【感想・ネタバレ】告白のレビュー

湊かなえ

[ブクログ · ★★★★★]

まさに目には目を歯には歯をだった。
その話必要かなと思っているところが後々重要なことに繋がっていたりするのが面白い。
森口先生の最後の言葉に背筋が凍った。
森口先生は渡辺と下村に復讐したけれど、娘を殺した人達を守ろうとした桜宮のことも憎みはじめていたと思う。
感染する確率が極めて低いことはわかっていたため当初の予定通りの復讐であれば復讐が成功しても2人だけで完結していたのに、更生を信じろと復讐を阻止したために関係ない人が犠牲になった。
森口先生の最後の言葉は「人は更生できるんでしょ？あなたの言った通り更生の道を残しましたよ」というような桜宮への当てつけのようなものも私は感じた。
中学生の心の揺れがリアルに書かれていて作者は人の心が見えるのではないかと思った。
はじめ渡辺は母親の気を引くために褒めてもらえるような発明品を作っていたのに、病気になれば、犯罪を犯せばと悪い方法で気を引こうとしていたのが、少しずつズレていく感覚がして切なくなった。これは小学生よりも知恵がついてきた思春期の中学生ならではの特性なのかなと思った。(中学生全員が当てはまるとは限らないが)
渡辺に同情しそうになったけれど全く関係ない愛美の死のきっかけを作ったのだから同情できない、森口先生は爆弾を撤去して渡辺を守るなんて心が広いのだな、私だったら許せないと思っていたら思っていた以上の復讐方法で、「え…」となった。でもあの復讐方法が一番森口先生の納得できるかたちだよなとも思った。

[ブクログ · ★★★★★]

本当に面白い作品だった。読んでいてすごく嫌な気分になるが、ここまで人間の内面を表した文が織り成されていることには頭が下がる。
様々な角度から、登場人物な心情が描かれており、ストーリーとしても面白かった。何より構成が凄い。いつか、もう一度読みたいと思った。この作品に出会えてよかった。

[くぼたん · ★★★★★]

みんな怖すぎる

こんな話だなんて想像してなかったです。。
この話では母親の存在がいかに子供に影響をあたえているかが分かりました。母親って大丈夫だなああ
少年たち人衝動で簡単に殺しすぎでしょ笑とは思ったけど殺し以外には一つ一つの行動にちゃんと意味があったのに、殺人だけは衝動っていう、、なかなか考えさせられるお話でした。読むにつれてだんだん事件のその後の真相について分かっていくんですよね。鳥肌やばかったです。おもしろすぎて、手が止まらなかったです。普段小説をあまり見ない私でも一気に読めてしまいました。。

[はろろ · ★★★★★]

告白

この作品は
母と子供がなかなかうまく噛み合わないことで起きてしまった出来事で、周りを巻き込み、いくつかの殺人事件にまで繋がり、復讐、いじめ問題、上手くいかない人間関係、HIV、色々な要素が詰まった話。最後の最後まで、恐怖感が続きましたが、
たくさんの伏線が、最後に一気に回収されて、読み終わった後はとてもスッキリしました。

＃深い ＃怖い

[ブクログ · ★★★★☆]

娘を生徒に殺された女教師の告白から始まるお話。
犯人やその家族の視点へと移り変わり、事件の真相が明らかになっていく。
書き方が上手すぎてあっという間に読み切ってしまった。
最後のところは痛快だったけど少ししっくりこなかった。
あの爆弾はもっと効果的な使い方があったんじゃないか。思いつかないけど。
そんなやり方でAを後悔させられるかな、結局手を下したのは女性教師にならないだろうか。自分の手でやっちまったという気持ちになれるかがよくわからないな。
ただ、犯行前にラブレターを公開したのが結構でかいミスなのであれでよかったのか。
ずいぶんと高度な復讐劇でサイコーだった。
他の著書も読まなきゃならない。

[ブクログ · ★★★★☆]

すごく読みやすい文体で書かれています。
読み始めたらすらすらと読め、引き込まれあっという間に最後まで読み終わってしまうような本です。

いろいろな面から物事を考えるきっかけのような示唆をあ立ててくれる文章のように感じました。
例えば「信頼関係」とはなんだろう？少年犯罪における年齢とはなんだろう？犯罪を犯す生徒とそこに関わる教師の責任とはどう考えられるのだろう？
などなど。

また、物語はそれぞれの登場人物の告白によって徐々に深みをもって明らかになり、同じ事象をなぞっているにも関わらず新しい事実が読者にまた違う側面として衝撃を与えていきます。
このあたりの文章の作り方も巧みで作者の文章の作り方は天才的だなと思いました。

登場人物の多くはものすごい極悪人でもものすごい善人でもない人物ばかりで、自身の日常と照らし合わせて共感を感じさせるようになっているように思います。
これがさらに物語に引き込ませる理由かなと感じました。

罪を犯した子供は更生できるのだろうか？
人間の倫理観は一体どのようにして形成されるのだろうか？

[ブクログ · ★★★★☆]

面白くて2日で読み終えた。
美月の手紙を読んでウェルテル確信犯すぎるだろと思っていたけど、他の人の視点を見るとただ憧れの人に向かって頑張っていただけだと分かった。
犯人に同情することはできないけど、育てられた環境がその人の人格に深く関わるんだなと思った。

[匿名 · ★★★★☆]

好きです

こちらは読後感すっきりとまではいかなくても、いい終わり方だったのではないかなと思う最後でした！
初めに読んだ作品は読後力が抜けてしまうような終わり方だったので、本作品もドキドキしながら読んでおりましたが今回のような最後も私は好きです。
やはり他の作品も読んでみたいと思わせる作品でした。

＃深い ＃ダーク

[ブクログ · ★★★☆☆]

面白かった。
読みやすくて1日で読み切ってしまった。
とんとん拍子でストーリーが進んでいく。
個人的にはもっとトリックがあって、の方がドキドキするけど面白かった。
加害者の少年たちが中身がひねくれすぎてて更生の余地がない感じが、救われない。1番可哀想なのは何の罪もないのに殺されてしまった愛美ちゃん。最後も加害者の男の子たちは痛い目をみてるけど、自分がしてしまった罪の大きさを感じ取れてない感じがしてやだ。共感できないから、こっちも客観視してみるしかなく物語に入り込めないのかな、と感じた。だから、結局物語の中で起こったことなんでしょって思って割り切っちゃうのかも。でも、実際はこんなもんなのかもね、世間で言うところの犯罪ってのも。
友達に聞くと、「人生変わる作品」とか「読書好きにさせてくれる作品」と言われたがそこまでじゃないと思う。面白かったけど、どんでん返しって感じではない。

[ブクログ · ★★★☆☆]

人を殺してしまった小学生を法で裁くことなく追い詰めていき、その連鎖で第2、第3の殺人が起こる。
頭の良い子供の犯罪ということでスティーブンキングのゴールデンボーイ(内容の詳細は忘れてしまったがこれを読んだ時の恐怖心を思い出した)を思い出した。
ストーリーの展開は早く、どうなるのだろうという好奇心であっという間に読み終わったが、あとがきの映画監督の言葉にもあったように、「最終的に何の救いも解決も示すことなく」、読後感は良くなかった。