感情タグBEST3
Posted by ブクログ
絶対読むべき。これからの時代をどう生きていくのが幸福に繋がるのかを教えてくれた。
スマホを使うのは最終手段であり、現実世界での人と人との繋がりを大切にするべきという筆者の主張は素晴らしいと思った。たしかに、人と人との繋がりは大切であり、誰とも話さずに1日過ごすのはストレスを感じるし、それが数日続くと心が荒んでくる。昔は便利な連絡手段が無いから直接対話をするしかなかった。しかし、そこで生まれる会話は実に貴重である。そういう意味では、メールやSNSが無かった昭和に生まれた人が「昔は良かった」というのは否定できないと感じた。だからこそ、昔の良い所と今の良い所を上手く融合させることが大事だと思う。そのためにはスマホから離れることは必須であり、そうするためにはこのように本を読んで知識を吸収し、繋がりを求めるようになることが良いのだろう。
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現代社会のコミュニケーションの問題点を、類人猿とヒトとの性質の差から紐解く視点が非常に面白かった。
ヒトは共感力で家族と地域社会という性質の異なるコミュニティを両立できているという記述があった。私たちが様々なコミュニティに属していることは当たり前に思えるが、実際はヒトとの距離の取り方が難しいと思う場面も少なくない。
ヒトが言語によって獲得した「距離を置く」という技も、そればかりだと距離が遠くなってしまう。やはり直接会って、目を見て話し、同じ空気を吸って、コミュニケーションの楽しさと難しさの両方を味わうことが、人として生きる喜びにつながるように思う。
コロナ渦でなかなか人と会えない今だからこそ、その価値を重く感じる。
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この本を読んで知ったことは、例えば、よその赤ちゃんをあやすとか抱っこするとか、うつむき加減の少年に語りかけるとか、そういう大人や青年のふるまいに温もりやありがたさを感じるのには、森林からサバンナに出てきてからの人類の暮らしのなかで、そういう行動に大きな意味があったからだ、ということだ。
言葉を使えるようになって人間の脳がどう変化したか、AI・ICTが普及すると人間の脳はどうなるのだろうか、といった話も興味深かった。
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人間として大切にしていくことは、やはり、そういうことだよなぁ。日常に潜む違和感にもやもやするのは、私の野生の心の叫びだったのか。
コロナウイルスとの付き合い方と、心の叫びと、果たして、人間はどうして行くべきか。不正解でなければいい。そう、不正解だなければいいのかもしれません。
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ゴリラの社会性はとてもおもしろい。組織の中で優劣をつけない、ボスは弱いものを助ける、対面による共感を大切にする、といった点などなど。人間にも共通点は多い。
一方でサルの社会はボスが絶対で、勝ち組・負け組を決める。新自由主義的な世界観とも重なるように、これも人間に共通点はある。コロナで強まったような印象もある。
かつてウォークマンを聴いて温泉に浸かって満足げなニホンザルのCMがあった。スマホに虜になり、組織よりも個人中心になると、人間はサルに近づくという筆者の主張に近づくのだろう。
スマホを捨てたい子どもたち、というタイトルは筆者の願望も込められていると理解するが、その背景やデジタル機器と人間のかかわりの歴史を考えると奥深いテーマだと感じた。
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次世代の人たちはぼくたちが滅びた後の世界を見る権利をもっていて、彼らが見る世界のためにぼくたちは義務を果たさなくてはいけない。そして若者たちも、自分たちの次の世代に対し、どういう責任をもって、どんな世界を渡したらいいのかを十分に考えなくてはいけません。(p169)
スマホを使って頭だけで友だちとつながるのではなく、面と向かって声で話し、相手の表情や態度をきちんと読んで付き合うことが必要です。相手ときちんと向き合うことは、人間が信頼関係をつくり、それを高めるためにかけがえのない行為だからです。人間の五感は人と会って身体で共感し合うためにつくられているのです。その最も原始的な行為が食事です。(p188)
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スマホを使うことが当たり前になっている今、役立つ内容だったと思いました。
著作の後半部分はゴリラ研究者として、人間とは一定の距離を置いてゴリラと共に生活を送って研究を進めたからこそ言える内容なのかな、と感じました。
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人間とは、社会とは、考えさせられる内容が多かった。コロナ禍で対面での人との繋がりが弱まり、面と向かって話したりご飯を食べたりしにくくなっている。慣れてはきたもののどこか寂しいと思っていたわたしには共感できる内容が多かった。生物学的に人間は五感で世界を感じとっている、人間は互いに違うということを前提としていて、共感は相手の気持ちがわかることで理解することではない、身体がつながる感覚が得られないなど。
もう一度読み返したい。
