【感想・ネタバレ】鬼恋綺譚 流浪の鬼と宿命の姫のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいて固有名詞に見覚えがあるなと思ったら、改題前に『異説・播州皿屋敷』なる文言が付いて成程と。
いつぞや見た皿屋敷展を思い出しながらの読書となった。

それにしても随分と大胆なアレンジ。
最初は皿屋敷要素はそれこそ固有名詞くらいにしかなかったが、中盤以降「皿」要素も出てきて俄然期待は高まった。
(最初「一枚、二枚……」と言い出した時はお札か何かかと思い込んでいて、すぐに皿と気付かなかった阿呆はここだ)
そうなると、あの名前を頂いているヒロインの行く末は自ずと決まる訳で。
途中まで生死は分からないままで、寧ろ生存を信じていたくらいだったが、皿屋敷の話となるとそうなるよなと思い、真相が分かった時は本当に涙を禁じえなかった。
但し、予想以上に惚れ惚れするほどかっこいい最期だったが。

序盤は登場人物も時間軸も交代するため多少混乱したが(要は誰を主軸に読んでいいか迷子になる)登場人物を把握しきれたくらいから本当に面白くなった。
それに読み切った後は、ああ主役は結局あの人だったなと繋がるのも面白い。
青山と小寺の民をも巻き込んだ騒動。
その真相は最終的にどんでん返しというか因果応報というか、こちらが予想していなかった展開になるのもいい。
鬼の設定と言い、「皿」の使い方と言い、何故「彼」が癒しの力を持ったのかというその理由と言い、本当に細部にまで設定が丁寧に練り込まれていていい。
基本的にびっくりする伏線ばかりだが、中には大味なものも。
デビュー作らしい荒々しさということで、これも持ち味か。

恋愛ものと見れば確かに悲恋だが、結末はこれまた予想外に清々しさまで感じるもの。
鬼の呪いの力がえげつないものだったことを考えると、寧ろ薄味に思えるくらい。
ただ「彼」の新たな旅立ちとしては、過去の因縁に引きずられなくていい気がする。
それに「彼」は一人ではない。
本編のあの重苦しい雰囲気を一掃するエンディングである。
「彼」はこれからも色々な人を癒して回るのだろう。
その旅が「彼」自身をも癒すことだと願ってやまない。

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2020年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

和製ロミオとジュリエットね……あー、うん、そうね……。皿屋敷だったけども……。
ハッピーエンドじゃなかったのがね、微妙でした。ロミジュリならそうなんだろうけども。

0
2022年02月22日

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