感情タグBEST3
Posted by ブクログ
吉本隆明氏の著書をはじめて読みましたが、これまで読まずぎらいだったとおもいました。
けっこう醒めていて、乾いた感情かとおもいますが、分かりやすい内容でした。
ものごとには両面があり、必然がある。
人の多少の努力や考えなどは、大勢を変えることなく、ゆきつくところまでいってしまう。
気になったのは以下です。
・いじめるほうもいじめられるほうも両方とも問題児だ、ということだ。
・いつも明るいところばかりを見ていたら、暗いところにあるものが見えなくなってしまいます。そもそも、暗いところにこそ、真実が隠されているのではなにでしょうか。
・いくら科学技術が発達しても、人間の魂、精神が発達するわけではありません。むしろ、人間の精神というものは悪くなっていくものだという考え方もある。
・天然自然を主体に考えたら、いいことも、悪いこともあるのが当然であって、悪いことを言わないというのは、それだけで、もうだめな証拠だということです。釈迦、キリスト、孔子、老子たちがいいことしか言わないのは、世の中に悪いことがたくさん現れてきたためというのです。
・現に、日本の現代を例にとっても、少しもいい時代になっていないことを実感します。
・本を読んだことによって毒がまわったかもしれないと考えるようになりました。
・何かに熱中するということは、そのことの毒も必ず受けるということです。
・人間自身もそうですが、すべてのものは善と悪を併せ持っています。
・毒が回っている人の特徴は、何でもやりすぎるということです
・いい生き方:自分が持って生まれた運命や宿命というのがあるとすれば、それに素直に生きていくことではないかと。
・蓮如:「白骨の御文章」 朝に紅顔を誇っている身も夕には白骨と化す
・親鸞:修業なんかしても浄土に行けない。浄土は実体ではないから、行くも行かないもない。ある意味で仏教にとどめを刺した人です。
・「いいもの」は好き嫌いで判断できない何かを持っている
・期限をみれば本質がわかる
・僕は噂話や消息通の話など一切信用せず、自分の目や感覚で人やものをみるようにしてきました。良し悪しというのは、バランスのようなもので、全否定も、全肯定もなかなかできない者だと考えています。
・一般の人間関係においても、いい関係かどうかを判断する基準というものを持っています。それは、お互いが言いにくいことをきちんと言えるかどうかです。
・親鸞だけが、死ぬことは不定だと言い切って死ぬ時のことをあまり考えない方がいい、どういう風に死ぬかはわからないのだから考えても無駄であるという意味のことを言っています。
・誰も教えてなんかくれないよ、自分で考えて、自分でやらないとやっていけない。
・理想の自分と現実の自分が違うことがほとんどです。
・自分がなりたい仕事と、他人から見た向き不向きが違うことはよくあることです。そういうときには両方やって、両方の修練をすればいいと僕は思います。
■結論:すべてが逆な方向へ進んでいる
・いまの日本は、道徳的にもよくないから、品格とか愛国心とか武士道精神といったもの復活させようという考えがブームになっているようです。しかし、僕はそういくことは無駄である、初めから無駄なんだと考えています。
・こういうのがいいんだ とわかっていても、そうはできないし、そのとおりにはならないのが現在の大きな問題なのです。やる人がいないし、耳を貸す人もいません。もしいても、それは少数だけで、根本的にはならないでしょうか。
・一つはっきり言えるのは、いいことをいいと言ったところで無駄だということ、何はともあれ、いまは考えなければならない時代です。考えなければどうしようもないところまで人間がきてしまったということは確かなのです。
・いま、行き着くところまできたらこそ、人間とは何かということをもっと根源的に考えてみる必要があるのではないかと思うのです。
目次
まえがき
1 善悪二元論の限界
2 批評眼について
3 本物と贋物
4 生き方は顔に出る
5 才能とコンプレックス
6 今の見方、未来の見方
あとがき
ISBN:9784062770057
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:260ページ
定価:620円(本体)
発行年月日:2012年03月21日第3刷
Posted by ブクログ
