なことは、ほんの数行で終わるかもしれません。

しかし、この事実を咀嚼する為には、この分厚い本に立ち向かうべきだ、と思います。

知ることと、それを理解することは、全く違います。
同じことを再び繰り返さないためにも…。

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2020年07月05日

Posted by ブクログ

日本ではノンフィクション版の村上春樹と言われるベストセラー作家のマルコムグラッドウェル。
多くの事例をもとに、なぜ人は他人を誤解したり、決めつけてしまったりなど、正しく理解できないのかを明快でわかりやすいストーリーテリングで示してくれた本。
サンドラ・ブランドに起きた一つの悲劇を簡単な見方をするのではなく、多くの事例から他人に対する理解の難しさ複雑さをパズルが組み合わさっていくように、その深い洞察から示唆してくれるのは読んでいて非常に気持ち良いものであった。

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2022年08月05日

Posted by ブクログ

人はなぜ他人のことを正しく理解できないのか、採用面談でも相手のことを正しく理解できないとこが多い。人は必ずしも自分が想定したリアクションをしないということが原因なのだろうが、ではどうすればいいのか。会わずにデータだけから判断すれば良いのかもしれないが、相手の客観的データは入手困難な場合が多いしやはり難しい。謙虚に見かけでは分からないことを肝に命じるしかない。

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2021年06月10日

Posted by ブクログ

今まで会って話せばわかると思っていたけど、却って会ったからこそ難しくなることもある。判断にはいろいろな影響があることを知つておけてよかった。

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2021年02月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
はじめに
第1部 スパイと外交官~ふたつの謎
 第1章  フィデル・カストロの復讐
 第2章  アドルフ・ヒトラー総統と知り合いになる
第2部 デフォルトで信用する
 第3章  キューバの女王
 第4章  佯狂者
 第5章  事例研究 シャワー室の少年
第3部 透明性
 第6章  『フレンズ』型の誤謬
 第7章  アマンダ・ノックス事件について単純で短い説明
 第8章  事例研究 社交クラブのパーティ
第4部 教訓
 第9章  テロリストの心の内は覗けるか
第5部 結びつき(カップリング)
 第10章  シルビア・プラス
 第11章  事例研究 カンザス・シティの実験
 第12章  サンドラ・ブランドに何が起こったのか

<内容>
我々は「見た目」や「経験」から初対面の相手でも、様々な判断を行っている。それを正しいと信じている。しかし、そうなのだろうか?著者は、”はじめに”のところで、一つの事例を提示する。警官と車を止められた女性の話だ。それは悲劇的な結末となった。それが何を意味したのか、多くの事例を挙げながら、我々の判断が間違ってきたことを示す。現在、アメリカでは警官による黒人殺害の事件から、人種差別撤廃の嵐が吹き荒れている。これもおそらく、この本で提示した課題が表面化した問題だと思われる。ちょっとしたボタンの掛け違いなのだが、初対面の両者が、違う認識を示し、それが確認されないまま時間が過ぎてしまうと、いくつもの事件となってしまうのだ。それは、「ヒト」の感覚の問題なのか、宗教的なものなのか、生理的なものなのか、心理学が解明できることなのか…。

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2020年07月19日

Posted by ブクログ

自己と他者の間にある絶対的な壁をどう乗り越えるかというのが、この作品の主題。

人は相手を信用するよう初期設定されているというトゥルースデフォルト理論。人の感情は、表情に如実に現れるという透明性の嘘を暴く誤謬。飲酒によって目の前の経験が見えなくなる近視理論。行動と場所が密接に関連しているという結びつき理論。小難しい理論を並べたが、この本にはそれらのモデルとなるエピソードがそれぞれ挿まれるので、その話により理解できる。

しかし本著が最もこだわった黒人女性のケース。この話からの学びは何だろう。サンドラ・ブランドは、車を運転中に方向指示器の合図を出さなかったとして警官に止められた。警官は車から出るように命じたが、彼女はそれを拒み、警官の対応はエスカレートする。

黒人への偏見?挙動に対しての過剰反応?素直に車から出れば良い、と先ずは思う。彼女は身体や精神の問題を抱えながらも、生活を何とか立て直そうとしていたところ。新しい街に引っ越し、新しい仕事を始めるところだった。逮捕された彼女は取り乱して泣き続け、3日後に自殺した。

アメリカの世論は彼女に対して同情的だ。確かに、警察はやり過ぎた。しかし、彼女が問題を抱えていたなんて、だから警官の指示に従わなくて良いなんて事があるだろうか。そして、自殺されても、そこまで感情移入してのケアはできない。それぞれの巡り合わせの悪さだ、と思うが。

どんな理論を並べようと、私はあなたにはなれない。世論は、人ごと。同情も、人ごとだ。その人の精神や肉体の保有者ではないのだから、他者を知るなんて事は、部分的にしか出来ない。

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2024年03月23日

Posted by ブクログ

すごく重く深い本でした。
アメリカで白人警察官が黒人女性を路上で逮捕するという2015年に起きた事件を元に、数々の実在の犯罪や事件を取り上げて検証していきます。
スパイやテロ犯罪など日本で普通に生きている私とかけ離れたことも多く、悲惨な事例もあり読み進めるのがつらかったりしましたが、それを取り上げることで最初にあげた事件の真実を考えることにつながるという納得の展開でした。

「私たちの予想どおりに相手が行動しないこと」と思い込みから生まれる誤解や悲劇。
日常生活にもあることだと思います。
「見ず知らずの相手とコミュニケーションを取ることのむずかしさ」
最近社会での他者への批判や誹謗中傷がひどくなっているようにみえますが、やはり原因はこのような、自分は正しい、相手がこうしないのはおかしいと思い込んでしまうことなのではないかなと感じました。

「私たちは、見ず知らずの相手の心の内を読み解く能力に限界があることを受け容れなくてはいけない。」

「われわれに必要なのは抑制と謙虚さだ。」

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2024年02月29日

Posted by ブクログ

人に出会う。人間は人に出会うとまずは他人を信じてしまうという癖がある。そして、人の考えは顔色や態度を見たら分かるという「透明性」の誤謬があるという。人は複雑で簡単に分かるものではない。う~む、それならどうしたらいいのかな?どれぞれのトピックは面白かったけど、他者とどう付き合ったらいいかという結論はでていないようだけど…。

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2021年04月10日

Posted by ブクログ

マルコム・グラッドウェルの新刊は、他人とのコミュニケーションの難しさを語った一冊。ビジネス書というよりはノンフィクション小説に近い内容(400ページ超とかなり長い)、 2015年に発生した、黒人女性が車線変更時に方向指示器を出さなかっただけで白人警察官に逮捕され、自殺した事件の本当の原因を、さまざまな事例を通して解明していく。中でもキューバのスパイが長年CIAの中枢に潜入していて、誰もスパイだと気付かなかったという事例は、ショッキングだが、簡単に他人を信用してしまう人の思考など学べることも多かった。

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2020年08月21日

Posted by ブクログ

とても良い本。人間がなかなか他人を理解できない事を事実に基づいてきちんと説明している。これを読むと、むしろ人に会う方が間違った判断をする気すらしてくる。人間の本質を新鮮な視点から説明しているが、社会への処方箋にはなっていない。

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2020年07月24日

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