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心に残った部分(要約)
✔実際の五感で感じる世界ではなく言葉などのフィクションのフィルターを通して自然を眺めている。フィールドワークではあえて言葉に翻訳しないのが極意である。
✔「家族」を持つのは人間のみ。人間の社会性は、仲間と一緒に安全な場所で食べる「共食」から始まった。しかし今は効率性を求め「自分の時間」をつくることが自分の欲求を満足させる近道とする考えも広まった。それによって孤独をつくり時間を手に入れても何をしたらいいか分からない人がいる。それはそもそも人間が一人で時間を使うようにできていないからである。
感想
山極先生の考える世界観が僕と親しいと感じてうなずきながら読む場面が多かった。特にシェアの時代であるということは多くの人が頭では理解していることだと思う。
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山極先生の生き方にも触れることができました。どんな生い立ち中のか、研究テーマに向かう姿勢も分かりました。かつてNHKの「ようこそ先輩」で授業して下さった様子も思い出されました。今という時に、人間はどのように生きるべきなのかという視点を示唆してくれる本だと思いました。
Posted by ブクログ
ひとつの生き物として、人間の身体から考える視点がとても新鮮。社会構造や理屈以前に、地球上で進化してきた生き物としての人間がどんなものか、現代との乖離がどこにあるのか、面白かった。
子育てしている身としては、今後の子どものことについても視野が広がったと思う。
Posted by ブクログ
類人猿(特にゴリラ)から人間を学ぶ。知能偏重という言葉がずっしりのしかかる。時間、空間を共有し、五感を使った付き合いで曖昧に了解し合い、互いに信頼を寄せる感覚は、私の場合、生まれた頃から共棲している「猫」との関係性でストンと落ちた。数値化・言語化されたものは理解こそしやすいが、理解したところで共感していない場合は結構ある。人間が真に繋がれる限界が150人というのも、顔、名前、人となりを知っている前提ならば意外と多いように感じた。
Posted by ブクログ
子供たちに
手渡したい一冊
若者たちに
身近に接していらっしゃる
山極寿一先生だからこそ
なんとしても
届けたい思いが
行間から伝わってきます
ぜひ さりげなく
彼らの眼に触れるところに
置いておきたい一冊
Posted by ブクログ
スマホとゴリラがどう関わるのか
ものすごく興味を持って読み進めた。
コミュニケーションの道具としてのスマホが
私たち人間に、中でも子どもらに
どのような影響を与えるのか
野生のゴリラから考える新たな視点に
納得いく点が多かった。
スマホに子育てさせるニュースを
以前見たことがあるが
親子のコミュニケーションという点では
やはり心配になってしまう。
ゴリラの子育てから
人間の子育てを見直すきっかけにもなる。
著者の講演会を聞いてみたくなった。
Posted by ブクログ
人と人との信頼関係は身体をつなぎあわせることでしか築けない、なるほどと思った。一緒に食事をする共食が大事だという主張も、アタリより著者の方が説得力があった。
ゼロかイチを極めるような今の発展の仕方(西洋的な考え方)には行き詰まりがあって、中庸的な考え方に変化するようなことが起こるかも、というところが面白かった。
正解はひとつではないし、現状以外の正解もある。そういう自分や身の周り、社会の変化を楽しめるようにしたい。
Posted by ブクログ
京都大学総長の山極寿一氏が語る、ゴリラに学ぶ「ヒトの未来」。ゴリラに学ぶ、ヒトにしかない能力とは?ヒトの限界を超えたテクノロジーとどう付き合い、幸せになるか・・・!
Posted by ブクログ
自分はバリバリの文系なので、理系的な考えが足りないと日々感じています。
この本では、霊長類の中でも最も人に近い生物、ゴリラと人類を比較して、テクノロジーによって失いつつある「野生」について語られています。
ゴリラとの生活はカルチャーショックを受けるほど刺激的で、ゴリラの子どもと、シルバーバックの話は、目に浮かぶようで面白い。
頭ばかりを働かせているようでいて、現代人はものを考えなくなったし、常に情報に翻弄されて、自分の意思を持つことが難しくなっている。
人間が一度につながれる限度は150人という具体的な数値がまず衝撃的でした。
SNSで、何万人というアカウントを持っていても、脳の観点から言うとキャパオーバーをしているらしい。
沢山情報がありすぎると均一化した情報が欲しくなり、多様性が失われてしまう。
加速的にテクノロジーと社会は進歩しているようだけど、ヒトとしての能力は退化しているのだと思うと、なかなか恐ろしかった。
未来のユートピアの話もあり、希望も持てる。
Posted by ブクログ
信頼関係は身体が触れ合うことでしか生まれないっていう考え方はなるほどと思った。五感を共有することで、信頼関係が生まれる。食事を共にすることが大事なのはそういうことなんやなと思った。だから歓迎会とかもあるし、気になる人を食事に誘うのもそういうことなんやなと。
Posted by ブクログ
Twitterフォロワーさんが「目次からタイトルを推測できない本」と書いていて気になっていた本。ゴリラフィールドワークを通じてコミュニケーションのあり方を見つめ直す。現役中高生が読んでの感想に興味がある。最近読む文章を通じて改めて分かるのは、少なくとも今の人類には思考には身体接触(空間共有)が必要ということ。