本書が刊行されてから12年余り。日本の状況は、吉本氏が最低と評してから留まるところを知らず落ち続けているようにみえる。おそらく吉本氏の言う、本質を考えなかった結果なんだろうと思う。現政権がここまで民意を無視してやりたい放題なのも、私達が考えなかった結果に違いなく、私達が育て上げた政権なのだろう。ではどうすればいいのか?やはり考え続けることでしか解決法は見つからないのだ。
思考停止状態から脱するには、或いは底の底まで行く必要があるのかもしれない。
失わないと気づけないところまできてしまった。
Posted by ブクログ
・「平家は明るい。明るさは滅びの姿であろうか。」太宰治
→明るいからいい、暗いからだめ、の二元論ではなく。
・倫理的にいいことしか言わないのはおかしい。安藤昌益
天然自然を主体に考えたら、いいことも悪いこともあるのが当然。
→いいことを言うやつが増えたら、時代が悪くなってきた証拠。
・本にも、お金にも、毒がある。
・いい作品とは。
そこに表現されている心の動きや人間関係というのが、俺だけにしか分からない、と読者に思わせる作品。
↓
読んだ人ぜんぶが、俺だけにしかわからない、と感じれば、普遍性があるということ。
・「歩きながら書かれた文章でなければ読む気がしない」似ーチェ
=運動性を伴うことで、自分の資源となる。
・天皇は、神主である。
・言いにくいことを言う。その解放感。
・日本人には、包容力がなかった。だから、カッとしてしまう。島国ゆえの。
・人を見る上で大事なこと。
その人が、何を目指しているか、何を志しているか、という、生きることのモチーフ。
・老人とは、人間の中の動物性が極限まで小さくなった、より人間らしい人間である。
・自分にとって重要なこと。
その時代その時代で、みんなが重要だと思っていることをすこし自分の方に引き寄せてみたときに、自分に足りないものがあって行き得なかったり、行こうと思えば行けるのに気持ちがどうしても乗らなかったりする、その理由を考えることだ。
・いまは、行き着く所まで来てしまったので、人間とは何かについて考えなおさねばならない時代。
Posted by ブクログ
共同幻想論などとは異なり読みやすいが、さらりと書いた文章でも意味を理解するには、かなりの筋肉(読書量)が必要かと思う。3割くらい解釈できたかなぁ。
Posted by ブクログ
著者は自分の言いたいことをこの本で言い切ったのだろうか。そんなことはないだろうなと思った。
平易な文体だし、語りかけるような口調で終始話が進むから読みやすいのは読みやすい。そして、人間の性格形成は、幼少期までの母親もしくはその代わりとなるような人との関わり方に決定されるという考え方が、もうこれでもかと何回も出てくる。翻って見て自身は良い育ち方ができたのかどうかは恐らく死ぬまでわからないのだけれど、この本で言うような物事は、そして人物は、善と悪だけに限らないし、ある面で善くともある面で毒がまわってるという考え方を、できる限りしていきたいし、最後の最後までとことん追い込むみたいな真似はしないでいられるような、言ってみれば潔い人間になりたいと、そういう読後感。
Posted by ブクログ
この人の本は以前から読みたかったのだが本気の本は内容がまったく理解できそうになさそうで敬遠していたが、書店で見つけたこの本はとてもライトで書かれた時代も10年くらい前のものでしっかりと頭に入ってくるので購入。
著者の考え方がはっきりとしているのですべてに共感できることではないが
・あらゆるものに利と毒がある。
・いい作家とは俺にしか分からないだろうと多くの読者に思わせること。
・良好な人間関係とは言いにくいことをはっきりと言える関係。
・以前は作者の文学的成熟と社会的成熟の時間経過を世の中が待ってくれていたが現在はそれを持ってくれない。
だから大家が生まれにくくなる。
・戦時中など社会全体が悪になっている時は個人個人の倫理観が高くなる。しかし平和な時は逆に個人個人の倫理観が低くなる。
などなど。
おもしろい考え方を教えてもらった気がする。
Posted by ブクログ
吉本隆明氏(2012年逝去)の晩年にインタビューに基づいて書籍化され(2007年)、2011年に文庫化された。
私は全共闘に影響を与えた時代の吉本氏は知らないが、氏が晩年に記した著作やインタビューから、多くの示唆を与えてもらったように思う。
