【感想・ネタバレ】吉本興業史のレビュー

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Posted by ブクログ

文字通り、吉本興業の芸能史。

昨今の反社会勢力との話もあったが、そもそも芸能と反社は切っても切り離せないものであったことがよくわかった。

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2022年03月14日

Posted by ブクログ

興味深い既述も多くあったが、今揺れている吉本興業について『吉本興業史』と名付けたにしては物足りなかった。
「私の吉本格闘史」とかだったらまーよかったけど

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2020年08月09日

Posted by ブクログ

これまで吉本興業をテーマにした著作を結構読んできた。書棚の一角の芸能・演芸本コーナーには、山崎豊子『花のれん』・難波利三『小説吉本興業』・西岡研介『襲撃-中田カウスの1000日戦争-』・常松裕明『笑う奴ほどよく眠る-吉本興業社長・大崎洋物語-」・増田晶文『吉本興業の正体』が並び、山平重樹『神戸芸能社』にも吉本興業は登場し、山口組との根深い関係が紹介されている。

本書の第1章タイトルが『ファミリーの崩壊』。吉本せいや桂春団治の口差押え事件あたりから、ゆっくりとこれまでの歩みを触れると思いきや、昨年世間の話題をさらっていた『吉本所属芸人による反社会勢力会合に参加した闇営業問題』に触れる。確かに、ここ10年だけでも創業家のお家騒動・中田カウス暴行事件・島田紳助の暴力団と「黒い交際」発覚による引退など、血生臭いトラブルが多発した吉本興業。元広報マンとしては避けて通るわけにはいかない大テーマだったことがわかる。

著者は2015年に退社するまでの間、数々の謝罪会見を仕切ってきた。その豊富な経験から『謝罪マスター』の称号を持つだけに、隠さず、ボカさず、はぐらかさず淡々と語る。それは芸人だけでなく歴代社長や上司にも言及。

そして、本書後半には再度、令和元年のあの騒動に筆を執る。松本人志が『(昨今の吉本興業に対し)
芸人がいての会社。芸人ファーストじゃないと意味がない』と語った。確かに尤もな話。かつては商品である芸人を極めて大事にしてきた。その最たる例が横山やすし。暴言・暴力・酒酔いで生放送に出演…再三不祥事を起こすも守りに守った。

そんな企業風土を持つ吉本が近年罹っているのが
『商品(芸人)供給過多病』。『足りない商品を増やす』戦略から生まれた吉本総合芸能学院 NSC〉の創設の功罪。ダウンタウンを筆頭に師匠を持たない所謂『無印芸人』が増えに増え、今や所属タレント6,000人。そこを出たところで、プロの芸人という免罪符を得たわけでなく、あくまでも〈芸人の卵〉。芸人として飯を食っていけるのはわずか。そんなことは端からわかってるはずなのに、宮迫問題はいつの間にか吉本の企業体質への糾弾、ギャラが安過ぎる、売れない芸人の生活保証をしていない、ひいては吉本はブラック企業という話にまでに拡大していったことは記憶に新しい。

それって『あっ!東京タワーにゴジラが!』と同じ。50m・2tの巨体が東京湾から上陸し、東京タワーにたどり着くまで誰にも気づかれなかったの?とツッコミたくなる、アレと酷似していると思うのは僕だけかな?

冒頭に触れた第1章の『ファミリーの崩壊』は、通読すれば、本書の通底テーマであることが分かる。芸人と社員が家族のように触れ合い、それが『書類なき契約関係』という形態が吉本の常識、世間の非常識となり喧伝されることになった。

本書には掲載されてはいないが、上岡龍太郎の芸人論が腑に落ちる。『ヤクザも芸人も根が一緒。元々同じタイプの人間。できるだけ楽しくしたい、皆と一緒のことはしたくない、それでいてチヤホヤして欲しい、お金はようけもらいたい…。ほとんどこういう考えの人間が芸人とヤクザになる。ただ、向こうは腕が達者で、こちらは口が達者というだけ』。

この私家版吉本企業史を総覧すると、契約書がないとかギャラの配分率が9:1であるとか言われる…、『アバウトさやカオスさは芸人の世界』と思っていたのは、100年企業 吉本の刷り込みしたものだったんですな。

以前のお家騒動から打ち出した策が上場廃止であり、コンプライアンス遵守であった。昨年の騒動しかり、これまでの騒動やトラブルのほとんどは『組織内』に起因し、それを解決するに当たり、戦略的に『広報』活動を行い、結果『焼け太り』となり、乗り切ってきた。

松ちゃんから突きつけられた『芸人ファースト』をどう解釈し、ブラック企業の汚名を宮迫氏への意趣返しとして『オフホワイト』まで薄め、大変貌を遂げるのか、気になるところ。

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2020年07月27日

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