感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ふとタイトルを見て思った。
昔あんなに、あちこちでたくさん見かけたホームレスの人々、今何処へ。
東京オリンピックの影響だったり、クリーンな街(そもそもクリーンな街ってなんだよ?何基準なんだ?)
を目指す云々も含め
都庁が新宿に建設されたときは、御膝元にいられたら困るわけで。
なんだか高度経済成長で出稼ぎに来てそのままだったり、会社をクビになったり、本当に多種多様だなと思うし。
今は国管理の河川敷に住んでいたり、またはアパート入って生活保護とか。
なかなか表に出てこない話題だけど、今の現状現実を知るのも大事だなと思った。
Posted by ブクログ
ルポの王道、みたいな。
20年以上ホームレスを取材してきた著者が、公機関のデータとは別の視点でホームレスの方の生態(っていうか)を書いたものです。どんな人たちが、どんな生活をしているか。何が大変で、何が大変じゃないか。(気楽でいいわーと思って暮らしている人もいる、少数だが)。自治体が行うホームレスの支援がうまくいかない(ズレてる)理由や、高度経済成長期に仕事がたくさんあって、ホームレスの人が日雇い仕事に出かけて行った時代と、現代の違いなど。
時代が移り変わり、日雇い労働では生計がなりたたなくなり、ドヤ街も消滅、ホームレスも減少し、近々消滅するだろうとのこと。
なかなか面白い考察で、興味深かった。
時代の流れというものは、誰にもどうしようもないものだな。と同時に、それに大いに乗っかって(ホームレスの人、日雇い労働者を利用して)大儲けする人もいれば、その日暮らしで時代の流れに取り残され、気づけば暮らしていけなくなった、みたいな人もいる。何が正しいのかわからなくなるけど、そもそも何かを「正しい」と決めるのも変なことかも。
「ホームレスという暮らし方」=「正しくない」とは考えずに、密着して人々の生き方を追っている、これぞルポ!って感じでした。
Posted by ブクログ
10代、バスガイドのころ大阪城公園を案内するとブルーシートだらけの城の周りに地方の人がよくびっくりしていた。住所も立派でドアがついていたり、犬も見かけた。当たり前に見ていたブルーシートが並ぶ公園は、いつのにかもうない。
ちょうどその頃東京に遊びに行った時に見かけたのと比べると大阪のホームレスは立派な住居をかまえるイメージではある。
Posted by ブクログ
前に読んだ「樹海考」は樹海で自殺者を探すのが趣味の、下劣な感じのする本であまり好きではありませんでした。あれで見切りをつけたつもりだったのですが、ホームレスをテーマにした本書は良く調べて書かれた本で、グッと中身の詰まった良書でした。見切らなくてよかった。
本書は1990年頃から少しづつ取材をしてきたものをまとめた本で、ホームレスをPOPに賛美する本ではなく、ホームレスという存在から見た社会の移り変わりを丁寧に、しかも読み物としての興味深さを失わずに書かれているので、意外と万人にお勧め出来る本です。
山谷、西成、寿町という日本三大ドヤ街が、労務者の高齢化によって存在意義を失いつつ有り、いずれ消滅していく事が明白だという事がとても興味深く、何故か少し寂しい気がしました。
思えば新宿西口にもホームレスが沢山居た時代がありました。公園にも小屋掛けしている人たちがいたのも記憶にあります。最近ではそういった場所でホームレスを見かけなくなりましたね。そういえば上野公園は大っぴらにテント張っていたなあ。
路上生活している人が減るのは実際いい事だと思うし、見かけると落ち着かない気持ちになるのも事実でした。
でも、今もし自分が路上生活しなければならなくなったとしたら、いったいどこに行けばいいんだろうと思うと、行き場が無いなあとも思うんですよね。若い頃は、自分が社会に適応できるか不安で、いつかホームレスになってしまうのではないか。と漠然とした不安がありました。
今ホームレスになると、漫画喫茶で夜を明かして仕事を求めてさまよっているので、街を歩いているだけは分かりません。水面下で住む場所を確保出来ない人々が増えているのは漠然と不安です。
この本に出てくる人々は、ホームレスであることで自由を得ているように見えました(見えてないけど)。
Posted by ブクログ
ホームレスという題材を新書で描くという、
個人的には新しい試みのような気がします。
データの基づいた話が多い中、らむさんの体当たり取材の結果が集まった一冊だとおもいます。