本書では、1.善悪二元論の限界、2.批評眼について、3.本物と偽物、4.生き方は顔に出る、5.才能とコンプレックス、6.今の見方、未来の見方、が取り上げられているが、特に印象に残ったセンテンスは以下である。
◆善悪二元論の限界~「明るいからよくて、暗いからだめだという善悪二元論で考えると、物事の本質を見誤る恐れがあります。無意識のうちに答が決まっている価値判断は、無意識のうちに人の心を強制します」、「いまという時代は、善悪両面から見る、あるいは善悪という価値観を脇において物事自体を見ようとする、そういう見方が必要な時代なのです」
◆批評眼について~「一番大事にしているのは自分の肌感覚というか、身のまわりの印象です」
◆本物と偽物~「僕は、男女関係に限らず、一般の人間関係においても、いい関係かどうかを判断する基準というものを持っています。それは、・・・お互いが言いにくいことをきちんと言えるかどうかです」
◆才能とコンプレックス~「大切なことはその都度変わっていきます。だから何が人生で重要だというふうに言われたら、ずっと一貫して、大切なものと現状の自分との距離について考えていくことだと思うのです」
◆今の見方、未来の見方~「一つはっきり言えるのは、いいことをいいと言ったところで無駄だということです。それは歴史が何回も証明してきました。いいか悪いかではなく、考え方の筋道を深く追わなければ、問題の本質が見えてきません。考え方の微細な筋道をたどっていかないと、解決の糸口を見失ってしまうでしょう」
吉本氏の思想の一端が分り易くまとめられた一冊である。
(2007年5月了)
Posted by ブクログ
p180
赤ん坊から全思春期までの間柄にその人よ性格がきまる。そのなかでも重要な期間が2つある。
乳児期、もう1つは全思春期にちかい十代なかばである
Posted by ブクログ
生き方や考え方,子育ての仕方などについて吉本先生の「考えてきたこと」が書かれている。押しつけがましくもなく,あくまで私はこういう考えたでいますというスタンスで書かれているので,なるほど,こういう考え方もあるのかと納得させられてしまう。
生まれつきの性格は前思春期までに形成され,その後は自らの意思で変えようとして他人に見せている性格で,根本は変わらないといった内容のことが書かれているが,これはよくわかる。僕って本当は根暗だし。
Posted by ブクログ
書かれている内容は、一節ごと分かりやすく、良識と言えるものばかりで、ほぼ全てうなずくことができるものだった。
マルクスの考え方らしいが、人間が手を加えたこと(仕事)は必ず付加価値があるというような文書があり、妙に深く考えさせられてしまった。自分が行っていることに対して卑屈になる必要はないが、責任を持つことを忘れてはいけないと考えた。
Posted by ブクログ
何事にも、良いところと悪いところがある。小説には小説の、職業には職業の毒があり、薬がある。
一つの物事を両極から眺める、著者の絶妙なバランス感覚に脱帽しました。
この本を読んで、どんなものにも応用の効く、新しい視点を手に入れましょう。
Posted by ブクログ
抜き書き。
いじめるほうもいじめられるほうも問題児。
誰もが生死をかけて自分の人生を生きている。当たり前なようで誰も当たり前に思っていないのかもしれない。
いつも明るいところばかり見ていたら、暗いところにあるものが見えなくなってしまう。そもそも、暗いところにこそ真実が隠されているのではないでしょうか。
「ひょっとしたら全滅だ」というところに競い合っていこうとしているのを、日本が真似することはないし、また、そんなものをいいと言う必要はない。核兵器を持つことについては、どちらの国が悪い、どちらの陣営がいいではなくて、全部悪いんだというのが正しいと思います。
自分自身の問題として、時にはどういう毒が自分にまわっているかということも冷静に考えることをしないと、大きく間違ってしまうこともあるのではないでしょうか。
聖職者の職業の毒として、もっとも問題なのは、「教える毒」ではないでしょうか。「教える毒」とは、わかりにくいかもしれませんが、僕らの商売でもそれとちょっと似たようなところがあります。「教える毒」に対して僕が一番気をつけているところは、いいことを言うときには、何気なく言うということです。
でも、いいことをいいこととして言うと、みんなが道徳家になってしまいます。これはよい、これは悪い、こうするのはよい、こうするのはよくないぞと断じていくようになり、いつももっともらしい口ぶりになっていくわけです。それはある種の毒です。
文句なしにいい作品というのは、そこに表現されている心の動きや人間関係というのが、俺だけにしかわからない、と読者に思わせる作品です。
僕は一般的な情報を新聞やテレビからとっていると言いましたが、一番大事にしているのは自分の肌感覚というか、身の回りの印象です。
ちょっと変な大人を見たら、この人は前思春期までの育ち方、親子関係に問題があったんだなと思うと合点がいくと思います。親に愛されていなかったり、不幸なことがあったりという事実が、間違いなくあったはずです。
僕は、男女関係に限らず、一般の人間関係においても、いい関係かどうかを判断する基準というものを持っています。それは、とてもシンプルなものですが、お互いが言いにくいことをきちんと言えるかどうかです。
東洋人に属するけれども、大陸の荒波にもまれたことがないから日本人というのは何となくこぢんまりしているのです。大陸の人から見ると、日本というのは、ばかに頭もいいし、科学・技術もヨーロッパ並みに発達して、アジアでは先進国のはずなのに、どこか包容力がない、と思われているところがあるような気がします。
日本人はふだんはおとなしいのに、変なことになってくると、もともと包容力がないものだから、カッとして人をいじめたり荒々しく振る舞ってしまう。
役職では上下があるのは当然としても、その上下はあくまでも仕事上のものであって、人間としては対等であるという意識が身についていないのではないでしょうか。
ただ気をつけなければならないのは、計算高さは、顔や挙措振る舞いの中に自然に出てきてしまうということです。恋愛関係であろうと、一般的な人間と人間の関係であろうと、それはあまりいい印象を相手に与えません。利害関係を自分の中でどういう心がけで持っていたらいいのかは、その人の全体の人格に関することだと思います。利害ばかり考えていたり、言っていたりすると何となくそれが全体ににじみ出てきて、相手にもあまりいい印象を与えないかもしれません。
「経済的にも豊かだし、物騒なこともなくて、日本のほうがずっといいですよ。ただ、フランスには何ともいえない自由さがあるんです。国とか人種とかには何のお構いもなく、誰とも自由につきあえる。それは、日本で言う自由さとか差別のなさというのとはまるで次元がちがう」と。
大切なことはその都度変わっていきます。だから何が人生で重要だというふうに言われたら、ずっと一貫して、大切なものと現状の自分との距離について考えていくことだと思うのです。
いまの日本は、道徳的にもよくないから、品格とか愛国心とか武士道精神といったものを復活させようという考え方がブームになっているようです。しかし、僕はそういうことは無駄である、初めから無駄なんだと考えています。そういう復古的ないし懐古的なやり方が、このかつてない新しい社会の状態に対して通用するでしょうか。僕は、復古的な考え方は通用しないと思っています。
一つはっきり言えるのは、いいことをいいと言ったところで無駄だということです。それは歴史が何回も証明してきました。いいか悪いかではなく、考え方の筋道を深く追わなければ、問題の本質が見えてきません。考え方の微細な筋道をたどっていかないと、解決の糸口を見失ってしまうでしょう。
Posted by ブクログ
軽い会話的文章ですいすいと読んでしまい、肝心な思考がはじまらないうちに読み終わってしまった。2回目読みマストです。戦争感など意外と思える思想の持ち主だったことが驚きだった。特に何か指針が欲しい、と思っているわけではなかったが、実は求めているのかも、と読みながらふと感じてしまった。不思議な読後の心境。
Posted by ブクログ
吉本隆明の本は難しいのだが、これは語り口調で読み易くわかり易い。そうかなぁ?と思う点もあるが、流石に吉本隆明だと感心させられる事が多かった。色んな点で人生の指針になる本だと思う。もっと若い頃に出会いたかった。
Posted by ブクログ
北海道文学館の展示鑑賞後、何か一冊と思い、書店で平積みされてたのを購入。
文学であってもどんな職業であっても毒と利があり、どういう毒が自分に回っているか自覚的にならねばいけないということは職業人生の中盤にさしかかり始め、本を読むことを趣味とする私には深く刺さった。
一方で人格形成を思春期までの母子関係に還元するなどやや??と思うこともある。
内容丸のみの読み方よりも、自分の価値観や時代性を踏まえ考えながら読むことに適した一冊。
Posted by ブクログ
インタビューを元に編集者がまとめた形になっていて読みやすい。全面的に同意できる内容とは思わなかったけれど、「善悪二元論の限界」はよかった。
善悪二元論を推進しているのは間違いなくアメリカで、アメリカ発のソーシャルネットワークサービスだって二元論。ソーシャルと言いつつ、フレンドやフォロワーは好きな人、あるいは関心のある人。そうじゃない人はフレンドやフォロワーにはしない。そう言えば、Facebookも出発点は女子学生の二択だったよなぁ…などと今回は本の主題から大きく外れてみたり。
Posted by ブクログ
【要約】
【ノート】
・珍しく本屋で気になり、そのまま購入した。読んでる途中(昨日)、吉本さんの逝去。
・今まで吉本さんの著作を読んだことはなかったが、糸井重里さんがエラく推すので気になり始めた。
・サラサラっと読めるけど、もっと深いんだろうな。
Posted by ブクログ
時事、政治、人生、思想と様々な関心ごとについて吉本隆明の脳内をそのまま開陳したようなインタビュー。統計ではなく印象で語ると言いきっており、内容のほとんどが飲み屋のでのオヤジ談義のようで、吉本隆明だから活字になり出版されてるだけのことである。また、構成的に明確な主題もなく、話題がとんだりダラダラと続いたりしている。
戦争という悪のもとでの庶民の暮らしは意外にも倫理的であった一方、平和な時代に暮らす者の方が比較的荒んでいるという指摘は、あくまで印象論であろうが多くの戦中派の世相の見方を特徴付けるものである。吉本隆明が三島由紀夫を述べるとき、外観上では自身と大きく信条が異なりながらも理解を示している。戦中派として、経験のベースを同じくしていることが前提にあるように見える。
戦時中の清廉さを感じていない私にとっては、むしろ戦後の堕落と怠惰に対してかけがえのない価値を感じ、一方で戦時中の社会に対してひたすらに虚妄と狂気を印象づけられている。どちらが歴史の正しい見方というのではなく、パースペクティブの違いであろう。個人的にあらためて強烈な断絶を感じた。
Posted by ブクログ
高校の頃にはずいぶんとかぶれていた。ま、例の共同幻想論に。
大学以降は肩の力の抜けた語りに魅せられた。
生活する知識人、知識人的生活者、に。
そんな吉本隆明による、大・放・言!
きっと女性には受け容れがたいであろう母親責任論、戦中派の持つマチズモ、には苦笑い。
そう、つい苦笑いしながら、またあの偉い爺さんがねぇ、と。
ビジネス書的切り口の多さには辟易したが、やはりこの人の文芸評論は再度見直さなければ。
・物事の両面。
・人間の精神は悪くなる一方。
・本の毒。
・運命すなわち性格に素直に生きる。
・親鸞の逆説。天国は実体としてはない。宗教にとどめ。
・欲望自体が懐かしい。
・俺だけにしかわからない、と思わせるのがいい作品。
・起源をとらえる。
・天皇はもとは神主さん。
・言いにくいことを言うということ自体が自己解放。
Posted by ブクログ
故哲学の巨匠が普通に世の中の良し悪しを語ってみたと。吉本さん普段だいぶひねくれてたけど、今回は落ち着いてますな。三島のことも優しく語ってくれてありがとうと。いつか子供に読み聞かせよう。
Posted by ブクログ
当たり前のことをちゃんと言えるってすごいなぁーと思う。
当たり前のことを堂々と言えないことって情けないけど沢山ある。だってなんとなく、とかだってそうなんだもん、としか言えないから。。
自分に引き寄せて、でも独りよがりにならないように考えていくって素敵なことだなぁ。
Posted by ブクログ
善悪二元論批判等、物事の見極めについての氏の持論を展開。エッセイ風で読み易い内容。何か特別印象に残ったものがあるかといえば、そうでもないんですが…。
Posted by ブクログ
思想界の巨人吉本氏の語り。とっつきやすい形でまとめられており読みやすい。この人は自分の体験したことを元に考えたり、自分が得た情報から考えたりとはっきりしているのが良い。